子どもの短所を成長の武器に変える方法
自分で質問ができる子になると子どもの可能性がどんどん広がる 「子どもの可能性に火をつけたのはたった一つの質問でした」
教育
子どもの短所を成長の武器に変える方法
私は特別に頭がいいわけではない。
ただ、変わろうという気持ちを質問に移しただけだ。
――― ビル・ゲイツ
スポーツで成功した人たちに、スポーツを始めた理由を聞くと、非常にユニークなケースが多いことに気づきます。
体の大きなボディービルダー、誰よりも早い陸上短距離選手、ピッチを駆け回るサッカー選手。
どのスポーツ選手も初めから実力が秀でていたわけではありません。
ある短距離選手は、学校で友だちに「足が遅い」とからかわれたことがきっかけで運動を始めました。
また、あるボディービルダーは子どものとき体が弱くて小柄だったため、ひたすら筋トレに励んでいるうちに誰よりもたくましい体になったのだそうです。
ある日、アナウンサーとして活躍する知人に、私が子どものとき国語が一番苦手だったことを話すと、彼はもっと意外な話をしてくれました。
「先生、私は子どもの頃、吃音で、しょっちゅうからかわれていたんですよ」
みんながみんな、長所を武器に生きているわけではありません。
逆に人生の武器は、短所がきっかけになる可能性のほうが高いのです。
「あなたは体が弱いから、頭を使うことをしよう」
「あなたは算数の才能がないから、他の科目に時間を費やそう」
こういう形で子どもを指導する親が多いと思います。
しかし、特定の分野で名を残した大物たちは、正反対の子ども時代を送っていました。
彼らは、病弱な体を鍛えるために始めたスポーツを一生の仕事にし、吃音を克服するために始めたスピーチ練習のおかげで話のプロになったのです。
こういったケースは身近なところでも見られます。
スポーツで突出していた子が、その後選手にはならずに趣味程度で終わるケースもよくあるでしょう。
反対に、あるスポーツがとても苦手で、それを克服するために本格的に始めた結果、トップレベルのアスリートになるケースもあります。
実に不思議なことです。世の中には数多くの専門家がいますが、彼らがその分野の専門家になったきっかけも、実は自分の「短所」を克服するための努力でした。
わかりやすく言えば、カウンセリングが必要な人が、将来カウンセラーになるわけです。
精神的に苦労した人が心の病気を治す専門家に、人間関係でつらい思いをした人が対人関係のアドバイザーになるのです。それはなぜでしょうか?
そのことで本当に苦しんだ人だけが
最も深く悩むからであり
最も深く悩む人が
現実の苦しみを癒やす答えを見つけるからだ。
私たちはこれまで、子どもの長所を将来に生かそうと必死になってきました。
作文が上手なら作家に、絵の素質があるなら画家に、勉強がよくできるなら学者にすべきと考えてきました。
つまり、子どもたちの今の能力に注目して将来を描いていたわけです。
しかし、これまでの歴史を振り返ると、それで成功したケースはあまりありません。
逆に、苦手な部分を克服しようとした人たちのほうが、それを一生の仕事にしようと努力して成功し、そうやって生きた人の方がはるかに大きな幸せを感じていました。
今は短所でも、子ども自身に克服しようという意志があるのなら、そのことに情熱を注げるようそばでサポートしましょう。
「才能」よりも、「諦めない気持ち」のほうが子どもの未来に大きな影響を与えるからです。
今からでも子どもの短所を把握し、それを将来の武器にできないかどうか考えてみましょう。
次のような質問から入ってみてはいかがでしょうか。
「学校の授業ではどんなことで困ってる?」
「何をしているときが一番楽しい?すぐにやめたくなっちゃうのは何をしているとき?」
もし、子どもが何かに苦しんでいるのなら、その苦しみを通して子どもの未来を考えるのも一つの方法です。
つらかった経験が、誰かの苦しみを癒やす最も大きな資源になるからです。
泣き続けた日々があるからこそ、泣いている人の気持ちが理解できるのです。
人文教育専門家
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