【元小学校教員が見てきた】小1男の子の友達トラブル。「叩いた・叩かれた」「仲間はずれ」親はどうする?

「友達を叩いた・叩かれた」「仲間はずれにされた」。小1男の子の友達トラブルに、親はどう対応すればいい? 小学校教員として5年間子どもたちを見てきた2児の母が、実際に見てきた子どもたちの姿を交えながら、 トラブルの背景や子どもへの話の聞き方、先生への相談、相手の親への連絡についてお伝えします。

人間関係

フリーランスWebライター/ワンオペ育児中の2児の母
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【元小学校教員が見てきた】小1男の子の友達トラブル。「叩いた・叩かれた」「仲間はずれ」親はどうする?

「今日、学校で〇〇くんを叩いちゃった」 

子どもの口からそう聞かされたら、

頭が真っ白になった経験はありませんか?「うちの子がそんなことを」というショックと、「相手の親にどう伝えよう」という焦りが、同時に襲ってきます。

連絡帳に「本日、お友達とのトラブルがありました」と書かれているだけでも「ドキッ」としますよね。帰ってきた我が子の顔を見た瞬間、つい詰め寄るような口調になってしまいそうになることもあるかもしれません。

私は小学校教員として5年間、子どもたちの友達関係をすぐそばで見てきました。休み時間が終わると、「先生、〇〇くんに叩かれた」「僕は叩いてない。ぶつかっただけ」と子どもたちがやってきて、間に入って話を聞くことも何度もありました。

でも、双方から話を聞いてみると、「どちらか一方が悪い」と簡単には言えないケースも少なくありません。さっきまで泣いていた二人が、次の休み時間には一緒に遊んでいることだってあります。 

小学1年生は、家族や園での生活から、たくさんの友達と一日を過ごす小学校生活へと環境が大きく変わる時期です。自分の気持ちを言葉にすることも、相手との距離の取り方も、まだ練習している途中。だからこそ、友達とのぶつかり合いも起こります。  

この記事では、教員時代に実際に見てきた子どもたちの姿を交えながら、小1男の子に起きやすい友達トラブルとその背景、そしてトラブルが起きたときに親としてどう受け止め、学校とどう関わっていけばいいのかをお伝えします。

子どもの友達トラブルに、親のほうが心を揺さぶられることもあります。
「相手には伝わっている?」「この先どうなる?」「どこまで親が関わればいい?」。そんな友達トラブルをめぐる親のリアルな本音が、てつなぎ掲示板にも寄せられています。
▶ 掲示板 「『嫌い』って言われたのは子ども。でも、ざわついたのは私。」
▶ 掲示板 「小2の娘が、今日同級生に叩かれたと。」

小1男の子の友達トラブル、学校では何が起きている?

まずは、実際にどのようなトラブルが起きやすいのか、具体的なパターンを見ていきましょう。

「叩いた・叩かれた」ほんの小さなきっかけからトラブルに

教員時代、小1の男の子同士でよく見かけたのが、体がぶつかった、押した・押されたといった身体的な接触から始まるトラブルです。休み時間に鬼ごっこをしていて勢い余ってぶつかったり、順番待ちの列で押し合いになったり。ほんのちょっとしたことがきっかけで、「叩いた」「叩かれた」という話に発展することがあります。

実際に、「先生、〇〇くんに叩かれた」「叩いてない、ぶつかっただけ」と、子どもたちが訴えにくることもよくありました。それぞれから話を聞いてみると、遊んでいる途中でたまたまぶつかったことを「わざとやられた」と受け取っていたり、最初にぶつかったあと、そこから押し合いになっていたりすることもあります。

大人からすると「そんなことで?」と思うような出来事でも、その瞬間の子どもにとっては一大事です。「わざとやられた」と感じて腹を立てたり、「嫌だった」「悔しかった」という気持ちがぶつかり合ったりすることもあります。

