失敗させない?自己肯定感を高めるコツ
世界初!?「子ども目線」による褒め方と叱り方のコツ#02
更新日:
吉村 直記:
社会福祉法人みずものがたり理事・おへそグループ統括園長。公認心理師・保育士・幼稚園教諭・中学高等学校教諭。
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失敗させない?自己肯定感を高めるコツ
エラーレストレーニングのすすめ
失敗から学ぶなんてムリ!
最初からうまくやって褒められたい!
大人が子どもをガミガミ叱りたくなるのは、多くの場合、大人が期待するレベルのことを子どもができていないときです。
たとえば園の朝の会で、床に座って先生の話を聞くのが難しい子が、集中できずに体を動かしたり、寝転んだりすることがあります。
このとき先生たちは、「集中してちゃんと話を聞いてください」と言ってしまいたくなるのですが、子どもにとってレベルが高すぎる要求ではないか、まず考える必要があります。
というのも「集中してちゃんと話を聞いてほしい」の内容を具体的に言うと、
「体を動かさずに、ピシッとした姿勢で座ったまま、話に耳を傾けて、話の内容を理解してほしい」
ということです。
しかし、子どもたちからすれば「あ〜あ〜今日も家でお母さんといたいな〜先生の話を聞くのってつらいよね〜」なのです(私たちも昔はそうだったはずです)。
また、集中して話を聞きたいという気持ちはあっても、体をうまく使えないので姿勢が保てない、という子も少なくありません。
そこで、床に座ってもらうのではなく、たとえば、あらかじめイスを準備しておきます。
イスは「ここに座ってね」というサインがわかりやすく、床に直接座るよりも体の姿勢を保ちやすいですから、話に集中しやすくなります。
するとこの瞬間、子どもを褒めることができるようになるのです。
「話をじっと聞けない子」から、「イスに座れば話を聞ける子」に変わり、「○○くんはお話が上手に聞けているね」と褒めることができます。
つまり、話を聞けない状態を指摘するのではなく、話を聞ける状態をつくって褒めてあげるわけです。
このように、ダメな行動を見たらすぐ指摘するのではなく、まず環境を整えて「褒められる行動」を引き出すことが重要なテクニックになります。注意して指摘されるよりも、いい行動を褒められたほうが行動は定着しやすくなります。
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