いじめが起きている?小学生におけるいじめ問題と親の対処方法とは?
自分の子どもがいじめの被害者や加害者になったとき・・・その対処法と子どもとの関わり方のポイントをまとめました。
学校
いじめが起きている?小学生におけるいじめ問題と親の対処方法とは?
小学生は身体的にも精神的にも大きく成長する時期で、不安定な子が多い中、いじめも起こりやすい時期と言われています。
小学生のいじめの種類や一番多い内容は何だろう。
なぜいじめが増えるのだろう。
自分の子どもがいじめの被害者、もしくは加害者だと知ったとき、親には何ができるのだろう。
この記事では、小学校でいじめが起きる理由といじめを知ったときにできる親の対処方法をメインに詳しく紹介していきます。
小学校でいじめが起きる理由とは
まずは、小学校で起きるいじめの種類とその理由について、次の2つを見ていきます。
・どこからがいじめですか?
・小学生でいじめが多い理由は?
どこからがいじめですか?
いじめ防止対策推進法ではいじめについて、以下のように定義されています。
(定義)
第二条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
いじめには、叩く、蹴るなどの身体的暴力、悪口や脅しなどの言葉による攻撃、仲間外れにする社会的排除、嫌がらせなどの心理的圧迫など、さまざまなものがあります。いじめは本人が心身の苦痛を感じるものですが、これらの行動が一度や二度の出来事ではなく、継続的に行われる場合、周囲からはいじめと認識されるでしょう。
いじめは、被害者である子どもに深刻な心理的、または身体的な影響を及ぼす可能性が非常に大きなものになります。学校や保護者はいじめの兆候を早期に察知し、適切な介入を行っていく必要があります。
小学生でいじめが多い理由は?
次に小学生でいじめが多い理由を見ていきます。
小学生でいじめが多い理由には何があるのでしょうか?ここでは次の2つの内容に焦点をあててみます。
・いじめで一番多い内容は?
・なぜいじめは起きるのか?
いじめで一番多い内容は?
いじめには色々な種類があるわけですが、小学生で最も多いいじめは「言葉による攻撃」 であると言われています。
小学生はまだ身体的な力の差がそれほど大きくないため、言葉での攻撃が手軽な手段となってきます。例えば、名前を呼ばないで無視するいじめ、悪口や侮辱を繰り返す言葉の暴力、噂話を広めることによる陰口などが挙げられます。
子どもたちは言葉の影響を直接的に受けやすいため、これらのいじめが長期にわたると、自尊心を傷つけられて孤独感が強くなり、深刻な状態に陥ってしまいます。
なぜいじめは起きるのか?
なぜ、いじめは起きてしまうのでしょうか。
ここでは、以下の3つを見ていきましょう。
・いじめられる子の性格の特徴は?
・いじめをする子どもの特徴は?
・子どもがいじめをする理由
いじめられる子の性格の特徴は?
小学校でいじめられやすい子どもの特徴として、「他の子よりも目立つ」ということがまず挙げられます。目立ち方も様々ではあるのですが、例えば、以下のような子が該当する傾向にあります。
・内向的で人見知りする子
・学業成績が極端に高いまたは低い子
・外見や行動が他の子どもたちと異なる子(ファッションセンスや話し方など)
・新しい環境やクラスに転入してきたばかりの子
これらの子どもたちは、集団の中で目立つためにターゲットにされやすいです。また、自己主張が苦手で、自分の意見を言いにくい子もいじめられやすい傾向にあります。
これらの特徴が原因で、他の子どもたちとのコミュニケーションが取りづらく、孤立しやすくなることがいじめに繋がってしまう要因となっているのです。
いじめをする子どもの特徴は?
