子どもの知能を高める「育脳ごはん」――栄養は「チームワーク」でパワーアップする!

食事

管理栄養士。料理研究家。
発達脳科学者。小児科医・医学博士。公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。
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最新科学が証明。子どもの知能を高める“脂”がとれる最高の食べ物&食べ方。知能は“脳のやわらかさ”で決まる。赤ちゃんにも受験生にも効果アリ。“感情コントロール”も栄養が影響する。育脳脂の含有量がわかる!21レシピを紹介。
小山 浩子先生著書の『「賢い脳」は脂が9割 地頭のよい子をつくる「育脳ごはん」』から一部転載・編集してお届けいたします。

栄養は「チームワーク」でパワーアップする!

栄養は複数とることで弱点を補い合える

ビタミンやミネラルは、栄養学では「微量栄養素」と呼ばれています。

その名の通り、微量でありながらも発達や代謝機能、認知機能や免疫などを健全に維持するために欠かせない栄養という意味。

育脳効果に限らず、人体を正常に機能させるために欠かせない小さな巨人というわけですね。

微量栄養素は、「人体に吸収しにくく、外に出やすい」という、私たちにとって不都合な特徴を持っています。

そのため、すぐに不足してしまうので、こまめな摂取が欠かせません。

また、微量栄養素に限らず、タンパク質、脂炭水化物など栄養素全般にいえるのが「単体より、複数が組み合わさることでパワーアップする」ということ。

例えば、「酸化しやすいDHAは抗酸化作用のあるビタミンEと一緒にとると力を持続しやすくなる」といったように、単体でとるより複数の栄養を同時にとるほうが、互いに補い合って、効果がパワーアップするのです。

食べ物の「栄養密度」を高める方法

実際に、複数の栄養素を効率よくとるには、一度に口に入れる食材を増やすのが、シンプルな実践法でしょう。

といっても、何品も料理をつくる必要はありません。

パンであれば、ハムや卵、ウインナーを挟む。おにぎりであればごまや枝豆、しらすやツナを混ぜるなど、ごく簡単なことでOK。

ヨーグルトにきな粉を混ぜておやつに出してあげてもよいですね。

こうした工夫を重ねることで、子どもが口にするものの「栄養密度」の総量を高めることができます。

栄養密度とは、食品のエネルギー100キロカロリー当たりに含まれる栄養素の量のこと。

私たちは、常々カロリーを気にしますが、栄養の内訳に目を向けることを忘れがち。

しかし、脳のためにはどんな栄養素がどれぐらいとれるかを考えながら、子どもの食べ物を選んであげることが大切です。

特に、小さな子どもは食事量がまだまだ少ないので、1食あたりの「栄養密度」をいかに高めるかが勝負になります。

特に栄養密度が高いおすすめ食材ベスト3は、卵、大豆、牛乳。これらを工夫して毎日食卓に出してあげてください。

育脳パワーが高まる!おすすめ栄養チームアップ

DHA・EPA

×

ビタミンE

育脳に絶大な効果を持つDHAやEPAは、酸化しやすいのが難点。それをカバーするのが強力な抗酸化作用を持つビタミンE。青魚には緑黄色野菜ガベストマッチ、と覚えておくとよいでしょう。野菜の代わりに、やはりビタミンE豊富なオリーブ油を合わせてもOK。

例えば‥‥‥

魚肉ソーセージ

×

サニーレタス、ブロッコリースプラウト

魚の缶詰

×

枝豆

アマニ油

×

かぼちゃ


魚肉ソーセージとサニーレタスのホットドッグ

ビタミンB12

×

クエン酸

「血液のビタミン」と呼ばれるほど血流改善効果の高いビタミンB12の働きをよくするのが、クエン酸。クエン酸はビタミンB12の吸収を高めることで、脳に育脳栄養素をしっかり届けてくれます。集中力を高めたいときの最強の食べ合わせ。

例えば‥‥‥

チーズ

×

酸味の強い果物のドライフルーツ

レバーペースト

×

レモン汁

海藻

×

ドレッシング

ヨーグルト

×

冷凍マンゴーやパイナップル


冷凍マンゴー入りヨーグルト

レシチン

×

ビタミンC

記憶に関わる神経伝達物質の材料であるレシチンは、吸収率がやや低いのが難点。その吸収率を高めてくれるビタミンCと組み合わせるのがベスト。レシチン豊富な卵や大豆に、野菜や果物を添えれば、記憶カアップに効果的!

例えば‥‥‥

×

ブロッコリー

豆腐

×

ミニトマト

大豆

×

じゃがいも

卵ボーロ

×

いちご


ゆで卵とブロッコリーのサラダ

ビタミンB群

×

亜鉛

×

色素成分

脳全体の活性化に効果が高い栄養素ベスト3の組み合わせ。代謝を活発にし、摂取した栄養素の即効性を高めてくれます。色素成分はトマトの赤色「リコピン」や、ナスの紫色「ナスニン」、鮭の紅色「アスタキサンチン」に豊富です。

例えば‥‥‥

鮭フレーク(これ1品で3栄養素をすべて含む)

豚ひき肉

×

ケチャップ

あさり

×

トマト


あさりのトマトソースパスタ

著者

管理栄養士。料理研究家。

小山 浩子

大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。これまでに指導した生徒は7万人以上に及ぶ。子どもの脳の成長をサポートする「育脳ごはん」を提唱。NHKをはじめ多くのメディアや講演会、著書で、簡単かつ時短の工夫をこらしたレシピとともに、脳のために重要な栄養について伝える活動も展開中。『目からウロコのおいしい減塩 乳和食』(社会保険出版社・2014年グルマン世界料理本大賞イノベイティブ部門世界第2位)、『やさしい、おいしい はじめよう乳和食』(日本実業出版社・2019年同大賞チーズ&ミルク部門世界第2位)など、著書多数

監修

発達脳科学者。小児科医・医学博士。公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。

成田 奈緒子

発達脳科学者。小児科医・医学博士。公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。 1987年神戸大学卒業後、米国セントルイスワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。 2005年より現職。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもにいいこと大全』(主婦の友社)など多数。
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