子どもの知能を高める「育脳ごはん」――DHA以外に必要な「育脳栄養素」は?
食事
最新科学が証明。子どもの知能を高める“脂”がとれる最高の食べ物&食べ方。知能は“脳のやわらかさ”で決まる。赤ちゃんにも受験生にも効果アリ。“感情コントロール”も栄養が影響する。育脳脂の含有量がわかる!21レシピを紹介。
小山 浩子先生著書の『「賢い脳」は脂が9割 地頭のよい子をつくる「育脳ごはん」』から一部転載・編集してお届けいたします。
DHA以外に必要な「育脳栄養素」は?
神経伝達物質の素をつくる「タンパク質」
「賢い脳」をつくるためには、DHA以外に必要な栄養がたくさんあります。
まず、脳を「つくる」栄養素が、脂質とタンパク質。
脳は脂質が6割、タンパク質4割で構成されています。
なかでも、情報の伝達を担う「神経伝達物質」の多くが、タンパク質由来の「アミノ酸」でできています。
アミノ酸の集合体であるタンパク質は、体内にとり込まれると、一度バラバラに分解され、使う目的に合わせて再合成されたのち、各器官や細胞に送られています。
このアミノ酸からつくられる神経伝達物質は約20種類あるといわれており、注意力や記憶に関わる「アセチルコリン」や「ノルアドレナリン」、やる気に関わる「ドーパミン」など、学習に関わる働きを持つものがたくさんあります。
そのため、アミノ酸が十分にとれていないと、学習どころか精神的にも不安定になり、さらに体のあらゆる器官の成長にも悪影響を及ぼしてしまうのです。
アミノ酸の種類や含有量は食品によって異なり、ひとつ種類が少ないものがあると、他のアミノ酸の吸収も悪くなる、という特徴があります。
なかでも、体内でつくることができない「必須アミノ酸」がバランスよく含まれているのが、タンパク質摂取の際には重要になります。
この必須アミノ酸がどれぐらいバランスよく含まれているかを数字で表した指標を、「アミノ酸スコア」といいます。
そして、その最高スコアである「100」を誇る食品が、卵、牛乳、大豆。
これらをさまざまな魚や肉と合わせてとることが、育脳食の大きなポイントといえるでしょう。
脳の働きをスムーズにする「ミネラル」
脳の重要ミネラルとして最初にあげたいのが、鉄とカルシウムです。
鉄は脳に酸素を運んだり、神経伝達物質の合成に関わる重要な微量栄養素。
最近、インドで行われた研究では、鉄強化食品を与えられた思春期の子どもは「実行機能(目標を達成するために思考・感情・行動を制御する能力)」や記憶力が向上することが確認されました。
これだけ重要であるにもかかわらず、思春期の子どもの半数が鉄欠乏であるといわれているので、要注意です。
カルシウムは脳の神経伝達物質が移動するときのサポート役を担っており、シナプスかシナプスへ情報を伝達していくときに必要になります。
心臓を働かせることにも関わっているので、別名「命の炎を燃やすミネラル」と呼ばれるほど重要な栄養素。精神を安定させる働きも担っているため、不足するとイライラしやすくなります。
また、骨の成長にもカルシウムが欠かせないことは有名ですね。
また、亜鉛も子どもに不足しやすいミネラルの代表格。
脳内では記憶に関わったり、シナプスの形成や神経伝達物質の調整をするなど重要な役割を担っています。
欠乏すると脳発達に悪影響が出るため、要注意です。
脳の成長と働きを支える名サポート役「ビタミン」
ビタミンB群を中心に、各種ビタミンのなかにも脳の成長や働きに欠かせない重要な栄素がいくつかあります。
まず、なんといっても主役はビタミンB群でしょう。
ビタミンB1は、炭水化物からエネルギーをつくるサポート役として欠かせません。
不足するとエネルギーがつくられにくくなり、脳も体も活動が低下。
結果、集中力も落ちてしまいます。
そのほかにも、ビタミンB群は神経伝達物質の生成や神経細胞の働きをサポートしたり、酸化による欠損を修復するなど、健全な脳活動に欠かせない働きを担っています。
加えて重要になるのがビタミンCとビタミンE。
育脳のカギであるDHAやレシチンは酸化しやすいのが弱点ですが、この2つの強力な抗酸化作用があれば心配無用。
ビタミンには、脳に鉄を送って活性化する役割も。
管理栄養士。料理研究家。
発達脳科学者。小児科医・医学博士。公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。
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