心理カウンセラーが伝える!感謝の習慣化
実の娘との関係に悩んだ自身の経験から、同じような悩みを持つ母親世代に向け、母娘関係を良好に保つための秘訣をお伝えします。 特に、心理カウンセラーとしての知識と医師としての知見を活かし、日常生活での具体的な行動や言葉の重要性に着目、実践の方法をわかりやすく紹介します。
親子関係
母も娘も、心の奥では大切に思っているのに伝わらない…。その壁をやさしく超えるのが“言葉の魔法”。
今すぐ実践できる魔法のフレーズをわかりやすく具体例でご紹介。
松谷 英子先生の著書『母と娘の関係を変える魔法の言葉術』から一部転載・編集してお届けいたします。
感謝の習慣化
「ありがとう」が生まれる家族の絆とポジティブサイクル
あなたは1日の中で、何回の「ありがとう」を届けていますか?
そして、何回の「ありがとう」をもらっていますか?
私はある人から、1日に「ありがとう」を20回以上言われています。
その人は息をするように言います。
朝の「おはよう」の挨拶から、私を見ると「ありがとう」。
帰宅したときも「お帰り!今日もありがとう」。
食事中になにかを運んでも、テーブルを拭いても、なにかのアクションを起こすたびに「ありがとう」と言ってくれます。
それは夫です。
正直、結婚当初の夫は私に対して、感謝の言葉は少なかったと記憶しています。
しかし、体を壊しながら続けていたサラリーマンをやめるきっかけを私が作ったため、「僕を自由にしてくれた恩人だ!」と心から感じ、その瞬間から、「ありがとう」の言葉のシャワーが始まりました。
ですから、その環境で育った子どもたちも自然に「ありがとう」を言えるようになっています。
私は、「感謝する」という言葉を多くいう人ほど、うさんくさい……とひねくれていた時期がありましたし、負の感情をエネルギーにして行動していたときもあります。
たとえば、歯科大に合格したとき「医学部や歯学部に入ることはできても、どうせ国家試験は受からないに決まっている」と、陰口を聞いたときの憤りをバネにして「絶対に見返してやる!」と勉強したときもありました。
さらに、自分に辛いことが起こると「なぜ、この私が......」と思ったり、できたことよりもできないことへ焦点を合わせ、幸せな気持ちや感謝する気持ちが持てない人生を歩んできた時期もありました。
感謝をすることは、簡単なことではありません。
どんなに頑張っていても、うまくいかないときや、悲しいことも起こりますし、「感情」に振り回されたり、「欲」が邪魔をするからです。
しかし、感情はコントロールできるもので、欲は悪者でなく「味方」にすればいいのです。
感情と欲のエネルギーは行動の原動力になります。
たとえば、人間の3大欲は「睡眠欲・食欲・性欲」ですが、誰かを幸せにしたいと思う欲、世界に平和を求める欲、人を助けたい欲なども、人生の生きがいや仕事のやりがいをもたらし、モチベーションアップにもつながります。
ガンジーやマザー・テレサも、世の中を平和にしたいという「我欲」が誰よりも強く湧き出ていた人物であることは誰もが知っていることです。
ですから、娘には「心から湧きあがる欲」に対し、真正面から真剣に向き合い、丁寧に扱うことや「今が中心、今が大切」と生きていく人生観を伝えましょう。
松下幸之助さんとは、戦後の日本を代表する現在のパナソニック(旧松下電器)の創立者です。
社内研修ではスキルよりも、まずは社員が「親に感謝できているのか」の部分から説いたそうです。
自分を育ててくれた親に感謝できないような人間が、社内やお客さんに対し感謝できるはずがないと......。
松下幸之助さんは晩年、「わたしは最近、『感謝』という言葉よりも、「おかげさま」という言葉が好きになりましたな」と語っていたそうです。
「ありがとう」は、相手の「行動」への感謝の気持ち
「おかげさま」は、相手の「存在」に対する感謝の気持ち
誰かの存在に対しての「ありがとう」は感謝の深さであり、感謝とは「誰かのため」ではなく、自分のためだとも語っています。
結局は巡り巡って、自分が発したエネルギーの波が自分に返ってくることになるからです。
「有り難いと思おう」とする気持ちがあるからこそ、人は「幸せに近づくもの」だからです。
[感謝の心を習慣にする方法]
1 「ありがとう」と朝昼晩に毎日10回ずつ言う。心の中でもいい。気持ちがこもっていなくてもいい。
2 朝起きた瞬間に「今日も生きていることに、ありがとう」と言う。
3 自分の呼吸に意識を向けて、背筋を伸ばし、顔を上げる。
4 鏡を見て笑顔の練習をし、笑顔でまずは自分とご先祖様に「ありがとう」を届ける
5 夜寝る前に、3つの感謝を書き残す(感謝日記)。食事ができた、仕事場や学校に行くことができた、などのささいなことからでもいい。
「感謝」に対し、以前は違和感を持っていた私ですが、今は朝、目を開けることができたことに感謝、生きていることに感謝、隣りに寝ている愛犬の顔を見て感謝、スタッフが全員出勤してくれていることに感謝……と、心の底から「ありがとう」に包まれるようになりました。
人は何歳になっても、どんな環境にいても、必ず変われます。
感謝とは、状況や環境によって左右される感情ではなく、自分がどこを見ているのかという「心の選択」になます。
娘には「感謝する気持ち」が泉のように湧き上がるような器を持つ人になってもらいましょう。
15歳で「ママの顔を見たくない」と家を出ていった現在18歳の娘は、感謝の泉を心に持つ人間に育っています。
あなたの娘もきっと、大丈夫です。
心理カウンセラー。メンタルトレーナー。医療法人英仙会理事。
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