“「コミュニケーション力」をはぐくむ”親の影響を軽く見すぎていませんか?
誰とでも仲良くできて、人間関係に悩まない子どもになってほしい。そのために環境に気を配ったり、声かけをしたりしたいもの。普段の親の接し方からも子どもは多くを学んでいるので、そのことを意識して子どもと向き合いたいですね。
教育
特別なおもちゃなら想いを尊重して
自分のおもちゃを貸せないのはダメなこと?
子ども同士で遊んでいると、おもちゃの取り合いになることがよくあります。
例えば、お友だちが遊びに来て、おもちゃを使いたがった時に、自分の子に「あなたはいつでも遊べるんだから、貸してあげようね」と言っていませんか。
それは、ゆずり合いを教えるいい機会です。
ただ、その子にとって、とても大事で、どうしても貸せないおもちゃの場合、むりやり「貸してあげなさい」と言うのは違う、とも考えています。
「順番に使おうね」「この遊びが終わったらね」という声をかけて、お友だちに少し待ってもらってみるのはどうでしょう。
それでも貸せない場合は、「これはしまっておこうね」と片づけてしまってもいいと思います。
そのおもちゃを「誰にもさわらせたくない」という想いがあるとしたら、それをむりやり貸すことは、子どもにとって、とても大きな喪失感につながると思うからです。
おもちゃがただの「もの」ではない場合も
親は、おもちゃを貸せることが良いことだと思いがちですが「常に貸さないといけない」と思わなくていいのです。
子どもにとって、おもちゃというのは、ただの「もの」ではなく、さわられたくないくらい大事な「何か」である場合があります。
「この子にとって、このおもちゃはどういう存在なのか?」と考えて、その気持ちをくんであげたいなと思います。
大人であれば言葉で説明することができますが、幼い子どもは、「なぜそれを大切に思っているのか」という想いをうまく伝えられません。
たとえ小さな子であったとしても、大切にしている気持ちに土足で踏み込んでいくようなことはしたくないですね。
その子が「大切に思っているもの」や「想い」を大事にしてあげることは、大きくなった時に、「大切なものは誰にも奪われないし、相手の大切なものもむりに取り上げて「はいけない」と考えられるようになる土台になります。
相手の「想い」に気持ちを向けられるようになるためには、まず「自分の大切なものは守ってもらえるんだ!」と信じられることが、最初のステップになります。
人と関わる力を伸ばすのに役立つので、ぜひ!
呼ぶ、呼ばれることで学びが得られる
園で多くの子ども同士の関わりを観察していると、協調性があるか、自分の意見を言えるか、楽しく遊びに参加できるか、ルールを守れるか、ゆずったりゆずられたりを気持ちよくできるかなど、身についている「社会で生きていくために必要な力」が、子どもによって、それぞれに違うことがわかります。
そんな人とのコミュニケーションの力を伸ばす方法の1つが、「自宅にお友だちを呼んで遊ぶこと」です。特に一人っ子には、良い経験になるはずです。もちろん、お友だちの家に招待していただくことも、自己中心的な幼児にとっては、「アウェイ」を経験することになり、さらに学びの多い時間になります。
まず、自宅にお友だちを呼んだ時に起こるのは、「自分のもの」であるおもちゃを貸したくないというトラブル。だって「自分のもの」ですから。それでは一緒に遊べませんよね。取り合いになってこわしてしまうなどというアクシデントもよくあることです。そんな中で感じる怒りや嘆き、そして仲直りの気持ちよさ。自分のホームであるからこそ子ども自身の味わう喜怒哀楽は、幼児にとっては刺激が深く濃いものです。言いたいことを言う機会や、感情を表に出す練習、仲直りのプロセス、そのどれもが子どもの心が広く、強くなるチャンスになります。
子どもと一緒にする準備にも意味がある
友だちを招く準備は、ママにとっては大変かもしれません。でも、掃除をしたり、おやつの準備を子どもと一緒にすることで、お友だちを招くワクワクする気持ちを楽しんだり、どんな準備が喜ばれるのかを考えたりする意味ある時間になると思います。この準備は、先々の人生でも役に立つはずです。
また、そんな経験があると、訪問先での振る舞いを、受け入れ側はどのように感じているのかを考える機会になりますし、礼儀正しいことと、ご迷惑なことなどが、子どもなりに理解できていきます。招く側になることは、ちょっと負担があるかもしれませんが、それ以上に多くのことを親子で学べる機会になるはずです。きっと良い思い出にもなります。
「花まる子育てカレッジ」ディレクター
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