1.2億インプレッションをXで記録した専門医の警告――小児科の3大やめとけ
日本の人口と同じ1.2億人が見た?『#3大やめとけ』とは… 2025年8月「ドクターK@眼科医パパ」こと、眼科専門医・栗原大智氏がXに投稿したポスト。 「専門医の信頼できる情報×わかりやすさ」の組み合わせが他の医師や業界に広まり、【1.2億回表示。4.9万いいね】を記録しました。
健康/病気
良かれと思ってやっているその行動、実は逆効果かも?本書は、多くの人が陥りがちな「やってはいけないNG行動」を鋭く突いた話題の一冊です。
現状を好転させる実践的なアドバイスが満載。栗原 大智著書の『#3大やめとけ』から一部転載・編集してお届けいたします。
小児科の3大やめとけ
STOP1
赤ちゃん用枕・クッション
STOP2
きついおくるみ・横抱きスリング
STOP3
食べ物を皮膚に塗る
答えてくれた先生
小児科医のおじい X:@nobu_pediatric
日本小児科学会認定小児科専門医
小児科専門医のおじいじゃ。子育てや小児医療について発信しとるんじゃ。小児科はええぞ。
※所属は 2026年4月現在
赤ちゃん用枕・クッション
→窒息や乳幼児突然死症候群のリスクがある
赤ちゃん用の枕やクッションが危険とされる理由は、窒息や乳幼児突然死症候群のリスクを高めるためです。
まず、窒息のリスクがあります。
寝返り習得前の乳児は首や体幹の筋力が弱く、自分で頭の位置を自由に変えることができません。
枕やクッションで顔が覆われると、そのまま窒息するおそれがあります。特に柔らかい素材は顔に密着しやすく危険性が高まります。
次に、SIDSとの関連です。SIDSとは「赤ちゃんの覚醒反応の未熟性により、呼吸が苦しくなっても自力で呼吸が再開できず、最終的に死に至る疾患」です。
仰向けや顔が何も覆われていない状態でも起こります。米国小児科学会(AAP)や厚生労働省は、赤ちゃんを寝かせる際は「仰向け・硬めの寝具・何も置かない」ことを強く推奨しています。
枕やクッション、ぬいぐるみ、タオルなどの物品は、仮にや窒息対策をうたっていても、かえってリスク因子となるとされています。
頭の形を整える枕もありますが、医学的に安全性や有効性が十分に証明されているとは言えません。
頭の形対策は、起きている時間の抱っこやタミータイムで行う方が、危険性が少ないでしょう。
赤ちゃんの睡眠環境は「平らで硬めのマットレス+枕やクッションは使わない」が最も安全です。
きついおくるみ・横抱きスリング
→股関節脱臼や窒息の危険性がある
まず、きついおくるみでは胸郭の動きが制限され、赤ちゃん特有の浅く速い呼吸がしづらくなります。
さらに、おくるみをしたまま寝ると、温めすぎや顔を覆ってしまいSIDSのリスクがあります。
米国小児科学会(AAP)は、少なくとも寝返りのできる赤ちゃん(早ければ生後2か月)にはおくるみは使用しないように推奨しています。
横抱きスリングでは、顎が胸に押し付けられる姿勢になりやすく、気道が圧迫される危険があり、特に低月齢児では、これが低酸素や窒息につながることがあります。
実際に、1か月のお子さんがスリング使用中に死亡したという事故の例もあります。
次に、脚を伸ばしたまま強く包むおくるみは、股関節が不自然に固定されます。
乳児の股関節は柔らかく、脚が伸びて内側に揃えられる姿勢は発育性股関節形成不全のリスクを高めます。
横抱きスリングも同様です。
抱っこや寝るときの姿勢は、脚が自然に開く「コアラ抱っこ(脚がM字に開いた姿勢)」が推奨されています。
おくるみやスリングを使用する際は、
・呼吸を妨げていないか
・脚が自由に動かせるか、M字の姿勢が取れるか
に十分に注意が必要です。
食べ物を皮膚に塗る
→経皮感作が起こりアレルギーを発症しやすくなる
食品成分を皮膚に塗ることにはアレルギーの観点からリスクがあります。
特に乳児やアトピー性皮膚炎のある方は注意が必要です。
皮膚は本来、外界から異物の侵入を防ぐバリア機能を果たしています。
乾燥や湿疹、傷などバリア機能が低下した状態で、食品由来のたんぱく質が皮膚に付着すると、免疫系がそれを「異物」と認識し、「経皮感作」が起こることがあります。
「経皮感作」とは、皮膚からアレルゲンが侵入することで免疫が反応して、食物アレルギーを発症しやすくなる現象です。
一方で、口からアレルゲンが取り込まれた場合は、アレルギーを抑える方向に働きます。
これを「経口免疫寛容」と言います。
実際に、小麦成分を含む石けんを使用していた集団で小麦アレルギーが多発した事例や、ピーナッツオイル入り保湿剤の使用とピーナッツアレルギー発症との関連を示した疫学研究が報告されています。
特に湿疹のある皮膚では、経皮感作のリスクが高まります。
「天然」「食べられるから安全」というイメージとは異なり、食品成分は皮膚用に精製・設計されていないため、皮膚のかぶれなどを起こすこともあります。
食品成分をそのまま、あるいは食品由来であることを売りにした製品を皮膚に塗ることは推奨できません。
スキンケアには食品成分を含まない製品を用いることが重要です。
小児科の医師が教える
3大
やっとけ
1
予防接種
予防接種には、定期接種のものと任意接種のものがあります。定期接種のものは、命を守るためのものであり確実に打った方がいいものです。任意接種のワクチンも、長期にわたって健康を守るためには接種が推奨されます。任意接種のワクチンには、おたふくかぜ、インフルエンザ、三種混合ワクチンなどがあります。
2
タミータイム
タミータイムは、直訳すると「腹ばいで遊ぶ時間」です。生後すぐから、お腹の上で腹ばいにして遊ばせるなどして、1日1分から開始できます。タミータイムにより、頭の形のゆがみの予防、首や体幹のトレーニングになるなど、多くのメリットが得られます。
3
保湿
赤ちゃんの肌は潤っているように見えますが、実は大人よりも保水力が低く乾燥しやすい状態です。保湿によりすべすべなお肌を維持できるだけでなく、アトピー性皮膚炎の予防効果が見られたという報告もあります。
日本眼科学会眼科専門医。
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