元教員・子育て専門コーチが伝える!「礼儀正しくしなさい!」「もっと頑張りなさい!」を手放す
「こうしたほうがいいよ」「あとで後悔するよ」「それ何の役に立つの?」と無意識に言ってしまうことはありませんか?思春期を乗り越え、一生ものの絆を育むための声かけの技術。
しつけ/育児
「あなたのためを思って」その言葉、逆効果になっていませんか?本書は、良かれと思った声かけが子どものやる気を奪うメカニズムを解説。親のコントロールを手放し、子どもが自ら動き出すための関わり方を伝授します。
潮田 学著書『「あなたのため」をやめましょう 親のエゴを手放せば子どもは動き出す』から一部転載・編集してお届けいたします。
「礼儀正しくしなさい!」を手放す
ステップ①その背景にある信念・価値観に気づく
「礼儀正しくしなさい」と何度も言ってしまう背景には、「周りの人は評価してくる」「相手を不快にさせてはいけない」「礼儀を教えられない親はダメな親」という信念があることがあります。
その背景には、「きちんとあいさつしなさい」「失礼のないようにしなさい」と厳しく言われながら育った経験や、自分自身が、周りからどう見られるかを強く意識して生きてきた経験が隠れていることも少なくありません。
また、「礼儀がある人は認められる」「親の親の躾は子どものふるまいに表れる」という思いが、いつの間にか自分の中の当たり前になっていることもあります。
そのため、子どもの言葉づかいや態度が気になるとき、子どものこと以上に、自分自身が”ちゃんとしていなければ”と求められてきた緊張感が刺激されていることがあるのです。
ステップ②その信念をゆるめ、本当の願いに戻る
ここで、一度立ち止まって信念・価値観をゆさぶる問いかけをします。
「人から認められるってそんなに大切?自分自身を認められるようになるほうが大切では?」
「子どものふるまいで本当に親の価値が決まるの?」
そう問い直してみると、もしかすると、子どもの態度そのものが問題なのではなく、自分の中の思い込みが、苦しさを生んでいるだけなのかもしれません。
もちろん、あいさつや相手を思いやったふるまいを身につけることは大切です。
けれど、形だけの礼儀と、相手を大切に思う心は、同じではありません。
ここで、あらためて自分に問いかけてみてください。
「私は、この子に本当は何を願っているのだろう」
すると、その奥にはきっと、「人を大切にできる人になってほしい」「人から愛される人間になってほしい」、そんな願いがあるのではないでしょうか。
ステップ③本音ベースで伝え直す
その願いをベースにすると、言葉は少しずつ変わっていきます。
「あいさつすると、どんな気持ちになる?」
「あなたの気持ちも大事にしながら、相手にも伝わる言い方を一緒に考えよう」
大切なのは、親が自分が理想とする”ちゃんとした子”に育てることではなく、子どもが、人と関わる心地よさを知っていくこと。
そしてもう一つ大切なのは、子どもに求める前に、まず親自身が、「しっかりした親でいなければ」という緊張から、自分を解き放ってあげることです。
親が安心して自然体で人と関わっていると、その姿勢は、子どものふるまいにも自然と表れていきます。
「礼儀正しくしなさい!」を手放すことは、礼儀を教えなくていい、ということではありません。
それは、形を整える関わりから、思いやりを育てる関わりへと変えていくこと。
その小さな積み重ねが、"人を大切にできる力”を育てていくのです。
「もっと頑張りなさい!」を手放す
ステップ①その背景にある信念・価値観に気づく
この言葉の奥には、「努力こそ価値」「休むことは悪いこと」「世の中は競争だ」という信念があることがあります。
その背景には、「もっと努力しなさい」「まだまだ頑張れるでしょ」と言われながら育った経験や、自分自身が頑張ることで認められてきた経験が隠れていることも少なくありません。
ステップ②その信念をゆるめ、本当の願いに戻る
ここで、一度立ち止まって意図的に信念・価値観をゆさぶる問いかけをします。
「頑張らなければ本当に価値がないの?生きているだけで尊いのでは?」
「休むことは本当にいけないことなの?長く走るためには休憩も必要では?」
「世界は本当に競争なの?リスペクトし合い、支え合える関係もあるよね?」
そう問い直してみると、子どもの頑張りが足りないことが問題なのではなく、「もっと頑張らなければ」という思い込みが、苦しさを生んでいるのかもしれません。
子どもには、子どものペースがあります。
今、見えていないだけで、その子なりに力を使い、その子なりに葛藤していることもあります。
大人から見れば「まだできる」と思えても、本人にとっては、すでに精一杯のこともあるのです。
もちろん、努力する力は大切です。
けれど、”頑張らせること”と、“自分から前に進む力を育てること”は同じではありません。
ここで、あらためて自分に問いかけてみてください。
「私は、この子に本当は何を願っているのだろう」と。
すると、その奥にはきっと、
「やりたいことに向かって、自分から進めるようになってほしい」
「頑張ることも、休むことも、自分で選べるようになってほしい」
そんな願いがあるのではないでしょうか。
「もっと頑張りなさい!」という言葉の奥にあったのは、怒りではなく、“自分らしく力を発揮できる人になってほしい”という、親としての願いだったのです。
ステップ③本音ベースで伝え直す
その願いをベースにすると、言葉は少しずつ変わっていきます。
「あなたなりに頑張っていること、ちゃんとわかってるよ」
「疲れているなら、少し休んでも大丈夫だよ」
そんなふうに、不足を指摘する言葉ではなく、今ある努力を認め、力を引き出す言葉に変わっていくのです。
大切なのは、親が『もっと”を求めることではなく、子どもが、自分の力を信じながら前に進めること。
そしてもう一つ大切なのは、子どもに求める前に、まず親自身が「頑張らなければ価値がない」という思い込みを、少しゆるめてあげることです。
「もっと頑張りなさい!」を手放すことは、努力をやめさせることではありません。
追い立てる関わりから、その子の力を信じて支える関わりへと変えていくこと。
その小さな積み重ねが、子どもの中に、『自分を信じて歩んでいく力”を育てます。
子育てコーチ/教育者。
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