教育現場のプロが伝える!――親子の間の「言語化」って何?
今日の学校どうだった?って聞くのは、実はプレッシャー!本書では、親の言葉が子どもの心にどのような影響を与えるのかをわかりやすく解説するとともに、 子どもの気持ちを支える具体的な声かけや会話の工夫を豊富に紹介していきます。子がどんどん話したくなる声がけ法。サクッと学ぶ!大人の語彙力&伝え方シリーズ。
しつけ/育児
我慢や根性ではなく、安心感と自己肯定感の積み重ねが子どもの心を育みます。その土台となるのは家庭での温かい“ひと言”です。本書は、親の言葉が心に与える影響を解説し、気持ちを支える具体的な声かけを豊富に紹介します。
キャリー・A・フロー幸島 守著書『子どものストレスと不安が軽くなる言語化 「べつに」を「あのね」に変える親のひと言』から一部転載・編集してお届けいたします。
はじめに―――親子の間の「言語化」って何?
みなさん、はじめまして。キャリー・A・フロー、日本人です。
YouTubeでは、「学校教育のリアル」や「子育て」に関する情報、親の悩み相談のコンテンツを配信していて、視聴者さんたちからは「キャリー先生」と呼ばれています。
僕は、大学卒業後、公立小学校の先生として20年間勤務し、1年生から6年生までの担任を務めながら、先生方の指導、学校全体の教育方針の見直し、親御さんとの相談など、小学校教育の全体にかかわってきました。
2022年に退職。それまでの経験を活かし、地域での学習支援、フリースクールの支援、公立小学校の先生たちの研修支援、公立小学校での主張授業など、それまで以上に幅広く、教育のお手伝いをさせていただいています。
2024年からは、YouTube、Instagram、Voicyなどのメディアでも活動を開始。
教育に関するコンテンツの配信を続けています。
と、ここまで説明しても、「キャリーさんって?」と思いますよね。
僕もそう思います。
キャリー先生の活動は、僕と、僕と同じように小学校の先生だった「もーちゃん」との2人で活動しています。
「キャリーさんと、もーちゃん、言われても・・・・・・」
たしかに、謎は深まるばかりです。
そこで、本書をお届けするにあたり、共同執筆者名として、「幸島守」のペンネームを誕生させました。
2人の親の名前から文字をもらって作った筆名です。
これまでのインターネットでの発信とは違う、「本」を通じた言葉のお届けを、生まれたての0歳児のように「言葉」と向き合い、読者のみなさんにお届けする決意を込めて命名しました。
どうぞお見知りおきのほどをお願いします。
ママやパパに知って欲しい、子どもの“今”
本書でお伝えしたいのは、ご家庭での、親と子どもとの「会話」「対話」「言葉のやりとり」をググンと向上させる「言語化のテクニック」――――では、ありません。
まず知っていただきたいのは、子どもの“今”です。
何を思っているのかな?何を考えているのかな?何か困っていないかな?何かあったら、ちゃんと話してくれるかな?
子どもを小学校に送り出した後、ふとした瞬間にそうした気持ちがフッとわくと、心配になりますよね。不安になりますよね。
ひとりで学校に行けるくらい大きくなったのに。
勉強も一生懸命やっている(ように見える)し。たしかに成長しているのだから、むしろ「不安」は減るのでは?そう、思っていたのに、「不安」は日々増すばかりです。
だからこそ、本書を手にされたはずです。では、僕は、みなさんに何をお伝えするのでしょうか?子どもの“今”に何があると言うのでしょうか?
ハッキリ言います。小学校に通い始めてから、子どもは毎日ストレスを受けています。
それを抱えて帰宅します。
ストレスは放っておけば、不安となり、子どもはそれをため込んでしまうのです。
でも、大丈夫ですよ。
おどかして、ごめんなさい。
ただ、それが小学生になった子どもの“今”です。
そして、それは高学年になっても、中学生になっても、ずっと同じです。
「学校に通う」ということは、小さな社会を体験し、その経験から将来の社会生活に役立つ学びを得ることも、大切な目的の1つです。
ストレスは、そうした学びの過程で受ける刺激の1つです。
それ自体に善し悪しはありません。
原因が解決すれば、達成感や緊張の緩和、安心や安らぎを得られることから、生き物には必要な刺激でもあるのです。
ママやパパが見過ごしている家庭の“今”
その上で、もう1つ知っていただきたいのが、家庭の“今”です。
親は、子どもの“今”が見えなくなっているだけでなく、家庭の“今”も把握していない――子どもがもっと小さかった頃、生まれた頃の家庭の“昔”と“今”の違いに気づいていないのです。
生まれたての赤ちゃんにすれば、一瞬、一瞬が初めての経験です。
お腹がすいても、おむつが濡れても、鼻が詰まってもストレスです。
だからすぐにSOSを発信します。ぐずっただけでも飛んでいった自分の姿を思い出してください。
言葉のしゃべれない子どもに「どうしたの?」「お腹すいたの?」「大丈夫だよ」「安心して」と必死に声をかけていた頃の親子の関係を。
あんなに何もできなかった子が、園を年長さんで卒業し、小学校に入学し、たくさんの教材をランドセルに詰め込んで、学校に行く姿を見送り、「すごいな」と思いましたよね。ママもパパも頑張りました。
あなたの子育て、わっしょい!です。
でも、その時から、1日24時間の、家で寝ている8時間、家で起きている8時間以外の、家を出たあとの学校の行き帰りの8時間を親は知ることがなくなります。
「もう小学生だし」「学校に任せているのにモンスターにもなりたくないし」「子どもを信頼しているし」――それは間違っていません。
子どもを信頼し、学校を信頼し、親と学校と子どもを対等に見る視点は素晴らしいことです。
けれども、子どもの“今”には、家と学校の異なる2つの世界を行き来しながら、1人の人間として一貫性のある成長をする環境が必要です。
「学校の時間、終了」「ここから家での時間、開始」とはなりません。
学校でさまざまな経験をし、新しいことを学び、たくさんのクラスメートとかかわる生活から、子どもは刺激を得て、いくつかのストレスを抱えて帰宅します。
そのストレスは、家庭でひもとき、整理し、不安を取り除く必要があります。
それが、小学生になった子どもが帰る、家庭の“今”の役割なのです。
子どもが帰宅しました。「ただいま」「おかえり」――――そこからまずやることは、頑張った子どもへのねぎらい、ストレスの緩和、学校から家庭へとモードのスイッチの切り替えです。
そこには言葉が必要です。
けれども、本書が提供するのは、「言語化のテクニック」ではありません。
本書では「子どもの“今”」「家庭の“今”」「親子のこれから」「子どもと親の未来」に向けたさまざまなまなざしをご提供します。
その上で、「なにを言葉に込めたらいいの?」と考えます。
そのための、僕とあなたとで一緒に考える場をここにつくりました。一緒に子どものことを考え、ステキな子育てを始めましょう!
今日から、あなたの子育ては、日々、わっしょいです!
「キャリー先生。その、わっしょい!って、なに?」
実は、それは、僕にもわかりません。小学校の子どもたちを元気づける時、一緒に何かをする時、みんなで達成を喜ぶ時に自然に出てきた言葉です。
僕のポジティブな気持ちをひと言で表すと「わっしょい!」なのです。
そして、今、「わっしょい!」は僕からあなたへのエールです!
あなたの子どもへのエールの言葉も、本書を読み終わる頃には見つかるでしょう!
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