小学校でいじめをする子どもの特徴として、自己主張が強く、攻撃的な性格であることが多いです。
彼らは感情をコントロールするのが苦手で、怒りや不満を他人にぶつけてしまいがちです。また、学校で人気を得るためや一定の地位を確立したいために他の子をいじめて自分の方が立場が上なんだとアピールすることもあります。
いじめをする子どもが、なぜいじめをするのかは様々な原因が考えられます。家庭内での問題や親からの愛情不足などが原因で学校での振る舞いが攻撃的になることもある、と言われています。
子どもがいじめをする理由
各ケースによって子どもがいじめをする理由は様々です。
たとえば、自己の優位性を示したい、注目を集めたい、または仲間から認められたいという欲求からいじめに走ることがあります。また、自身が抱える不安やストレスを他人に向けることで解消しようとする心理もあるでしょう。
家庭環境が不安定で愛情や注意が不足している場合、そのフラストレーションを学校でのいじめという形で表現することもあります。さらに、他の子がいじめをしているのを見て、その行動を模倣することもあります。
いじめは、これらの複合的な理由で起こるのです。
子どものいじめを知ったときの親の対処法
続いて、子どものいじめを知ったときの親の対処法に関して以下を見ていきましょう。
・子どもがいじめられている、いじめているのサインは?
・子どもがいじめに直面したとき、親はどこまで介入する?
子どもがいじめられている、いじめているのサインは?
子どもがいじめられている・いじめているサインとして以下があります。
いじめられているサイン
・学校へ行くことを嫌がる
・急に無口になる
・物をなくしたり破損して帰る
・急に悪夢を見たり夜泣きをする
・突然成績が下がる
いじめているサイン
・口調が荒くなった
・他人の物を持ち帰る
・家族や友人に対して支配的な態度を取る
・他の子どもの悪口を言う
・聞いても具体的なことは答えなくなった
上記行動の変化は、何らかの問題を示している可能性があるため、親は注意深く子どもの様子を観察し、適切な対応を考えることが重要です。
子どもがいじめに直面したとき、親はどこまで介入する?
子どもがいじめに直面したとき、親はどこまで介入すべきでしょうか。ここでは、次の3つを見ていきます。
・我が子のいじめを知ったとき
・教師や学校へ相談と協力方法
・専門機関と法的措置の利用
我が子のいじめを知ったとき
我が子のいじめを知ったときに親ができることを、以下状況毎に見ていきましょう。
・子どもがいじめられていると知ったとき
・子どもがいじめの加害者になったとき
子どもがいじめられていると知ったとき
子どもがいじめられていると知った場合に親ができることを紹介します。
・子どもに安心感を与えてあげる
親はまず子どもに寄り添い、話をじっくり聞いて安心感を与えましょう。非難したり怒ったりせず、子どもが感じている感情を理解し、共感し、あなたの味方だよと伝えてあげてください。
・学校との相談
必要に応じて学校に連絡し、担任教師や学校カウンセラーと協力して具体的な対策を話し合います。いじめの事実を具体的に伝え、解決策を一緒に考えるよう伝えましょう。必要であれば、教育委員会や外部の専門家に相談することも検討してください。親が積極的に関与し、子どもが安全で健全な環境で学べるよう支援することが大切です。
・子どもの意見を尊重する
子どもがいじめに対してどうしたいか、どのように行動したいか、子どもの意見を尊重しましょう。学校に行きたくないと言っているなら、可能な範囲でしばらく休んで様子を見守るのもいいかもしれません。いじめられている子どもは心身が傷ついています。
子どもがいじめの加害者になったとき
子どもがいじめの加害者であることを知ったときに親ができることを紹介します。
・冷静に話を聞く
子どもがその行動に至った理由を、冷静に理解することが大切です。なぜいじめをする行動に繋がったのか、根気よく向き合って話を聞きましょう。
・いじめはよくないことだと伝える
子どもとの対話を通じて、その行動の重大さと影響を説明し、感情のコントロールや適切な対人関係の築き方を冷静に教える必要があります。親だと冷静に聞いてもらえないこともあるため、必要に応じて専門家に相談することも大切です。
・学校と連携を取り解決を目指す
教師やカウンセラーの助けを借りながら、被害者とその保護者に真摯に謝罪しましょう。必要であれば、心理学的なサポートを受けることも考えるべきです。親としては、子どもの行動に責任を持ち、指導とサポートを継続することが求められます。
教師や学校へ相談と協力方法
