中学受験のプロが伝える!――家族みんなで「受験モード」に
受験家庭からの信頼度ナンバーワン! 「中受保護者が今いちばん相談したい人」と大人気の“声教の後藤さん”による初の著書!
教育
辛い受験生活を、親子の絆を深める「かけがえのない経験」へ。多くの受験生家族を支えてきた著者が、過酷な状況でも平常心を保ち、子どもの力を最大限に引き出す関わり方をわかりやすく解説します。
後藤 和浩著書の『親の「しんどい」が「大丈夫」に変わる 中学受験の味方』から一部転載・編集してお届けいたします。
家族みんなで「受験モード」に
家庭の空気はとにかく明るく!
中学受験をすると決めて塾通いや家での学習を始めると、家族の関係がギスギスしたり、家の空気が重くなったりしたという話を聞くことがあります。
親の思う通りには進まないのが中学受験です。子どもが言うことを聞かなかったり、トラブルが起こったりすることもあるでしょう。
塾や勉強を優先するあまり、家庭での生活が潤いを失って殺伐としてくるのは、なるべく避けたいですよね。
中学受験における「生活」全般について大事なのは、とにかく家庭の空気は明るく、ということです。
受験が個人戦ではなく団体戦であることは何度も書いてきました。
中学受験には家族みんなの協力とサポートが必要です。
家庭が明るく、「みんなで前に進んでいるんだ」といった雰囲気があると、いい結果に結びつきやすくなります。
そのためには、家族みんなが過度のストレスや不安を抱え込むことなく、適度にリラックスして、前向きにいられるといいですよね。
なお、家庭の空気を明るく保つことを心がけるのは、子どもがテストや模試、あるいは入試本番の結果に落ち込んでいるときも同様です。
そのようなときは親も内心落ち込んでいるのですが、その様子を子どもに見せるとさらに深みにはまってしまいます。
とにかく親は”あたりまえ”のような顔をして、「大丈夫!」と言い切り、子どもを明るく励ますことが重要です。
夫婦の温度感が違うんですけど‥‥‥
大人同士、夫婦の足並みが揃わないこともあるでしょう。
あなたは中学受験に熱心に向き合っているのに、パートナーが「そんなに本気でやらなくても‥‥‥」と言ってきたり。
あなたは子どもに対して落ち着いて話しているのに、パートナーが感情をむき出しにしていたり。
あなたとしては「こっちに合わせてよ」と言いたくもなりますよね。
中学受験に関して夫婦の意見や温度感が違うことはよくあります。
そしてそれは意外といい方向に働くこともあるので、そんなに気にする必要はないとも言えます。
たとえば、両親が同じ温度で子どもに対して怒ったり、「勉強しなさい」と詰め寄ったりすると、子どもは逃げ場がありません。
ところが、多少温度感が違う夫婦だと、どちらかが「慰め役」に回ることができて、バランスを取りやすい面があります(我が家でも、夫婦のどちらかが怒ってしまったときには、もう片方は意識的に慰め役に回るようにしていました)。
ただし、夫婦間の意見の違いが大きな問題につながるケースもあります。
それは、①「中学受験自体に反対している」ときと、②「高偏差値の学校へ進学することだけに価値を置いている」ときです。
①の場合は、せっかくの子どもの頑張りに受験反対派の親が水を差すこともあるかもしれません。
ですから、中学受験のための勉強をスタートする段階で、夫婦間できちんと合意を取っておいたほうがいいでしょう。
なお、夫婦の片方はやる気満々で、もう片方はそこそこの熱意、というくらいの温度の差は構いません。
「家族みんなで中学受験を頑張ろう」との意識でスタートできるなら、何も問題はないと考えます。
②の場合は、家庭が“大炎上”することもあり得ます。
自身が高学歴や仕事で高い地位にいるなど、成功しているタイプの親御さんに多いのですが、「偏差値の低い学校に行くなら中学受験なんて無駄」「第一志望の学校でないなら公立でいい」「偏差値○以下の学校ならお金は出さない」と考えている人がときどきいます。
そして、いよいよ受験本番という時期にそういうことを強く主張し始めて、お子さんの受験をかき回してしまうのです。
ただでさえ受験直前や本番の時期は子どもの負荷も高いのに、余計なストレスやショックを与えることになってしまいますよね。
これを防ぐには、夫婦の片方だけが中学受験に詳しくなるのではなく、双方が共に理解を深めておくことが重要になってきます。
というのは、単にその親御さんの「現代の中学受験」に関する知識が不足していることが原因とも考えられるからです(ほとんどモラルハラスメントに近いことを言い出すケースもあるのですが、これは中学受験以前の問題でしょう)。
積極的に情報を「置いておく」
そこで、普段から中学受験に関する情報や進捗を、夫婦や家族でしっかり共有しておきましょう。
共有と言っても、そんなに難しく考える必要はありません。
「今回の塾のテストは算数の点が良かったんだよね」
「○○という学校は、△△の行事があるんだって」
「□□の入試では、こんな問題が出るらしいよ」
そのような内容を、夫婦のうち、中学受験を主導しているほう(読者のみなさんはこちらだと思います)が、積極的に話題に出せばいいのです。
学校のパンフレットや受験に関する資料を、目に入るところに置いておくのもひとつの方法です。
主導していないほうから、「今日の学校見学はどうだった?」などと質問が出てくるようになればしめたもの。
そうして少しずつ夫婦と家族全体の認識や理解が一致してくれば、いざというときに揉めてしまうことは少なくなるでしょう。
実際、多くの親御さんやご家庭を見ているなかでも、最初から夫婦あるいは家族の意見が一致しているケースはほとんどありません。
特に志望校に関しては意見が分かれることがありますが、中学受験を進めるなかで、「うちの子にはこんな学校が合っていそう」「この学校に行けたらいいね」「○○を受験しよう」といった具合に、少しずつ共通の認識や方向性が定まってくる家庭が多い印象です。
夫婦間での意見のすり合わせに具体的な期限を設ける必要はありません。
普段から積極的にコミュニケーションを取ることで少しずつ集約されていき、いくつかの志望校という形でまとまるのが自然でいいのではないでしょうか。
もし、「受験は高校受験からでいい」「上位の公立高校を目指させるべきだ」などと、公立中への進学をパートナーが主張されるのであれば、次のような、高校受験と比べた中学受験の利点について理解してもらえるといいかもしれません。
中学受験では内申点を気にする必要がなく、6年間という長い期間を通して、学力だけでなく人間的な成長も含めた教育が受けられます。
さらに、近年の大学入試の変化にも対応した手厚い学習フォローがあり、指定校推薦の枠が非常に多いこともあって、大学入試に強みを発揮しやすいなど、中学受験のメリットはいくつもありますから、ぜひ折に触れて伝えてみてください。
もちろん、高校受験を否定するつもりはありません。お互いの考えを尊重しながら、家庭として納得できる進路を見つけていきましょう。
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