そして、子ども同士の関係を見ていて驚かされたのが、トラブルの後の切り替えの早さです。さっきまで泣いたり言い合ったりしていた二人が、次の休み時間には何事もなかったように一緒に遊んでいることも珍しくありませんでした。

もちろん、叩いたり押したりすることを「よくあること」で済ませていいわけではありません。ただ、「叩いた」「叩かれた」という言葉だけでは分からない、その前後のやり取りがあることも少なくありません。

もちろん、叩いたり押したりすることを「よくあること」で済ませていいわけではありません。ただ、「叩いた」「叩かれた」という言葉だけでは分からない、その前後のやり取りがあることも少なくありません。

「仲間はずれにされた」実はちょっとしたすれ違いのことも

「仲間に入れてもらえなかった」「遊ぶ約束をしていたのに、違う子と遊んでいた」といったすれ違いも、小1の友達関係ではよく見られました。

子どもから「今日、〇〇くんに仲間はずれにされた」と聞くと、親としては心配になりますよね。

でも、学校で子どもたちの様子を見ていると、実際には相手に仲間はずれにするつもりがなかったケースもありました。

「一緒に遊ぼう」と話していたけれど、休み時間になったら別の子からボール遊びに誘われて、そのまま夢中になっていた。鬼ごっこをしていたけれど、途中から別の遊びが始まり、いつの間にかメンバーが変わっていた。そんなこともよくあります。

小1の頃は、「今日はこの子と遊ぶ」「今はこっちが楽しそう」と、そのときどきで遊ぶ相手が変わることも珍しくありません。 そのため、一人の子にとっては「仲間はずれにされた」と感じる出来事でも、もう一人にとっては「たまたま違う遊びをしていただけ」ということもあります。

教員として学校で子どもたちを見ていると、昨日は別々に遊んでいた子たちが、今日は何事もなかったように一緒に笑っていることもありました。「仲間はずれにされた」と聞くと心配になりますが、学校ではそんなふうに、親には見えない子どもたちの姿があることもあります。

「やめて」が言えず、先に手が出てしまうことも

小1の子どもたちの中には、「やめてほしい」「返してほしい」「それは嫌だ」という気持ちはあっても、それをその場でうまく言葉にできないことがあります。

言いたいことをうまく言葉にできないもどかしさから 、「やめて」と言うより先に相手を押してしまったり、物を取り返そうとして手が出てしまったりすることも。 「すぐ手が出る=乱暴な子」と考えてしまいそうになりますが、その行動の前には、うまく言葉にできなかった気持ちが隠れている場合もあります。「どうして手を出したの?」だけでは見えてこない気持ちが、その子の中にあることもあるのです。

「うちだけ?」と思ったら、ほかの家庭の声も。
小学校生活では、友達関係をはじめ、思いがけないトラブルが起きることもあります。実際にママ・パパが経験したこと、見聞きしたことを聞いてみました。
▶︎みんなの声 「教えて!経験した、見聞きした小学校のトラブルは?」

小1は、友達との関わり方を覚えている途中

こうした友達トラブルの背景には、小1という時期ならではの「まだうまくできないこと」と、小学校生活の大きな環境の変化があります。

気持ちより先に、言葉や行動が出てしまうことも

教員時代、小1の子どもたちを見ていると、悔しい、悲しい、腹が立つといった気持ちが一気に湧いてきたときに、「自分はいま何が嫌だったのか」「相手にどうしてほしかったのか」を、その場で整理することがまだ難しい場面がありました。

「嫌だったけど、なんて言えばいいか分からなかった」「わざとだと思って腹が立った」。そんな気持ちから、強い言葉を言ってしまったり、相手を押してしまったりすることもありました。

大人からすると、「どうして一度落ち着けなかったんだろう」と思うかもしれません。でも、小1の子どもたちは、友達とのやり取りの中で「こんなときはどう伝えればいいのか」「腹が立ったときはどうすればいいのか」を少しずつ覚えている途中でもあります。