自分の子どものいじめ問題に直面した場合、教師や学校との相談と協力方法について紹介します。
・被害者の立場
担任教師に直接連絡を取り相談します。必要に応じて学年主任や校長、カウンセラーも入れてもらいましょう。事実関係を正確に伝え、具体的な対策を要求します。学校と定期的に連絡を取り合い、対策の進捗や子どもの学校での様子を確認することも重要です。子どもの感情の変化にも注意していきましょう。
・加害者の立場
学校に連絡を取り、事実を認めたうえで解決するための協力を申し出ます。カウンセラーとの面談を設定し、子どもの行動改善に向けたプログラムへの参加を検討することも大切です。いじめは一時の場合もあればすでにその子に習慣づいていることもあります。子どもがしっかりと反省し、再発防止に努めるためのサポートを継続することが重要です。
被害者、加害者両方の立場において、問題を隠すのではなく、解決に向けて協力的な姿勢を保つことが大切です。
専門機関と法的措置の利用
小学生のいじめに直面した場合、専門機関への相談や必要に応じて法的措置を取ることが必要な場合があります。ここでは被害者と加害者の立場から見た対応を紹介しましょう。
被害者が相談できる子どもの相談機関として、児童相談所や、市区町村が設けている子どもの権利に関する相談窓口があります。教育委員会や学校教育相談センターも相談先の一つです。状況によっては、弁護士や法テラス(日本法律支援センター)など、法的アドバイスが必要な場合もあるでしょう。
いじめが身体的な暴力を伴う場合、警察への被害届提出を検討、民事訴訟による損害賠償請求などが考えられます。
加害者の立場であれば、心理療法を行うクリニックやカウンセラーに相談しましょう。子どもの行動や心理に焦点を当て、原因と対策を探るために、心理学的サポートが必要です。また、教育委員会や学校教育相談センターに相談し、適切な指導や介入を求めて、学校で二度といじめを起こさないようにすることも大切です。
加害者は未成年であっても、いじめが深刻な場合法的な責任を問われる場合があります。 家族は弁護士と相談し、必要な対応を考えましょう。学校や第三者機関と協力し、再発防止と責任の取り方について学ぶことも重要です。
いじめの問題には、学校など教育的な対応だけでなく、心理的な支援や場合によっては法的措置が必要となることもあります。親は子どもが安全で健全な環境で成長できるようサポートしましょう。
いじめで警察に通報すべき具体例は?
小学生のいじめで警察に通報すべき具体例としては、以下のようなケースがあります。
・身体的な暴力を伴い子どもが怪我をした場合
・脅迫を伴う重大な事件(生命の危険を感じさせるような脅し)がある場合
・性的ないたずらや暴行があった場合
これらの行為は犯罪にあたり、ただの子ども同士のいざこざとして見過ごすことはできません。警察に通報することで、専門の捜査が行われ、適切な法的措置が取られることになります。
このように、子どもの安全が脅かされる重大な事態には、迅速に警察への相談を検討することが重要です。
家庭でのコミュニケーションと信頼関係の構築
小学生のいじめ問題に向き合うためには、 家庭内で子どもとコミュニケーションを取り、親子の信頼関係を構築すること が重要です。
親は子どもに対して、いじめについて感じていることなど、子どもが話すことを何でもしっかりと聞くことが大切です。子どもに「自分の話を聞いてくれる人がいること」「味方がいる」と伝え、安心感を与えてあげましょう。
子どもは、親に話すことで、いじめを一人で抱え込まなくてもよくなるなどの安心感が生まれるでしょう。
親は、日常からの小さな会話を大切にし、子どもの興味や悩みに真摯に耳を傾けることが子どもから安心してもらえる存在に繋がります。
長期的視点でのいじめ解決への取り組み
家庭で長期的にいじめ問題解決のために取り組むことが大切です。
家庭では、子どもがリラックスして自由に自分の感情を表現できる環境づくりが大切です。子どもにとって安心できる存在が家庭内にいること、自分を理解してくれて、味方になってくれる人がいることを、日常のコミュニケーションで子どもにしっかりと伝え続けてあげましょう。
家庭内で 安心できるコミュニケーションを長期的に続けることで、子どもは自己肯定感を高めていきます。いじめで困難に直面したときも安心して相談できる存在が家庭内にいること、自分にとって一番の味方でサポートしてくれる存在がいることが、いじめ問題解決への長期的な取り組みに必要です。
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