コラム

てつなぎ広場

居場所が子どもの「やり抜く子」を作る!

非認知能力を高めるための親の関わり方 非認知能力が、子どもの人生の豊かさ、幸福度を高めていく!#01

更新日:

岡崎 大輔
ライフスキルコーチ

共感数8

子どもの居場所が「やり抜く子」を作る!

やり抜く子は商店街で買い物をし、投げ出す子は商業施設で買い物をする。

週末は、家族でショッピングモールでお買い物。

それがお決まりになっていませんか。

子どもも大人も楽しめるお店が多く、便利ですよね。

ただ、声を大にしてオススメしたいのが、商店街での買い物です。

商店街は学びの宝庫。

まちで生きている大人とたくさん出会えます。

そんな出会いが、自分の未来を考えるきっかけになるのです。

僕が子どもの時は、大人と触れ合う機会はあまりありませんでした。

隣の住人とも、あいさつぐらいのお付き合い。

身近にいる大人が、お父さんとお母さん、そして習い事の先生ぐらい。

どんな大人になりたいかなんて想像できませんでした。

そもそも有名大学付属の中学校に合格したら、いい会社に行けると思っていたので、将来のことなんて考えませんでした。

中学受験のことしか頭になかったのです。

社会人になって初めて、どのように生きるかを考えたのです。

自分がやりたいことを見つけるのに、5年かかりました。

もっと早い段階で、たくさんの大人と出会い、未来を考える機会があれば、社会に出てから大きく迷うことはなかったと思います。

商店街には、まちとつながって生きている大人がたくさんいます。

僕が住んでいる和歌山の商店街周辺には、江戸時代から続くお茶の専門店など先祖代々続いているお店もあれば、日本各地のおいしいフルーツを店主自ら厳選して販売している青果店、様々な国から来た旅人と地元の人が交流できるゲストハウスなど、若者が立ち上げたフレッシュなお店もあります。

共通して言えるのが、みんなまちのことが大好きだということ、自分の店に誇りを持っ ているということです。

商店街の人は「自分が儲かればそれで良い」ではなく、イベントを開催して商店街を盛り上げ、まち全体を活性化しようと、情熱を持って活動しています。

子どもには、そんな熱を持った大人と交流してほしいのです。

いろんな大人と出会い、「働く」を近い距離で観察することで、自分がやりたい仕事を発見したり、なりたい大人の姿が見えてくる。

楽しそうに働いている姿を見て、働く喜びも学べるでしょう。

大人になることに希望が持てるようになるのです。

また、学校と家以外でも、新しい居場所ができるかもしれません。

僕も塾に行く時間までは、よく友だちと商店街にある駄菓子屋さんに行っていました。

そこには、違う学校の子もたくさんいて、おもちゃで遊んだり、カードゲームをしたり、 ミニラーメンを食べたりして、子どもたちの秘密基地のようなたまり場になっていました。

お店のおばあちゃんも味があって、「大ちゃん、おかえり!今日はなんか楽しいことあっ た?」と、いつも笑顔で迎えてくれました。

友だちとケンカした時も話を聞いてくれて、お菓子をくれたり、走り回って店のイスを壊した時は思いっきり怒られたり。

そのような学校と家以外のサードプレイス(居場所)は、子どもの安全基地になります。

逃げ場にもなるし、出会いの場にもなります。

このように、商店街で買い物をすることで、子どものロールモデルが見つかったり、安心できる居場所ができるのです。

だからこそ、たまには、商店街で買い物をしてみてはどうでしょうか。

その時には、お店のスタッフに

「今日のおすすめの魚はなんですか?」

「この白菜で、どんな料理をしたらおいしいですか?」

などと積極的に話しかけてみてください。

高学年になれば、子どもにおつかいを頼むのも良いですね。

「千円以内で4人分のカレーの材料を買ってきて。何が必要かはお店の人と相談してね」

といったミッションを与えるのもいいですね。

考える力も育まれますし、お金の計算の練習にもなります。

多くの商店街ではイベントやお祭りも開催しています。

親子でボランティアとしてイベントのメンバーに参加してみるのはどうでしょう。

イベントを開催するために、たくさん のプロフェッショナルが関わっています。

チラシを作成するデザイナー、音響を担当する人、ステージの司会をする人、屋台を運営する人。

まちで働いているプロフェッショナルと出会う良いチャンスになります。

学校は狭い世界のほんの一部です。

学校で活躍できなくても、一歩外に出たら自分が輝けるフィールドが必ずある。

学校で嫌われても、自分を受け入れてくれる人はこの世界のどこかにいるはずと思えるようになります。

人の数だけ世界があるのです。

教室を飛び出し、まちに遊びに行きましょう。

新しい世界が、子どもたちを待っています。

やり抜く子の親は、学校や家の外にも子どもの居場所をつくる!
PROFILE

ライフスキルコーチ

岡崎大輔

1980年大阪生まれ。
同志社大学法学部を卒業後、外資系製薬会社に勤務。
うつ病の薬の情報提供をする中で「うつ病をなくすためには社会に出るまでのライフスキル教育が大切」と考えるようになり、30歳の時、マサチューセッツ州スプリングフィールド大学アスレチックカウンセリング学科修士課程に留学。
在学中はライフスキル教育を軸にしたコーチングを学び、ハーバード大学やオリンピック選手の育成機関でライフスキルトレーニングを実施し、教育学修士号を取得。
卒業後は、世界最大級のライフスキル教育プログラムを展開するファーストティーのサンフランシスコ支部で、ライフスキルコーチとして3000人以上の子どもに教育プログラムを提供し、ファーストティーコーチ優秀賞を受賞。
2014年に和歌山県でライフスキルの学校PETERSOXを立ち上げ、「いつでも、どこでも、自分らしく輝ける社会をつくる」をビジョンに掲げ、1万人以上の子どもに夢中になれるライフスキル教育を提供しているほか、大人向けには「生き方をつくるコーチングセッション」「子育て講演会」「ラジオ番組(Voicy)」を通して、本来の自分を発揮できる生き方や子どもとの関わり方を実践するための支援をしている。
2019年に地域で活躍している20歳から40歳までの若者が選ばれるJCI JAPAN TOYP 2019(通称:青年版国民栄誉賞)にて、会頭特別賞を受賞。
<著書>
『やり抜く子と投げ出す子の習慣』(明日香出版社)2021年5月発売
『親も子もラクになる ゆるめる子育て』(明日香出版社)2023年7月発売
<受賞歴>
2013年 ファーストティーコーチ優秀賞を受賞
2016年 創業支援ビジネスプランコンテスト入賞
2017年 NICe全国ビジネスプランコンテスト奨励賞
2018年 アゼリア賞(和歌山で地域を活性化している団体に贈られる賞)
2019年JCI JAPAN TOYP 2019 会頭特別賞

「「やり抜く子」と「投げ出す子」の習慣」

著者名
岡崎 大輔
出版社
 明日香出版社

Amazonで詳細を見る

楽天市場で詳細を見る

  1. 1

コラムの内容に共感したら
共感ボタンを押してね!

コラムの内容に共感したら共感ボタンを押してね!

コラムに関連しているてつなぎ広場

コラム TOP 下部

ポイント

ログインありがとうございます。

0ポイント獲得