子どもが得意なことを任せて「やり抜く子」に!

非認知能力を高めるための親の関わり方 非認知能力が、子どもの人生の豊かさ、幸福度を高めていく!#03

しつけ/育児

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子どもが得意なことを任せて「やり抜く子」に!

やり抜く子は家の中で役割があり、投げ出す子は家の中で役割がない。

「自分はここにいていいんだ」誰かの役に立っているという実感が、子どもの自己肯定感を高め、「もっと頑張ろう」 というやる気につながります。

僕が運営する放課後スクールでは、子どもに「役割」を与えることを大切にしています。

Empower (エンパワー:権限委譲)することです。

大人が考えたものをやってもらうだけではなくて、子どもと一緒につくり、責任あるポジションを任せます。

その子の得意なことや好きなことで、仲間の役に立てるという経験をたくさん積んでほしいこからです。

たとえば、映画を作るプロジェクト。

アイデアを出すのが得意な子は、アイデア隊長に任命し、映画の内容を考えてもらう。

意見をまとめるのが得意な子は、こどもMCに任命し、みんなの意見を引き出してもらう。

走るのが好きな子は、ランニングキャプテンに任命し、走り方を教える先生の演技を映画の中でしてもらう。

このように、それぞれの得意なことが上手く組み合わさることで、一つの作品ができるということを体験してほしいのです。

「主役を演じる人がエライとか、試合で点数を決めた人だけが認められるのではなくて、どのポジションも素晴らしい。あなたがこのチームには必要なんだ。あなたが得意なことを見つけて、それをやり続けることで、みんなに感謝される。チームの一員として認められるんだ」

そのようなメッセージを伝えたくて、僕は30歳で脱サラして、子どもの教育をやっています。

ご家庭でも、子どもに何かしら「役割」を与えてみてください。

子どもの興味があることや、好きなことや、得意なことであれば、どんなことでもOKです。

ただ、一方的に家の雑用を押しつけるだけだと、子どももそれを感じ取り、まったく効果がありません。

家の「役割」を、やる気を持って取り組んでもらうためには、3つのコツがあります。

称号を与える

特に、小学生の男の子は、称号や肩書きを与えられると燃えます。

「○○リーダー」

「○○隊長」

「○○キャプテン」

「〇〇大臣」

「○○名人」

「○○マスター」

など。

「服をたたむのがあなたの仕事ね」と言われるよりも、「○○ちゃんは、服をたたむのが上手だから、今 日から服だたみ大臣に任命したいと思う。忙しい時に、服をたたんでくれたらとても助かるの。やってもらえそうかな?」

という風に子ども心をくすぐれば、引き受けてもらいやすくなります。

感謝を伝える

子どもがしてくれたことに、心からありがとうを伝えることが、やる気に火をつけます。

感謝を伝えるテンプレートはこちらです。

「○○をしてくれて、わたしは○○(な気持ち)だよ。ありがとう」

何かをしてくれている場面を見たら、その場ですぐに子どもの目を見て、子どもの心に届くように伝えましょう。

「疲れている時に、服をたたんでくれて、本当にうれしいよ。いつもありがとうね」

習慣化する

①や②のようにして家事をたまに任せたとしても、前提として「家事はママやパパがすること」というマインドがあると、それは家族の中での「役割」とは言えません。

子どもが学校や習い事、スポーツなどで忙しそうにしていると、家事を頼むのは気が引けるのはわかります。

反抗期だったり、口が達者なお子さんであれば、なおさらです。

でも、忙しいのはママやパパだって同じこと。

そして、家事は家族全員ですることです。

小さなこと、たとえばご飯やお味噌汁は自分でよそう、ご飯の時に家族のお箸を並べる、自分の洗濯物は自分でたたむなど、喜んでお手伝いをしてくれる低学年の時期から「家事はみんなですること」としっかり教えて、子どもができることをどんどん任せましょう。

大人に任せてもらえることで、「信じてもらえている」と自己肯定感が高まります。

たとえあなたが思った通りに完璧にできていなくても、まずは、やってくれたことに感謝する。

その後に、必要であれば、「こうやってみるのはどう?」と、提案すると良いでしょう。

やり抜く子の親は、子どもが得意なことを任せる!
PROFILE

ライフスキルコーチ

岡崎大輔

1980年大阪生まれ。
同志社大学法学部を卒業後、外資系製薬会社に勤務。
うつ病の薬の情報提供をする中で「うつ病をなくすためには社会に出るまでのライフスキル教育が大切」と考えるようになり、30歳の時、マサチューセッツ州スプリングフィールド大学アスレチックカウンセリング学科修士課程に留学。
在学中はライフスキル教育を軸にしたコーチングを学び、ハーバード大学やオリンピック選手の育成機関でライフスキルトレーニングを実施し、教育学修士号を取得。
卒業後は、世界最大級のライフスキル教育プログラムを展開するファーストティーのサンフランシスコ支部で、ライフスキルコーチとして3000人以上の子どもに教育プログラムを提供し、ファーストティーコーチ優秀賞を受賞。
2014年に和歌山県でライフスキルの学校PETERSOXを立ち上げ、「いつでも、どこでも、自分らしく輝ける社会をつくる」をビジョンに掲げ、1万人以上の子どもに夢中になれるライフスキル教育を提供しているほか、大人向けには「生き方をつくるコーチングセッション」「子育て講演会」「ラジオ番組(Voicy)」を通して、本来の自分を発揮できる生き方や子どもとの関わり方を実践するための支援をしている。
2019年に地域で活躍している20歳から40歳までの若者が選ばれるJCI JAPAN TOYP 2019(通称:青年版国民栄誉賞)にて、会頭特別賞を受賞。
<著書>
『やり抜く子と投げ出す子の習慣』(明日香出版社)2021年5月発売
『親も子もラクになる ゆるめる子育て』(明日香出版社)2023年7月発売
<受賞歴>
2013年 ファーストティーコーチ優秀賞を受賞
2016年 創業支援ビジネスプランコンテスト入賞
2017年 NICe全国ビジネスプランコンテスト奨励賞
2018年 アゼリア賞(和歌山で地域を活性化している団体に贈られる賞)
2019年JCI JAPAN TOYP 2019 会頭特別賞

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