ネガティブなニュアンスで叱ってはいけない!?
どうせならもっと上手に叱ってくれない?世界初!?「子ども目線」による褒め方と叱り方のコツ
しつけ/育児
ポジティブな伝え方
ネガティブなニュアンスで叱ってはいけない理由
赤ちゃんに「ハイハイしなさい!」と言う人はいませんよね。
赤ちゃんは誰に言われず とも自然にハイハイするようになりますし、「立ちなさい」と言われずともつかまり立ちをして、「歩きなさい」と言われずとも歩き出すようになります。
しかし成長するにつれて、
「ちゃんと先生の話を聞かないと怒るよ!」
「靴をはかないとお外にいけないよ!」
「早くしないと遅刻するよ!」
「勉強しないと将来大変よ!」
と、注意や指示をされることが増えていきます。
これらはごく一般的なことで、ほとんどの親御さんが言ったことがあるフレーズだと思うのですが、一つ心に留めていただきたいことがあります。
それは、「早くしないと遅刻するよ!」といった指摘を続けていくと、子どもたちの潜在意識には「行動するとネガティブなことが起きる」という気持ちが刷り込まれていってしまうということです。
もちろん、親としては
「将来この子が困らないように」
「あとで後悔や失敗してほしくないから」
といった気持ちがあった上での言葉なのですが、
「~すると、ネガティブなことが起きる」という伝え方は子どもたちの積極性を奪ってしまうのです。
本当はやってみなければわからないことも、
「怒られるのかな?」
「注意されるのかな?」
「楽しんじゃいけないのかな?」
と制約やルールをつくり、行動することに尻込みするようになっていきます。
未来に楽しいことがあると思うと行動できる
子どもたちの意欲を失わせずに行動の改善を促すには、「ポジティブに伝える」ことです。
つまり、「〜すると、こんなポジティブなことが起きるよ」という言い方に変えれば万事解決です。
たとえば、
「ちゃんと先生の話を聞かないと、怒るよ!」
→「楽しい話をするから、聞いていてね!」
「靴をはかないとお外にいけないよ!」
→「靴をはいたらお外で楽しく遊べるよ!」
「早くしないと、遅刻するよ!」
→「もう少しスピードアップすると、余裕を持って学校に行けそうよ!」
「勉強しないと、将来大変よ!」
→「勉強することで、たくさんの知識や選択肢が広がるよ!」
このように、行動の先に何か楽しいこと、ポジティブなことがあると潜在的な意識で感じていれば、
「チャレンジしてみたらうまくいくかもしれない」
「うまくいくかわからないけどやってみようかな」
と意欲がわいてきます。
私の息子(小学4年生)は朝が苦手で、「起きて!」と声をかけても起きてくれません。
何度も「起きて!起きて!」を繰り返すと、「起きてるよ!」と目だけ開けますが、布団からは出てきてくれません(笑)。
そこでいつからか、「イスに座っておいしい朝ごはんを食べよう!」と言うようにしました。すると、布団から出て素直に食卓についてくれるようになったのです。
言葉がけを少し変えるだけで、子どもは行動しやすくなります。ぜひ、楽しい未来を想像できる声がけをしてあげてください。
ポイント
子どもを脅かして動かすのではなく、その先に「楽しい」が待っていることを伝えてあげてください。
社会福祉法人みずものがたり理事・おへそグループ統括園長。公認心理師・保育士・幼稚園教諭・中学高等学校教諭。
5歳の時交通事故で父を亡くし、母に3人兄弟の真ん中として女手一つで育てられる。
同じ時期に空手を始め、そこで出会った空手の師匠に多大なる影響を受ける。高校ではメキシコ合衆国へ1年間留学し、大学時代に乳幼児教育に興味を持ち、保育コンサルティング会社に入社。
約1年半の間に50施設以上の保育園設立や運営に関わりながら乳幼児教育を学ぶ。
2010年に保育園設立を検討していた佐賀の地元企業の社長と出会い、その教育への思いに共感。地元に戻り、2011年25歳で認可外保育所「おへそ保育園」園長に就任する。その後認可化し、現在はハンディキャップを持った子どもたちも含め、園庭を共有する形で0歳から12歳までの子どもたちが共に過ごしている。
開園当初より取り組んでいる「国際理解教育」が評価され、2015年JICAグローバル教育コンクールにて最高賞である理事長賞を受賞。2022年環境省「グッドライフアワード」実行委員会特別賞受賞。子ども向けの「哲学対話」を日本で初めて保育に導入するなど、保育内容においても評価されている。
現在、小規模保育所「おへそ保育園」・幼保連携型認定こども園「おへそこども園」・企業主導型保育所「おへそつながり」・児童発達支援施設「おへそこども学園」・放課後学童クラブ「おへそ学道場」計5事業を統括する園長として働くかたわら、空手指導・執筆・講演活動の他に、一男一女の父として子育てにも奮闘中。
https://naokiyoshimura.com/
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