音楽を通して子どもの発達をうながす“発達障害の学習と学力を伸ばす”
子どもたちが笑顔でのびのび成長し、将来の自立にむけて「1人でできる力」をぐんぐん伸ばせる!
発達/発育
音楽療法的教育という教育法があります。
これは「音楽教育」と「発達」の2つをキーワードとし、「音楽を楽しみながら(音楽療法)子どもの発達をうながす」というものです。
音楽を通して、リラックスし、コミュニケーション手段を引き出し、ストレスを軽減するなどの効果がもたらされます。
子どもたちが主役になって演奏でき、音楽を楽しむ方法をいくつか紹介します。
①「♬線路はつづくよ、どこまでも♬」の曲であれば、手拍子、肩、お腹、太ももなど、音楽に合わせてタッチしてリズム遊びをします。
自分の身体を意識して、自分の意志で動かして音楽を楽しみます。
先生のマネができたら「すごい!!上手♪」と褒めて、ますますやる気にさせていきます。
②「♬たいこ、たたこう♬」のリズムに乗って、子どもは2人1組になり、1人がバチを持ち、タンバリンを叩きます。
もう1人はタンバリンの角度を変えて差し出します。
今度は交代して同様にリズム打ちをします。
ストレスを発散しながら、友だちを意識する気持ちが育っていきます。
交代が上手にできたら、褒めます。今度は友だちを変えて組になり演奏します。
そうすると、どんどん仲間が増え、社会性も育っていきます。
③「♬きらきらぼし♬」は、1人1つずつハンドベルを分担し、曲に合わせてそれぞれが担当のハンドベルを鳴らし合奏します。
集中して音を鳴らすので、成功感が味わえます。
「とっても素敵な演奏だった、いい音が聴こえたよ」と1人ひとりを褒めることで自信がもてるようになります。
④「♬大きな古時計♬」は、鈴、タンバリン、トライアングル、太鼓、カスタネットなどを使って自分の楽器だけ演奏するところとみんなで合わせて演奏する気持ちよさを味わい、協調性を養います。
「みんなの力で音楽をつくったね」と褒めます。
「もっと、やりたい」という気持ちに高めていきます。
歌いたいけど歌えないのは(おとなの音痴とは違って)、歌詞が覚えられないことが大きく原因しています。
そこで、「拡大歌詞」をつくったり、先生のあとに続いて歌の練習をしたりして、音楽の時間のはじまりやおわりに同じ歌を歌います。
「拡大歌詞」というのは、大きな紙に歌詞を大きく書いたものです。黒板に掲示すると、子どもたちは目で歌詞を見て歌うことができます。
「はじまりの歌」は「音楽を始めますよ」の合図で気持ちの切り替えになり、集中することができます。
「おわりの歌」は「これで今日の音楽はおしまいですよ」の合図です。
手話を交えて歌います。
毎回、同じ歌を歌うので、歌詞もしっかり覚えられ、大きな声で歌うことができます。
「いい声だね」と言うと、ますます、はりきって歌います。
「みんなの前で歌ってみて」と指名すると1人でも歌い出します。
みんなから拍手をもらって自信がつき、歌うことが大好きになります。
音楽が苦手な子はいなくなります。
特別支援学級教員
その際、学級の中に自閉スペクトラム症、場面緘黙症など、さまざまな発達障害の児童がいたことがきっかけで特別支援を要する児童の教育に関心を持ち、その後、特別支援学校教諭の免許を取得し、特別支援学級を25年以上にわたって担当する。
一貫して、障害をもつ児童、あるいはグレーゾーンの児童の教育、普通学級の児童とのかかわり(交流級)、学級の運営方法、教育のしかた、就職して1人で生きていくための学習・生活支援方法など、実践活動に尽くしてきた。現在は、これまでの長い経験を通して培った知見をもとに、発達障害の子どもをもつ親、あるいは障害のある子どもを指導する後輩教員、支援員に対して、さまざまなアドバイスを行っている。
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