入学前にひらがなはどこまで書ければいい?元小学校教員が教える、1年生の授業と家庭でできる準備
小学校入学前、ひらがなはどこまで書ければいい?「まだ名前しか書けない」「読めるけれど書けない」と不安な方へ。 元小学校教員が、入学時点での子どもたちの差や1年生でのひらがなの学び方、入学前に家庭でできる準備を紹介します。
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入学前にひらがなはどこまで書ければいい?元小学校教員が教える、1年生の授業と家庭でできる準備
「まだ自分の名前も上手に書けないのに、このままで大丈夫かな」
入学が近づいてくると、ふとそんな不安がよぎることはありませんか?
まわりのお友達がすらすらとひらがなを書いていたり、SNSで「もう日記を書いています」といった投稿を見かけたりすると、比べるつもりはなくても、「うちの子、遅れている?」と焦ってしまうこともあるかもしれません。
小学校教員として勤務するなかで、子どもたちの「書く力」には大きな個人差があることを感じていました。入学時点でも、自分の名前を書くところからスタートする子もいれば、すでに文章を書ける子もいるなど、ひらがなの習得状況には幅があります。
だからこそ、入学前の段階で「どこまで書ければいいの?」と必要以上に焦る必要はありません。
結論から言うと、入学前にひらがなをすべて完璧に書けるようにしておく必要はありません。入学後は、国語の授業でひらがなの書き方を一文字ずつ学んでいきます。
この記事では、入学前にひらがなはどこまで書ければいいのか、1年生ではどのようにひらがなを学んでいくのかを、元小学校教員の視点からお伝えします。あわせて、入学前に家庭でやっておくと安心なことも紹介します。
入学前、ひらがなはどこまで書ける必要があるの?
入学前に、ひらがなをすべて正しく書けるようにしておく必要はありません。「読めるけれど書けない文字がある」「自分の名前なら書ける」など、入学時点でのひらがなの習得状況には個人差があります。
まずは、「読める」と「書ける」の違いから見ていきましょう。
「読める」と「書ける」は別のスキル
絵本や看板の文字が読めることと、実際に鉛筆を使って文字を書くことは、同じではありません。
文字を書くには、文字の形を覚えるだけでなく、鉛筆を動かして線や形を再現する力も必要になります。そのため、「ひらがなは読めるのに、まだうまく書けない」ということがあっても不思議ではありません。
絵本をすらすら読める子でも、実際に鉛筆を持つと線がガタガタになったり、文字のバランスが崩れたりすることもあります。
入学時点でひらがなをすべて書けなくても大丈夫?
小学校では、入学後の国語の授業でひらがなの読み書きを学んでいきます。文字を書く学習だけでなく、鉛筆の持ち方や書くときの姿勢、線を書く練習なども行いながら、少しずつ文字を書くことに慣れていきます。
そのため、「入学までにひらがなを全部書けるようにしなければ」と焦って、無理に先取りする必要はありません。
入学時点でどこまで書けるかだけを見るのではなく、「文字に興味を持っている」「自分の名前がわかる」など、その子が今できていることを土台にしながら、入学後の学習につなげていくことが大切です。
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1年生の教室では、ひらがなをどれくらい書ける?