教員として子どもたちを見ていると、そうしたやり取りを何度も経験しながら、少しずつ言葉で伝えられる場面が増えていく姿もありました。

園から小学校へ、友達との関わり方も大きく変わる 

小学校に入ると、幼稚園や保育園の頃とは環境が大きく変わります。

たくさんのクラスメイトと同じ教室で過ごし、休み時間になれば、いろいろな子と同じ場所で遊びます。関わる相手が増えれば、それだけ自分とは違う考え方や遊び方をする子と出会う機会も増えていきます。

入学したばかりの頃は、そんな環境の変化に戸惑うこともあるでしょう。でも、毎日の学校生活の中で、「この子にはこう言えば伝わる」「こういうときは少し離れよう」といった、友達との付き合い方も少しずつ覚えていきます。

小学校生活そのものが、勉強だけでなく、いろいろな友達と出会い、ぶつかったり仲直りしたりしながら、人との関わり方を覚えていく時間でもあるのだと思います。

小1の友達関係は、まだつくられている途中。
「いつも一人でいるみたい」「仲のいい友達がいないかも」と心配な方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。元小学校教員の視点から、小1男子の友達関係についてお伝えしています。
▶︎ 小学1年生の息子に友達がいない…?「いつも一人かも」と心配なママへ、元小学校教員が伝えたいこと

友達トラブルが起きたとき、親はどうすればいい?

実際に友達トラブルが起きると、「まず何をすればいい?」「先生に連絡したほうがいい?」「相手の親には謝るべき?」と迷いますよね。

教員時代の経験も交えながら、トラブルが起きたときに親としてできることを順番に考えていきます。

まずは「何があったの?」と子どもの話を聞く 

子どもから「叩いちゃった」「叩かれた」と聞くと、つい「なんでそんなことしたの?」「誰にやられたの?」と聞きたくなるかもしれません。

でも、まずは「何があったの?」と、子どもの話を聞いてみてください。

教員時代、子ども同士のトラブルが起きたときも、それぞれから話を聞いてみると、「叩いた」「押した」という出来事だけでは分からなかった、その前のやり取りが見えてくることがありました。

「遊んでいたらぶつかった」「嫌なことを言われて腹が立った」「やめてほしかったけれど、うまく言えなかった」。「叩いた」「叩かれた」という出来事の前には、子どもなりのやり取りや気持ちがあることもあります。

もちろん、理由があれば叩いたり押したりしていいわけではありません。ただ、まず「何があったの?」「そのとき、どんな気持ちだった?」と聞いてから、「じゃあ、次に同じことがあったらどうしようか」と一緒に考えていく。

そんな順番でもいいのではないでしょうか。

先生への相談は「学校ではどうでしたか?」から

子どもから友達トラブルの話を聞いたとき、「先生にも伝えたほうがいい?」「学校では実際に何があったんだろう?」と、どう動けばいいのか迷うこともあると思います。 

同じようなトラブルが繰り返されている、子どもが学校に行きたがらない、いつもより元気がないなど、気になる様子があるときは、担任の先生にも状況を共有してみてください。

そのときに大切なのは、子どもから聞いた話だけで「相手の子が悪い」と決めつけないことです。

教員時代、保護者の方から「家ではこう聞いているのですが、学校ではどんな様子でしたか?」と聞いてもらえると、学校で見えていたことを伝えながら、一緒に状況を整理しやすく感じていました。

子どもが家で話していることと、学校で先生が見ていることが、まったく同じとは限りません。だからこそ、まずは「学校では何があったのか」を確認するつもりで先生と話してみると、家庭では見えなかったことが分かる場合もあります。

「家ではこう聞いています。学校ではどうでしたか?」というところから話を始めることで、家庭で聞いたことと学校で見えていたことをすり合わせながら、子どもにとってどうするのがいいのかを先生と一緒に考えていけると思います。 

