「働く親」の“どうしよう”に全て答えます!「小1の壁」をひもとく
1000名以上の現役「はた親(働きながら子育てする親)」のリアルな声から「つまずきポイント」を徹底分析!つまずきの乗り越え方を誰でも再現できるように整理しました。 この本は、根性で両立を「がんばる」のではなく、両立のしんどさを“仕組み化”し、計画や考え方を変えることで軽くする「人生戦略書」です。 復帰前の不安も、家庭内のモヤモヤも、この1冊を武器に、戦略的に解決していきませんか?
学校
妊娠期・産育休・復職・小1の壁・そしてその先まで。一度知れば20年役立つ、「仕事」と「子育て」の両立大全がここに。ライフステージごとの壁を乗り越え、自分らしいキャリアを築く戦略をお届けします。
岸畑聖月先生の著書『働く親のためのサバイバルガイド 子育ても仕事も大切にしたい人の人生戦略書』から一部転載・編集してお届けいたします。
よく聞くけど、何がそんなに大変?
「卒園して、ようやく落ち着くと思ったのに・・・」 「むしろ今の方がしんどいかも」。 そんな声が、小学校に入学したご家庭から聞かれます。そう、このタイミングで浮上するのが“小1の壁”。一言でいうと、子どもが小学生になるタイミングで、一気に働き方に無理が生じることを指しますが、その実態は家庭や子どもの性格によってまったく異なります。
「小1の壁」は“就学前”から始まる
多くの人が「小学校入学=4月から壁が立ちはだかる」と思いがちですが、実際には年長の冬~春にかけて、すでに前兆が始まっています。
たとえば・・・
・「もう少しで小学生。大丈夫かな?」という本人の不安
・「小学校ってどういう仕組み?」「学童って何時まで?」「登校班?交通安全教室?」といった情報が一気にくる親の焦り
・保育園の“手厚さ”から、徐々に“自己責任”が増えることへの、親子双方の心の準備不足
この時期のモヤモヤは、親子共に初めて迎える“義務教育”というゲームチェンジへの戸惑いから生じるもの。
つまり、「小1の壁」は物理的な制度の問題というより、準備不足や不安からくる“心の壁”でもあるといえます。
何がそんなに変わるの?
「小学校って、保育園とそんなに違うの?」と聞かれることがあります。
答えは、Yes! 油断禁物ですし、想像以上に違います。
このように、生活時間、求められる自立度、保護者との関係など、全方向で方針が一気に切り替わるため、特に共働き家庭では、生活設計や教育方針の“再構築”が求められます。
はた親にとっての3つの「壁」
1
居場所の壁:学童の終了時間
保育園のように「20時まで延長」などはほぼなく、18時ごろに閉まる学童が一般的。
学童によってルールも違い、春休み・夏休みの対応、持ち物、親の同伴の有無など多様です。
高学年になると「友だちはこない。学童に通いたくない」と子どもが言い出すケースも。
放課後の子どもの居場所が確保できず、仕事の調整が必要になることもしばしば。
2
サポートの壁:宿題・提出物の山
「音読はやった?」 「連絡帳にハンコ押した?」 「今日は体操服必要?」といった“見えないタスク”が急増。
まるで秘書のようですが、特に低学年では親がフォローしないと成り立たず・・・。
本人と対話しながらの意思決定の回数が増え、地味に気力と時間を奪われます。
3
メンタルの壁:情緒面の不安定さ
新しい環境、人間関係、ルール。子どもは全身で適応しようとしています。
そのため、登校しぶりや泣きながら帰宅、ときには「学校に行きたくない」と言い出すことも珍しくありません。
そして不登校になると一気に親も出勤が負荷に。
こうした「心の不調」は、保育園時代にはあまりなかった壁であり、親としても“時間を取る覚悟”や、それを念頭においた支援体制の再構築が必要です。
親自身もどう関わったらいいのか不安に思うことも増えてきます。
「小1の壁」は、全員にある?
正確には、“壁の高さと形が違う”という表現に近いかもしれません。
・子どもの性格(敏感、マイペース、順応性高め・・・)
・親の働き方(フルタイム・フレックス・自営業など)
・地域の環境(学童の質・学校との連携・自治体の支援)
・家族構成(祖父母の近居・きょうだいの有無)
親の余白状況や支援体制により、感じ方もそれぞれ。
「あれ?うちはそんなに困ってないな」という家庭もあれば、「え、こんなに?」と驚く家庭も。
だからこそ、「比べない」「焦らない」「頼っていい」は引き続き、航海の合言葉です!
じゃあ、どう乗り越える? こういったよくある「小1の壁」への対応については次項から詳しく説明します!
消えたプリント、宿題の山、放課後どうしてる?
