夏休み明けに成績が伸びる子は何してる?
小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一のこども30人を生み出した究極の勉強法
教育
B.いつも通りの勉強
夏休みのわな
「夏休みにたっぷりある時間を使って1学期に学んだ範囲を総復習すれば、子どもの学力は上がる」というのは、いかにも正しい話のように思えます。
しかし、この総復習は「夏休みのわな」によって、たいてい計画倒れに終わります。
夏休みのわなそれは、「お盆の里帰り」と学校から出される大量の「宿題」です。
お盆の前までは日々のコンスタントな勉強に取り組めていた子どもでも、お盆の帰省によって生活環境が大きく変わると、それまでの学習習慣は失われてしまいがちなんですね。
おまけにお盆明け以降は、ドリル・読書感想文・自由研究・工作などの大量の宿題に追われ、総復習はおろか1日10分程度の自発的な勉強すらおざなりになってしまいます。
お盆が明けたら親御さんは平日ですから、やはりお盆の間に生活のリズムが乱れて、子どもの勉強の「見守り」も手薄になりがちです。
「総復習でおさらい」のムダ
私たちは学習ビッグデータを使って、夏休みの前後でほかの子どもよりも成績が飛躍的に伸びた子どもの特徴を分析してみました。
すると、夏休みで成績が飛躍的に伸びた子どもは、8月に10日以上、特にお盆の期間に、自分のペースを守って勉強しているということがわかりました。
1日の勉強時間は10分から長くて数十分であっても、「自発的な勉強を続けていた」ということがポイントです。
しかも、夏休みだからといって気合を入れて総復習などをしているわけでもありません。
やっているのは1学期と変わらない習慣づけられたいつもの勉強なのです。
多くの小学校や塾の先生は夏休みを控えた子どもたちに「1学期の総復習をしておくように」といった指導をしています。
夏休みの宿題の一部が、1学期に学んだことを網羅したドリルであることもよくあります。
しかし、改めて考えてみると、これってすごく非効率的ですよね。
すでにわかっていることを再度やっても時間のムダですし、わからないことを自分一人だけでやろうとしてもうまくいきません。
そもそも、子どもによって学習でつまずく箇所には偏りがあります。復習をするなら、その子どもが理解していない箇所にしぼって効率的に行うべきでしょう。
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