相手の親への連絡に迷ったら、まず先生に相談を

我が子が友達を叩いてしまったと聞けば、「すぐ相手の親御さんに謝らないと」と焦るかもしれません。反対に、我が子が叩かれた側なら、「相手の親は知っているの?」とモヤモヤすることもあるでしょう。

ただ、学校で起きた出来事は、親同士がその場を見ているわけではありません。お互いに我が子から聞いた話だけでやり取りをすると、学校で実際に起きていたこととのズレが生まれてしまうこともあります。

「こちらから謝ったほうがいい?」「相手の親御さんに直接話したほうがいい?」と迷ったときは、担任の先生に相談してみるのも一つの方法です。

学校でどこまで状況を確認しているのか、今後どのように対応する予定なのかなどを先生に聞いたうえで、必要であれば相手の親御さんへの連絡を考えてもいいでしょう。 そうすることで、親同士だけで話を進めてしまうより、落ち着いて対応しやすくなります。

相手の親御さんへの連絡は、「早く何とかしなければ」と焦ってしまいやすいところです。だからこそ、親だけで急いで結論を出さず、先生とも状況を共有しながら、必要な対応を考えていけるといいですね。

「これって親が出るべき?」と迷ったこと、ありませんか?
てつなぎには、子ども同士のトラブルをめぐるママ・パパのリアルな体験談も寄せられています。
▶︎みんなの声 「そんな事で親が出る?面倒だった子ども同士のトラブルは?」

「うちの子、大丈夫かな」と心配しているママへ 

子どもが友達とトラブルになったと聞くと、「うちの子、大丈夫かな」「また同じことが起きたらどうしよう」と心配になりますよね。

教員時代、私もたくさんの子どもたちの友達トラブルを見てきました。叩いた、押した、仲間に入れてもらえなかった。一つひとつを見ると、保護者の方が心配になるのも当然だと思います。

でも、その一方で、子どもたちが友達とぶつかったり、すれ違ったりしながら、少しずつ人との関わり方を覚えていく姿も見てきました。

さっきまで泣いたり言い合ったりしていた子どもたちが、次の休み時間には何事もなかったように一緒に遊んでいることもありました。大人が心配している以上に、子どもたちなりに関係を作り直していることもあります。

もちろん、すべてのトラブルを「成長の途中だから」と見守ればいいわけではありません。同じようなことが繰り返されていたり、子どもが学校に行きたがらなくなったり、いつもと違う様子が見られたりするときは、先生にも相談してみてください。

ただ、一度のトラブルだけで「うちの子は乱暴なのかもしれない」「友達とうまくやっていけないのかもしれない」と、その子自身を決めつけなくてもいいのだと思います。

小学1年生は、友達との関わり方もまだ覚えている途中です。うまくいかない日があったり、ぶつかってしまったりすることも、その子がこれから人と関わっていく中で経験していくことのひとつなのかもしれません。

子どものトラブルを知ると、親のほうが何日も引きずってしまうこともあります。でも、目の前の出来事が、その子のこれからの友達関係をすべて決めるわけではありません。うまくいかない日も含めて、今の子どもの姿を見ながら、その時々で一緒に考えていけたらいいのではないでしょうか。

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子育てをしていると、友達関係や学校生活など、「これってうちだけ?」と気になることが次々と出てきます。

てつなぎLINEでは、そんなときに少しヒントになるコラムや、ほかの家庭のリアルな声をお届けしています。

PROFILE

フリーランスWebライター/ワンオペ育児中の2児の母

SYURI

ワンオペ育児中の2児の母。 小学校教員として5年間勤務したのち、妊娠・出産を機に退職。 「在宅で働きたい」という思いからフリーランスに転向し、現在はWebライターとして活動中。 教員経験や子育ての実体験をもとに、教育・働き方・ライフキャリアなどをテーマに執筆している。

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