「ねえ、プリントなんでこんなにくしゃくしゃなの!?」「宿題やったって言ったよね!?」小学生になると、子ども自身が“自分のことは自分で”を求められる一方で、自立にいたるまでには当然「練習期間」が必要になります。つまり、やらせて・見守る。でも、このバランスが難しいんですよね。ここからは、そんな“小学生ライフ”のリアルを、はた親の目線で紐解いていきます。
最初の難関、学校からの情報管理
まず最初にぶつかるのが、「情報が家庭に届かない問題」。
「今日はお弁当が必要」を朝言われたり、参観日が明日だったり・・・。
保育園ではアプリや連絡帳で毎日子どもの様子や連絡事項を伝えてもらっていましたが、小学校ではそうはいきません。
ICT化が進んでいる地域もありますが、まだまだ基本的には子どもが先生からもらったプリントを持ち帰り、親に手渡すことでようやく伝わるスタイル。
これが、実に「難関」なのです。
持ち物準備のリアル
(40代女性・パートタイム・子小2)
持ち物準備の工夫
1
プリントが届く仕組みを準備
プリントは“お知らせ専用クリアファイル”を準備。
毎日入れてもらうルールに。
帰宅後、親子でランドセルの専用ファイルをチェック!
2
来週の持ち物チェック会を開催
土曜日の夜に“来週1週間の持ち物チェック会”を開催。
曜日ごとに付せんに記載し、1週間分を玄関に! 出発時にチェックして付せんを取れば忘れ物を防げます。
3
引換券制度
冷蔵庫や玄関に「今日の持ち物メモ」を貼って家族共有。
無事に帰ってきたら当日の付せんをはがして親へ渡すと、おやつと交換! この時期からは、子どもが自分で管理できる工夫もしていきましょう。
宿題ってこんなに大変だったっけ?
学習面で特に親の負担になるのが“宿題”。
1年生の宿題は、音読やプリントなど一見シンプル。
でも「取り組む時間を決める→やる気を出す→始める→集中する→終わったことを伝える→親が確認する」という一連のプロセスには、フォローが必要です。
一方、平日帰宅後の時間は「ご飯・お風呂・宿題・明日の準備」のタスクが押し寄せ、子どもも親もヘトヘトに・・・。
宿題管理のリアル
(40代男性・会社員・子小5)
宿題サポートの工夫
1
学童にお任せ!
宿題タイムがある学童も。
しかし行きしぶりや、学校との教え方の違い防止のため、学童指導員は教えないのが基本。
でもこの時間に終わらせられると、帰宅後は親子共に楽チンです!
学童の宿題時間に終えていたら夕食後は親子タイム、終えていなかったら宿題タイムと決めておきましょう。
2
制服のままで宿題直行!
宿題タイムは“帰宅後30分以内”と固定。
着替えると気持ちがゆるむので、制服の学校に通わせている場合は制服のまま取り組み、終わったら着替えるなどのルールも。
わかりやすいON・OFFのサインが大切です。
3
親は声かけに徹する
親は「声かけ+見守り」に。手を出したり、口を出したりすると自立性が養われません(つい口出ししたくなりますが、ぐっと我慢・・・)。
4
家族で振り返り会議
毎週末に「今週の家庭学習どうだったか会議」を5分だけ実施。
親も仕事を振り返ると、家族みんなのワンチーム感が増します。
学童以外の居場所の確保
また、保育園時代と決定的に違うのが“放課後”の存在。
小学校では早ければ14時半に授業が終わります。
学童に通う子も多いですが、すべての子どもに居場所があるとは限りません。
学童に空きがない、子どもが「行きたくない」と言い出す、高学年になって学童卒業・・・そんなときに頼りになるのが、近所のママ友・パパ友ネットワークや祖父母のサポートですが、こちらもすべての家庭にあるとは限らないのが現実です。
そんな「放課後の居場所問題」と、「習いごと」についても考えておきましょう!
1
送迎付き学童をねらう
民間の学童では、「送迎付き」 「22時まで預かりOK」など、はた親にとっての強い味方になり得るところも。
2
送迎シェア
習いごとの“送迎”を当番制で、シェアする保護者チームを組むのも手。
毎日の送迎は大変でも、週に1回や迎えのみなら担えるかも。
他のパパ・ママが迎えに来るまで、家で友だちと一緒に宿題をしてもらうのも◎。
またここでもファミサポを活用するご家庭も!
3
オンライン活用
小学生になると、ベビーカメラや位置情報アプリで帰宅を確認。
また、オンライン学習の活用もできるように。
英会話などの習いごとを夕方に取り入れて“おうち留学”させる家庭も。
4
こども食堂も急増中!
子どもが1人で行ける低額食堂と定義される「こども食堂」。
月1日から平日毎日、土日もオープンしているところまで。
ぜひお住まいのエリアのこども食堂をチェックして、放課後の過ごし方の選択肢にしてくださいね。
習いごと疲れにも要注意
「わが子にはいろんな経験をしてほしい!」 そんな親心の先にあるのが、「習いごと疲れ」の問題です。
詰め込みすぎて疲労感が積み重なる、時間がなくて友人との交流が減る、余白時間がなく子どもがイライラするなど・・・やらせすぎも要注意です。
子どもの自立性を尊重し、相談しながら「する・しない」を決めておきましょう。
株式会社With Midwife代表取締役。社会医療法人愛仁会 千船病院 助産師。
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