心理カウンセラーが伝える!言葉だけでは伝えきれない感情を理解する
実の娘との関係に悩んだ自身の経験から、同じような悩みを持つ母親世代に向け、母娘関係を良好に保つための秘訣をお伝えします。 特に、心理カウンセラーとしての知識と医師としての知見を活かし、日常生活での具体的な行動や言葉の重要性に着目、実践の方法をわかりやすく紹介します。
親子関係
母も娘も、心の奥では大切に思っているのに伝わらない…。その壁をやさしく超えるのが“言葉の魔法”。
今すぐ実践できる魔法のフレーズをわかりやすく具体例でご紹介。
松谷 英子先生の著書『母と娘の関係を変える魔法の言葉術』から一部転載・編集してお届けいたします。
表情・姿勢・タッチの効果的活用法について
言葉だけでは伝えきれない感情を理解する
人の心はなかなか隠せないものです。
「あっ今この人、嘘をついているな」「言葉足らずだけど、本当はこんな風に思っているな」もしくは、「この人って自分のなにが本当で、なにが嘘なのかもわからないほど素直な気持ちをどこかに置いてきてしまっているな」などと、感じたことはないでしょうか。
「声を聞けばだいたいこんな人なのかな?と予想がつく。外れたことがない」と話すのは、元NHKアナウンサーで言葉磨き塾塾長の村上信夫さん。
私も同意見です。
この声は少し苦手だなと思う人に実際にお会いしてみると、相性が合わないという確率が高いのは事実です。
しかし、人は体調や感情によっても声質が変わるもので、理想とする人の話し方を真似ることもでき、また心情の変化とともに声も変わるものです。
言葉以外のコミュニケーションで、さらに相手を安心させられる要素のひとつに「アイコンタクト」があります。
「目は口ほどに物を言う」とはよくいいます。
口では優しいことや前向きなこと言っていても、目に優しさがない、笑っていない、自分を見ていない、そんな表情に見覚えはありませんか?
子どもやお年寄り、動物などは敏感に相手の本性を感じ取ります。
本当は薄情だったり、意地悪だったり、誰かを恨んでいる人を見抜くのです。
「生きているのに、死んだ魚の目をしている大人の目が怖い」
この言葉は当時6歳の娘が、電車の中で私に言った言葉です。
ちょうど会社帰りの疲れた大人たちばかりだったので、確信をついていると思いました。
同時にそんな風に子どもから感じ取られる大人にはなりたくない、と思ったことを鮮明に覚えています。
私は心理カウンセラー、歯科医師の立場からも、クライエントさんや患者さんからの話を聞くことが仕事です。
初対面のたった1秒、いや会った瞬間で人は相手を判断するといわれています。
一度刷り込まれた自分の印象は、ちょっとやそっとでは書き換えることができません。
相当の努力と時間が必要になります。
だからこそ、大切な人に会う前、話す前から次の3つのことを習慣にしてください。
仕事でも家族や娘と話すときも同じです。
習得してしまえばあとは実践あるのみで、体に染みついていきます。
1 場(空間)を整える
・部屋全体の掃除。場の浄化。
・玄関の整理整頓(靴は出しておかない、入り口に生花)。
・トイレ、流しなどの水回りの掃除(水は気の流れに深く影響)。
・アロマやお香などで、リラックスさせる。
・照明の明るさ。暗すぎず明るすぎず。
2 心を整える
・温度や湿度の管理。ちょうど心地いい温度と湿度にする。
・相手に対しての先入観を持たないこと。相手を色眼鏡で見ないこと。
・日頃から、自分の心を耕しておくこと。瞑想や休息、没入する作業をしておく。
・日頃から、精神の鍛練を怠らないこと。問題解決をする、自問自答する。
・不要な感情はその日のうちに流しておく。手放すこと。
・快適な生活習慣(適度な運動、腹7分目の食事、良質な睡眠)。
3 心を開く話し方の実践編
・その場に合う笑顔と挨拶。
・話すときの座る位置と高さ。真正面は対立の位置なので避け、
・目線の高さは同じくらいか、もしくは相手の目線のほうを上げる。
・話し方は丁寧に、基本のアクティブリスニングを使う。
・声のトーンは柔らかくやや低く、相手のテンポに合わせる。
・心の寄り添い(共鳴)を感じたとき、軽く背中や肩に手を置く、触れる。
・相手が言葉に詰まったり、考えているときはじっと待つ。
以上3つに分けて説明しましたが、完璧でなくてもまったく問題ありません。
もし、子どもの笑顔がない場合はこのように声をかけてください。
要は、どれだけ思っているかを相手に伝えることです。
「この人は私を大切に思ってくれている」「この人は、私を丁寧に扱ってくれている。大事にしてくれている」と子どもが思えるように、気持ちが伝わればいいのです。
あなたならできるはずです。
とはいえ、人の感情とはお天気のようにコロコロ変わるものなので、話し合うタイミングも重要です。
ときには自分の表情・姿勢・タッチによって、効果的に相手との距離間を縮めることも遠ざけることも可能です。
特に思春期の子どもの感情の起伏は激しいもの。
親の顔色をうかがうときもあれば、イライラして嘘をついてしまうときもあるでしょう。
そういうときは見守り、そっとしておきましょう。
あなたも1人になりたいときに話しかけられたり、過度に干渉されて嫌な思いをしたことがあるはずです。
娘の表情、姿勢、声のトーンや話し方などで心情や体調を察知する観察力を身につけましょう。
この相手を観察する能力は、娘が生きていくうえでも重要な能力であり、意図的に強化しなくてはならない部分です。
表情は感情の現われであり、言葉よりも素直でわかりやすいともいえます。
心理カウンセラー。メンタルトレーナー。医療法人英仙会理事。
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