夏休み明けにグンと成績が伸びる子がやっていることは?
Q. 夏休み明けにグンと成績が伸びる子がやっていることは
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「夏休みにたっぷりある時間を使って1学期に学んだ範囲を総復習すれば、子どもの学力は上がる」というのは、いかにも正しい話のように思えます。
しかし、この総復習は「夏休みのわな」によって、たいてい計画倒れに終わります。
夏休みのわなそれは、「お盆の里帰り」と学校から出される大量の「宿題」です。
お盆の前までは日々のコンスタントな勉強に取り組めていた子どもでも、お盆の帰省によって生活環境が大きく変わると、それまでの学習習慣は失われてしまいがちなんですね。
おまけにお盆明け以降は、ドリル・読書感想文・自由研究・工作などの大量の宿題に追われ、総復習はおろか1日10分程度の自発的な勉強すらおざなりになってしまいます。
お盆が明けたら親御さんは平日ですから、やはりお盆の間に生活のリズムが乱れて、子どもの勉強の「見守り」も手薄になりがちです。
私たちは学習ビッグデータを使って、夏休みの前後でほかの子どもよりも成績が飛躍的に伸びた子どもの特徴を分析してみました。
すると、夏休みで成績が飛躍的に伸びた子どもは、8月に10日以上、特にお盆の期間に、自分のペースを守って勉強しているということがわかりました。
1日の勉強時間は10分から長くて数十分であっても、「自発的な勉強を続けていた」ということがポイントです。
しかも、夏休みだからといって気合を入れて総復習などをしているわけでもありません。
やっているのは1学期と変わらない習慣づけられたいつもの勉強なのです。
多くの小学校や塾の先生は夏休みを控えた子どもたちに「1学期の総復習をしておくように」といった指導をしています。
夏休みの宿題の一部が、1学期に学んだことを網羅したドリルであることもよくあります。
しかし、改めて考えてみると、これってすごく非効率的ですよね。
すでにわかっていることを再度やっても時間のムダですし、わからないことを自分一人だけでやろうとしてもうまくいきません。
そもそも、子どもによって学習でつまずく箇所には偏りがあります。復習をするなら、その子どもが理解していない箇所にしぼって効率的に行うべきでしょう。
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このような学校や塾の先生たちの指導については、理解できなくもないのです。
数十人の生徒をたった一人で担任するとなると、生徒一人ひとりの弱点を把握して、個別に適切な復習課題を与えることは無理な話でしょう。
仮に30人のクラスとして、生徒を平等にケアしようとすれば、一人の子どもにはその先生がもっている全リソースのたった3.3%しか割けません。
そこで、仕方なく1学期にやったことの「総復習」をすべての生徒に課す。
すると、見かけ上はすべての生徒の弱点をフォローしていることにはなります。しかしその総復習は個々人にとって非常にムダが多いものですから、そこに「夏休みのわな」が加わって多くの場合は頓挫します。
そして、なんでもかんでもやろうとしたことでキャパシティーオーバーとなり、本当に大事な日々の勉強習慣まで満足にこなせなくなってしまうのです。
復習をさせるなら、その子どもが理解していない事柄や曖昧になっている事柄にしぼるべきです。
それらの事柄は、家族が子どもの勉強を日々「見守る」ことで把握できます。
東大・京大・早慶・国際基督教大学(ICU)出身の知的エリートと呼ばれる人たちを対象として「夏休みの宿題について」聞き取り調査をしたところ、象徴的な結果が得られました。
約40%の人が「夏休みの宿題はさぼっていた」と回答し、「最終日にまとめて適当にやった」という人を合わせると90%をゆうに超えたのです。
例外的に「夏休みの前半にすべて終わらせていた」と回答した人も、詳しく話を聞いてみると、「絵日記などムダだと思った宿題は捏造でやっつけていた」と言います。
この方は、東大卒業後に起業して世界を相手に成功を収めているやり手の社長さんです。
お話を聞いて、「独立した個人として世界で活躍するような方は、他人の命令に唯々諾々と従うのではなく、自分の考えで物事を決めるのだな」と思ったものです。
PROFILE
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザ行動調査・デジタルマーケティング領域専門特化型コンサルティングファームのビービット入社。
金融・消費財・小売り流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。
2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、のべ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。
日本国内はもちろん、シリコンバレーでもハイレベル層から、算数やAIの基礎知識を学びたいと、アフタースクールなどからのオファーが殺到している。
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