では、実際に入学する子どもたちは、どれくらいひらがなを書けるのでしょうか。
名前だけ書ける子から、文章が書ける子までさまざま
自分の名前を書くところからスタートする子もいれば、すでに簡単な日記や手紙を書ける子もいます。入学時点では、ひらがなを「どこまで書けるか」に大きな幅があります。
また、文字を左右反対に書く「鏡文字」になったり、文字の大きさや形のバランスがうまく取れなかったりすることもあります。
大切なのは、「今、何文字書けるか」だけで、その子の学ぶ力を判断しないこと。
ひらがなを書くことはまだ苦手でも、絵を描くことが好きだったり、人の話をよく聞けたり、興味のあることには夢中になれたりと、子どもによって得意なことはそれぞれ違います。
入学時点でまわりの子との差が気になっても、そこで「遅れている」と決めつける必要はありません。入学後の学習や日々の経験を通して、少しずつ身につけていく時期だからです。
スタートに差があっても、ひらがなの書き方は学校で学ぶ
入学時点ですでに書ける子も、まだうまく書けない子も、国語の授業ではひらがなの書き方を一文字ずつ学んでいきます。
すでに書ける子にとっても、文字の形や書き順、鉛筆の持ち方、書くときの姿勢などを改めて学ぶ機会になります。
つまり、1年生の授業は「入学前にみんなが同じところまでできている」ことを前提に始まるわけではありません。
入学前の段階でまわりと比べて焦るよりも、「これから学校で学んでいくことのひとつ」と捉えておくとよいでしょう。
学校ではどうやってひらがなを教えていくの?
「入学前に書けなくても大丈夫と言われても、授業についていけるの?」と心配になる方もいるかもしれません。
小学校では、文字の形だけでなく、鉛筆の持ち方や書くときの姿勢、書き順なども確認しながら、ひらがなの書き方を学んでいきます。
国語の授業で一文字ずつ書き方を学ぶ
国語の授業では、ひらがなを一文字ずつ取り上げながら、書き方を練習していきます。
先生が黒板などに大きく文字を書き、「どこから書き始めるのか」「どの方向に線を動かすのか」「マスのどの位置に書くのか」などを確認したうえで、子どもたちも実際に鉛筆を動かしていきます。
なぞり書きをしたり、マスの中に繰り返し書いたりしながら、少しずつ文字の形や書き順を身につけていきます。
すでにひらがなを書ける子にとっても、書き順や文字のバランスを改めて確認する機会になります。
つまり、入学前に自己流でたくさん書けるようにしておくことよりも、入学後に学校で学びながら身につけていくことが大切なのです。
ひらがなの習得には個人差がある
同じ授業を受けていても、すぐに文字の形をつかめる子もいれば、何度も書きながら少しずつ覚えていく子もいます。
先生は子どもたちが書いている様子を見ながら、必要に応じて鉛筆の持ち方や文字の形、書き方などを確認していきます。
そのため、入学直後にまわりの子より書くのに時間がかかったり、うまく形を整えられなかったりしても、その時点だけで「遅れている」と判断する必要はありません。
では、入学前の家庭では、どのような準備をしておけばよいのでしょうか。
入学前にひらがなを練習するときに気をつけたいこと
「入学して困らないように、今のうちにたくさん練習させた方がいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
もちろん、子ども自身が文字を書くことを楽しんでいるのであれば、入学前にひらがなに触れることは問題ありません。ただし、「入学までに全部書けるようにしなければ」と焦って練習させる必要はありません。
自己流のクセがつかないように気をつける
入学前からひらがなを書くのであれば、何文字書けるかだけでなく、鉛筆の持ち方や書き順にも目を向けてみましょう。
自己流の鉛筆の持ち方や書き順に慣れていると、入学後に学校で習った方法との違いに戸惑うこともあります。
だからといって、家庭で厳しく直したり、何度も書き直させたりする必要はありません。
「たくさん書けるようにする」ことよりも、文字を書くことを嫌いにさせないこと。入学前は、楽しみながら鉛筆や文字に触れるくらいに考えておくとよいでしょう。
「何文字書けるか」と一緒に、鉛筆の持ち方や姿勢も見てみよう
小学校教員として子どもたちを見てきたなかで、文字を書くときの鉛筆の持ち方や姿勢も大切だと感じていました。
