人の気持ちがわかる「共感力」の高め方1
「早くして!」「勉強しなさい!」「片づけなさい!」はもう言わない!自分で考えて動ける子の育て方#01
更新日:
須合 啓:
学習習慣形成プロデューサー(学習塾STUDY HOUSE代表)
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人の気持ちがわかる「共感力」の高め方#01
人の気持ちがわかる「共感力」の高め方
私は子どもたちと話をする際、意識的に相手の言葉の「オウム返し」をしています。
【子】「学校でイヤなことがあって」
【私】「ああ、イヤなことがあったんだね」
【子】「テストで満点がとれてうれしかった」
【私】「そう、うれしかったんだね」
このように相手の言葉をシンプルにくり返す「オウム返し」は、相手に「話を聞いてもらえている」という実感を与えやすく、相手との信頼関係を築くのにとても役立ちます。
また、相手の話を不用意にさえぎることを防ぐ効果もあります。
大事
慣れてきたら添えてあげたい言葉
このオウム返しも、ロボットのように子どもの言葉を機械的にくり返すだけだと逆効果になります。
音楽を聴くときのように、言葉の意味だけでなく、言葉のトーンや調べ、リズムなども味わって、デュエットするように返していくとより効果的でしょう。
慣れてきたら、
「テストで満点がとれてうれしかった」
「そう、うれしかったんだね、天にも昇るような気持ちだった?」
こんなふうに、より高度な表現、言い換え表現を添えてあげるようにすると、子どもの表現力がどんどん豊かになっていくのでおすすめです。
子どもたちの「今この瞬間」への集中力にはいつも感心させられますが、その反面、とくに幼い子は、何かに気をとられると肝心なことを忘れてしまいがちです。
その結果、同じ失敗や忘れ物をくり返してしまうこともめずらしくありません。
子どものそういう様子にイライラして、思わず「またこんなことして!」と叱りつけてしまうのも無理のないことです。
ただ、こういう叱り方は、あまり子どもにいい影響を与えないもの。
そこで私は、別の叱り方を提案しています。
大事
「卑下」ではなく、行動の選択肢を「提案」しよう
「また**して!」と叱られている子は、友だちに同じことをしてしまいがちです。
たとえば、隣の席で勉強している子に、「○○ちゃん、またコンパス忘れたの?」とやってしまうのです。
「また**して!」は、要するに相手を見下した伝え方です。
この叱り方だと、子どもに人を見下す癖がついてしまうことがあるのです。
相手の心情への思いやりを含まないこの行為からは、共感力は育まれません。
もしも、子どもが何度もコンパスを忘れてしまうなら、「コンパス忘れちゃったの?コンパスは小さくて軽いから、いつもランドセルのこのポケットに入れておいたら?」
と、事態を改善するための、具体的な行動の選択肢を示してあげましょう。
「だったらこうしてみたら?」という「提案型」の叱り方を心がけることが大切なのです。
「○○ちゃんもノド乾いてるよね?一緒に自販機行こうか」
「○○ちゃんもここわからないでしょ?一緒に先生のところに聞きに行かない」
私の塾で、生徒たちからこういうセリフが聞こえてくることがあります。
誘っている子が、誘われている子の気持ちや考えを確認したうえで出てきた言葉なら何の問題もないのですが、じつはそうでないこともあります。
いかがでしょう、子どものこういう言い方に「ちょっと強引かな?」 と違和感を覚えたことはありませんか?
少しでも思い当たるところがあれば、親御さん自身の日ごろの話し方を振り返ってみることをおすすめします。
大事
子どもに「答え」を押しつけていないか確認を
子どもからの相談に対して、「それは**でしょ」と、驚くほどあっさりと決めつけるような答え方をしている親御さんがいます。
きっと親御さんの中に、すでに確固たる回答や解決のイメージがあるのでしょう。
子どもから何を言い返されても、びくともしません。
私の塾で、周囲の人たちにも気づかいのできる子の親御さんは、子どもに対して、「お母さんはこうだと思うけど、あなたはどう思う?」
「これは○○かもしれないけど、△△っていうこともあると思うけど、あなたはどう感じる?」
といった話し方をしています。
たとえ子どもとのやりとりでも、
「あなたはどう思う?」
「あなたはどう感じる?」
という問いかけと確認をおろそかにしないのです。
「答え」を押しつけるような話し方は、共感の大敵です。
子どもに真似をされないように、ぜひ気をつけてください。
学習習慣形成プロデューサー(学習塾STUDY HOUSE代表)
これまで指導した生徒数は延べ10,000人を超える。埼玉県の公立高校の商業科に12年間勤務。12年連続簿記検定全員合格と、偏差値30台の高校から難関大学への進学をサポートした。
高校野球部の監督も務める。部員不足で大会に出られなかった野球部をゼロから作って大会出場、市内大会優勝などに導く。 2012年、自宅の机1つでオンライン教員採用試験受験予備校「教採スクール」を起業。合格率26%の教員採用試験で開校以来、合格率80%以上をキープ。2021.2022年は合格率90%を超えた(現在も稼働中)。
2015年、地元秋田で、小中高を対象にした塾経営をスタート。当初7人しかいなかった生徒は現在146人、2校舎を構える。小学生の中学受験指導を担当して3年連続合格率100%を達成。まったく勉強しなかった小学3年生の生徒が自分で計画を立てて学習するようになったり、小学部から通っていた生徒が中学校を経て県内トップ進学高校へ進学したりするケースも決して珍しくない。
自らも指導を開始して3年目の2021年3月には、医学部、難関公立大学、大学推薦組、中学受験組、高校推薦入試組、高等専門学校(高専)受験組、高校私立組が全員合格。また、学力日本一の秋田県にて中学3年生の秋田県模試で4年連続(2023年8月末現在)総合順位1位の生徒を輩出中。
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