元教員・子育て専門コーチが伝える!つい言ってしまうその言葉「我慢しなさい!」を手放す
「こうしたほうがいいよ」「あとで後悔するよ」「それ何の役に立つの?」と無意識に言ってしまうことはありませんか?思春期を乗り越え、一生ものの絆を育むための声かけの技術。
しつけ/育児
「あなたのためを思って」その言葉、逆効果になっていませんか?本書は、良かれと思った声かけが子どものやる気を奪うメカニズムを解説。親のコントロールを手放し、子どもが自ら動き出すための関わり方を伝授します。
潮田 学著書『「あなたのため」をやめましょう 親のエゴを手放せば子どもは動き出す』から一部転載・編集してお届けいたします。
「我慢しなさい!」を手放す
ステップ①その背景にある信念・価値観に気づく
「我慢しなさい」。
この言葉の奥には、「弱さを見せてはいけない」「感情は抑えるべき」「社会は厳しいところ」という信念が隠れていることがあります。
「泣いてはいけない」「それくらいで弱音を吐くな」と言われながら育った経験や、自分自身が、つらさや悲しさを飲み込みながら頑張ってきた経験が隠れていることも少なくありません。
また、「感情を出すと迷惑をかける」「つらくても耐えるのが美徳」という思いが、いつの間にか自分の中の当たり前になっていることもあります。
そのため、子どもが泣いたり、不満を口にしたり、つらさを訴える姿を見ると、子どものこと以上に、「このくらい乗り越えられないと、この先困るのではないか」「自分は我慢してきたのに、なぜこの子はできないのだろう」という不安や、自分自身が我慢してきた痛みが刺激されていることがあるのです。
ステップ②その信念をゆるめ、本当の願いに戻る
ここで、一度立ち止まって信念・価値観をゆさぶる問いかけをします。
「本当に弱さを見せることはいけないこと?弱さがあるから支え合えるんじゃな
い?」
「本当に感情を出すことはいけないことなの?表現する力も大切だよね?」
「本当に社会は厳しい場所なの?助けてくれる人もたくさんいるよね?」
そう問い直してみると、もしかすると、子どもが泣いていることや、不満を訴えていることが問題なのではなく、「つらくても耐えるべき」という自分の中の思い込みが、苦しさを生んでいるだけなのかもしれません。
感情は、押さえつけるためにあるものではありません。
悲しいときに泣くことも、悔しいときに怒ることも、苦しいときに「つらい」と言うことも、本来は自分の心を守るための自然な反応です。
もちろん、思い通りにならないことを受け止める力は必要です。けれど、”我慢すること”と、“自分を偽ること””感情を抑え込むこと”は同じではありません。
本当に必要なのは、感情を感じることを許しながら、その感情とどう付き合っていくかを学ぶことです。
ここで、あらためて自分に問いかけてみてください。
「私は、この子に本当は何を願っているのだろう」。
すると、その奥には、
「自分の気持ちを大切にできる人になってほしい」
「つらいときに、助けを求められる人になってほしい」
「しなやかに困難を乗り越えていける人になってほしい」
そんな願いがあるのではないでしょうか。
「我慢しなさい」という言葉の奥にあったのは、怒りではなく、“自分の心を大切にしながら、生きる力を育んでほしい”という、親としての願いだったのです。
ステップ③本音ベースで伝え直す
その願いをベースにすると、言葉は少しずつ変わっていきます。
「つらかったね。嫌だったんだね」
「今、どんな気持ち?話聞くよ」
「どうしたら乗り越えられるか一緒に考えるよ」
そんなふうに、感情を抑え込ませる言葉ではなく、感情に寄り添いながら、力を育てる言葉に変えていけるのです。
大切なのは、親が感情を止めることではなく、子どもが、自分の気持ちを安心して感じられること。
そしてもう一つ大切なのは、子どもに求める前に、まず親自身が「我慢しなければならない」という思い込みから自分を解放してあげることです。
「我慢しなさい」を手放すことは、わがままを許すことではありません。
それは、感情を押さえつける関わりから、感情と付き合う力を育てる関わりへと変えていくこと。
その小さな積み重ねが、子どもの中に、“自分の心を大切にしながら、生きていく力”を育てていくのです。
子育てコーチ/教育者。
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