入学後は、国語だけでなくさまざまな授業で鉛筆を使います。そのため、ひらがなを何文字書けるかだけでなく、無理なく鉛筆を持てるか、机に向かって文字を書けるかといったところにも目を向けてみてください。
家庭でひらがなの練習をするときも、うまくできないからとその場で何度も直させるのではなく、「こうやって持つと書きやすいよ」と声をかけるくらいからで十分です。
入学前は「完璧に書けるようにする期間」ではありません。子どもが文字に興味を持ち、「書いてみたい」と思える気持ちを大切にしながら準備していきましょう。
入学前にやっておくと安心なこと
では、入学前の家庭ではどんな準備をしておけばよいのでしょうか。
ひらがなをすべて書けるようにする必要はありませんが、学校生活をイメージしながら、無理のない範囲で文字に親しんでおくとよいでしょう。
まずは自分の名前を読めるようにしておく
入学すると、靴箱やロッカー、持ち物など、学校生活のさまざまな場面で自分の名前を目にします。
そのため、自分の名前を見て「これは自分のものだ」とわかるようになっていると安心です。
書くことについては、入学前から完璧に書けなくても大丈夫です。子どもが興味を持っているようなら、自分の名前を書くところから少しずつ楽しんでみるのもよいでしょう。
遊び感覚でひらがなに触れる機会を作る
無理にドリルをやらせなくても、絵本を一緒に読んだり、お手紙ごっこをしたり、お買い物ごっこでメニューを書いたりと、日常のなかでひらがなに触れる方法はたくさんあります。
「勉強させなきゃ」と気負うよりも、まずは子ども自身が文字を「読んでみたい」「書いてみたい」と思えることを大切にしてみてください。
例えば、お風呂にひらがな表を貼って文字を探したり、しりとりをしたりするのもひとつの方法です。
ドリルを何ページ進めたかだけにとらわれず、生活や遊びのなかで文字に触れる機会を少しずつ作っていきましょう。
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できないことより、できたことに目を向ける
「まだこんなに書けないの?」「お友達はもう書けるのに」といった言葉は、入学前の不安から、つい口にしてしまうこともあるかもしれません。
けれど、まわりの子と比べるよりも、その子自身ができるようになったことに目を向けてみてください。
「今日は『あ』が書けたね」「自分の名前を見つけられたね」と、できたことを一緒に喜ぶことが、文字への興味を育てるきっかけになります。
入学前のひらがな学習では、「どこまでできたか」だけではなく、子どもが文字に興味を持ち、楽しんで触れられているかも大切にしていきましょう。
「入学までにどこまでできれば?」てつなぎ掲示板に寄せられた声
「入学までに、もっとできるようにしておいた方がいいのかな」
実際、てつなぎ掲示板にも、小学校入学を前に同じような不安を感じている保護者の声が寄せられています。
「ひらがなは読める。でも、書けない文字もある」
あやこさん(40代)は、4月から小学生になる息子さんについて、「授業についていけるかがとにかく心配」と投稿しています。
共働きのため、毎日宿題を一緒にできるかという不安もあるなか、入学前の息子さんは、自分の名前はかろうじて書けるものの、「ね」「れ」はまだ書けない。カタカナは半分ほど読めても、書くことはできない状態だったそうです。
そして、「実際どれくらいの学力を求められるのか」と不安な気持ちを綴っています。
▶ 元の投稿を読む:小学校の宿題について
この記事で見てきたように、入学時点で「読める文字」と「書ける文字」に差があったり、書けない文字が残っていたりすることはあります。
「入学までに全部できるようにしなければ」と考えるのではなく、入学後に学校で学んでいくことも含めて、小学校生活のスタートと考えてみてはいかがでしょうか。
入学前は「できる・できない」より、文字への興味を大切に
入学が近づくほど、まわりの子がどこまでできているのか気になってしまうものです。でも、大切なのは、入学時点でひらがなを何文字書けるかだけではありません。
小学校では、入学後にひらがなの書き方を一文字ずつ学んでいきます。今できていないことばかりを見るのではなく、「これから学校で学んでいくことなんだ」と捉えてみてください。
入学前は、子どもの「読んでみたい」「書いてみたい」という気持ちを大切にしながら、小学校生活のスタートを迎えられるといいですね。
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