世界中の子育てを試してわかった!――創造力を引き出す

「子どもの才能を伸ばすには、一体なにをしたらいいのか?」--親として、教育者として、子どもの可能性を信じるすべての大人に向けた決定版! 著者自身が世界中のありとあらゆる育児・子育て法を実際に試し、その中から「最も効果的」と実感した「7つの教育アプローチ」に基づく、「子どもの才能を伸ばす方法ベスト100」を厳選して紹介する。

しつけ/育児

株式会社Kids Developer 代表取締役
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著者が世界中の子育てを実際に試してわかった才能を伸ばす最高の方法!厳選したベスト100を紹介する一冊。
相馬れいこ先生著書の『脳科学、モンテッソーリ、レッジョ・エミリア、フレーベル…世界中の方法を試してわかった子どもの才能の伸ばし方ベスト100』から一部転載・編集してお届けいたします。

「勉強しなさい」から「子ども自身が知りたいことを学ぶ」へ

STEAM教育では、教科を横断的に学ぶことができます。

通常の日本の教育システムでは、数学は数学の授業、理科は理科の授業で

完結し、それぞれに確認テストが行われます。

一方、STEAM教育の横断的な学びでは、同じテーマについての探究を各教科で進めていきます。

たとえば、テーマが「海洋プラスチック問題(プラスチックゴミが海に流出することで発生する環境問題)」の場合、STEAM各教科では次のような学びが行われます。

科学:プラスチックの分解の仕組みや環境への影響を学ぶ

技術:プラスチックゴミを収集する機械の設計を考える

工学:実際にモデルを作成する

芸術:問題を可視化するインフォグラフィックやプレゼン資料を制作する

数学:プラスチック削減のシミュレーションを行い、データを分析する

これらを教科ごとにリサーチし、問題を分析して統合していきます。

教科を超えて学んだ内容を関連づけながら解決策を考え、最終成果を発表するのです。

このプロセスを通じて、子どもたちは実践的な問題解決能力や協働する力を身につけ、物事を多面的にとらえる視点も養います。

従来の教育と比べ、STEAM教育の横断的な学びは知識の詰め込みではなく、実世界で応用できるスキルや思考力を育てることを重視します。

教師が一方的に教えないこの「プロジェクト型学習」では、子どもたち自身が課題を設定し、調べ、考え、試行錯誤する過程で主体性や創造性も育まれます。

子どもにとって「なぜ学ぶのか」という問いは難しいもの。

歴史や理科、美術の授業が将来の仕事や実生活、社会課題にどう結びつくのか見えにくい側面があります。

そのような中で、横断的な学びに取り組むことで、子どもが主体的に行動しつつ、知識を実生活に結びつけやすくなるのです。

プロジェクトの目標に向かって考え行動する学びは、目的意識を持った学習になります。

誰かに「勉強しなさい」と言われてするのではなく、自分が「知りたいから学ぶ」という好循環が生まれるでしょう。

子どもたちは興味関心に基づいて探究し、必要な知識やスキルを習得します。

ときには大人が想像もしなかった斬新な解決策を生み出すこともあり、子どものアイデアに驚きや尊敬を覚えることで、親子関係も良好になるでしょう。

また、社会課題に向き合うことで、未来を担う当事者意識も育まれるのです。

Point

複数教科を横断的に学ぶことで、問題解決能力や協働する力が身につく

子どもの「表現したい」サインを見逃さない

IB教育では、小学校・中学校・高等学校それぞれの年齢に応じたプログラムが用意されています。

興味深いのは、そのカリキュラム内容です。

どの年齢においても「芸術」を学ぶようになっているのです。

日本の高校に相当するIBディプロマ(国際バカロレア資格:所定の成績を収めると世界中の大学入学資格が得られる)プログラムでも、音楽、美術、ダンス、フィルム、演劇、文学と演劇の中からの選択が「必須」となっており、多くの学校でドラマ(演劇)の授業を取り入れています。これはなぜでしょうか?

そこには、自己表現力、プレゼン力、コミュニケーション能力など、社会を生きていくうえで必要なスキルを養うというねらいがあります。

このドラマの授業では、毎年演劇を行います。

全身を使って表現することを求められるので、引っ込み思案になっているひまなどありません。

わが家の長男・長女も小学生までIB教育の環境下にいましたが、必ずドラマの授業がありました。

たとえば、演劇発表会で猫役が10人いたとしても、1匹も同じ猫はいません。

衣装もメイクも猫の仕草も歩き方まで十人十色。

それぞれの演じ手の個性を活かして役づくりを行い、演じているのです。

私たちが受けてきた義務教育とは大きく違っていて面白いですよね。

ちなみにわが家の長男の場合は、演劇発表会でトラ役として登場したと思ったら、いきなり舞台の中心でケイティ・ペリーの歌を歌い出しました。

しかも、猫の姿をした女の子たちをバックダンサーに従えて、です。

まもなく客席から大きな笑いと大歓声が起こりました。

その姿に「私たち夫婦のもとで育ったはずなのに、この度胸は一体どこからくるんだろう」と、思わず息を吞みました。

わが子が思いっきり自己表現を楽しんでいる姿に、感動せずにはいられなかった記憶があります。

大学入試に必須の科目をくり返し勉強することは、もちろん大切なことです。

ですが社会に出れば、仕事でも遊びでも、「人としてどう生きるか」「どう表現するか」が問われます。そうしたスキルはある日突然身につくものではなく、幼児期からの積み重ねが鍵を握ります。

何もIB教育を受けさせることが正解というわけではありません。

ですが、親として、子どもの「表現したい」というサインを見逃さないこと。

そして、意欲を表現する環境を用意してあげることが大切ではないでしょうか。

Point

子どもが自己表現しやすい環境を用意することが大切

PROFILE

株式会社Kids Developer 代表取締役

相馬 れいこ

1984.6.12神戸市在住、愛媛県出身 家族構成:夫、子供4人(長男&三姉妹)、愛犬2匹 (長男長女はイギリス留学中、夫はドバイ在住) KID ACADEMY グループを率いる株式会社Kids Developer の代表取締役として活動する。事業内容は、幼児教室運営、保育園運営、発達支援事業を主に行う。全国に約50拠点、総従業員数は約400名。過去にはファッションモデルでの活動を経て子育てを機に現在の教育業界へ転職する。夫は元日本代表サッカー選手である相馬崇人。 AMIモンテッソーリ教師として、2024年より活動。 2025.1~全国の保育士や母親育成のためのコミュニティMothers Collegeを始動させる。
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