子どもに算数の「先取り学習」をさせたい!
小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一のこども30人を生み出した究極の勉強法#03
教育
B.キャラクターの算数ドリルで先取り
計算と算数は別物
「算数○年先取り」などと謳っている街の計算塾やそろばん塾をよく見かけます。
お子さんを通わせている方も多いようです。
しかし、そのような親御さんから次のような質問をよく受けます。
「街の計算塾に通って高学年や中学生の学習範囲の先取りをしているのに、学年が進むにつれて学校の算数の成績がどんどん落ちている」
「そろばん1級のはずなのに、全国模試を受けさせてみたら点数がまったく取れない」
「どうしてなの?うちの子は、いったい何が悪いの?」
そういうお子さんに実力診断テストを受けてもらうと、必ずと言っていいほど文章題や図形問題で点を落としているんですよね。
原因は明らかで、計算塾で計算だけに取り組んでいて、計算だけが上達しているからです。
計算は間違いなく算数の柱の一つで、速く正確に計算できること自体にはたしかに価値があります。
しかし、決して算数そのものではありません。
計算だけがよくできても、算数ができるようにはならないのです。
残念ながらここを勘違いしている親御さんが非常に多くいらっしゃいます。
リフティングだけをひたすらやっているなら、それはサッカー教室ではなくリフティング教室ですよね。
サッカー選手に必要な技能にはパス回しもあれば、ドリブルもあれば、シュートもあるでしょう。
戦術的な知識もいろいろあります。
小学生がリフティングだけ中学生並み、あるいはプロ並みに上達したところで、サッカーの試合には勝てません。
リフティング教室に通ってリフティングがうまくなった子どもを見て、「サッカーがうまくなった」と思い込むのはまったくの錯覚。
それと同じことです。
「先取りしているから大丈夫」という危険な思い込み
街の計算塾やそろばん塾が教えているのはあくまでも計算です。
図形も文章題も応用問題も教えません。
計算以外の領域をすべて飛ばしているわけですから、これらの塾で計算だけが先に進むのは当然のことです。
そして、計算だけを進めたところで、実のところお子さんは、算数という教科に含まれる計算以外の要素が身についていないのですね。
全国模試や算数検定(実用数学技能検定)などでお子さんが算数ができるようになっていないことが客観的に明らかになったとき、その理由に納得して軌道修正し、与える教材や環境を考え直してくれる親御さんもいれば、そうでない方もいます。
計算塾での成績が良くて塾の先生に子どもが褒められている場合などは、なかなか軌道修正ができないかもしれませんね。
塾の先生は算数を教えているつもりですから、「どんどん先に進んでえらいね」「算数がよくできるね」と言うわけです。
すると、親もその気になって「うちの子は、もう中学1年生の方程式をやっているんですよ」なんてまわりに自慢していたりします。
そこに「実は算数ができない」という現実を突きつけられてしまうと、そのギャップを受け入れるのはなかなか難しいでしょう。
また、「うちの子は先取り学習をしてるんだから、これは何かの間違いだ。たまたまできなかっただけ。計算塾の課題をもっと一生懸命にやれば、算数ができるようになるはずだ」などと方向を間違えたまま、さらに子どものネジを巻いたりすると、取り返しがつかなくなります。
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