“「自己肯定力」をはぐくむ”伸びようとする芽を摘んでいませんか?

大人から見ると「なぜそんなことするの?」と思うような子どもの行動にも、その子なりの意味があります。止めるのはちょっと待って。何かに熱中している自分を親に受け入れてもらえることが、子どもの自己肯定感につながります。

教育

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親のことを批判するように

「子ども扱い」はやめる。頭ごなしの注意は控えて

年長さんは自我が芽生え始める年齢

年長さんになると、幼稚園や保育園でも最高学年ということで、子どもたちは自然とキリッとします。

これまで憧れて見上げていたお兄さんお姉さんと同じ扱いを受けることに胸をおどらせ、年下の子のお世話をしたり、模範的な姿勢を見せるような責任ある態度になっていきます。

この頃から気をつけたいのが、思春期にも似た自己主張や自我が芽生え、ママへの批判的な言動が増えること。

早熟なタイプの子ども、特に女の子に多い傾向があります。

「ママがそう言ったからやったのに、うまくいかないよ!」

「ママのせいで、失敗した」

「ママだって忘れちゃうくせに、なんで僕ばっかりしかられるの?」

といった言葉を聞いて、つい昨日まで「ママ。ママ」と素直に頼って甘えてくれていたはずなのに、と驚かれることでしょう。

これは、自分のことを客観的に見られるようになり、「できないこと」へのいら立ちや、ママの理想に自分が届いていないことを感じて、メンタルが不安定になっているためです。

言い方を変えるだけで解決することも

「子ども扱い」をやめて、「1人の独立した人」のように対応をすることで、解決する場合が多いものです。

例えば、新入社員さんへ言葉をかけるように。

ゲームなどやめてほしいことがある場合には、「ママはこう思うのだけど、どうかしら?意見を聞かせて」と問いかける。

忘れものをしそうな時には、「ママも忘れちゃうから、ここに出しておくのはどうかな?」など、配慮ある言葉に変えるだけで、子どもの態度が穏やかになるはずです。こちらに非があれば、「さっき言ったことは、間違っていたわ。ごめんなさい」と親でも素直に謝ることが大切です。

ママと娘が女同士のバトルになりそうな空気の時には、パパにうまく間に立っていただきたいなと思います。

まだ5歳の子どもに、そんな配慮が必要になっているなんて、思いもよらないかもしれません。

娘を溺愛しているパパに対して、自分の意志を通すために娘が上手に甘える場面を見ることもあります。

親に対して批判的な言動がふえたり、自己主張をうまく通そうとしたりするのは、文字が読めるようになることと同じように、成長の証の1つです。

PROFILE

「花まる子育てカレッジ」ディレクター

井坂敦子

雑誌「オレンジページ」編集部を経て、公式サイト初代編集長。
出版社勤務のかたわら、長女を難関私立小学校に合格させる。受験対応型保育園の立ち上げに加わり、生活の中で学ぶカリキュラムを立案、初代園長を務める。
その後、 小学校受験の個人指導でも実績を上げ、現職に。
子育てに悩む親が、自らの価値観に沿って子どもに向き合う手助けをすることを信条としている。

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