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なぜ勉強をするのか?その2

「教えずに育つ」とはどういうことか、「どうして勉強をしなければならないのか」#03

更新日:

大場 規之
株式会社ライトハウスエデュケーション取締役会長 ISC留学net代表

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学習塾の塾長が語る!「なぜ勉強をするのか?その2」

なぜ勉強をするのか?その2

その1で、「親や社会が、“子どもが将来したいことが見つけられないこと”を、イコール、子どもたちが勉強しないこと、できないことの理由づけにしてしまっている傾向もある。しかし、すべての子どもが将来したいことを見つけられるわけではない」という考えをお伝えしました。

では、どうして勉強するのか?

ということに答えを出し、勉強するための動機づけをどのようにしたらよいか?

ということに対して、私の考えを述べさせていただきます。

それは、大変簡単で明確なことです。

それは、「学生としてしなければいけないことだから」です。

つまり、勉強をするということは、「学生としてやらなければいけないことを精一杯する」ということです。

これは特に目的がなくても、方向性が決まっていなくても、誰でもできることです。

やらなければいけないことを精一杯する中から、目的や目標が見えてきたり、方向性が見えてくることもあります。

大事なことは、今、目の前に与えられた課題に全力で取り組めるかどうかです。

また、そうした習慣づけがされているかどうかです。

スポーツでも同じだと思います。

1年生はなぜテニスの球拾いをさせられるのか?

野球ではなぜ素振りの練習をいつもいつもするのか?

剣道で静座を1時間もさせるのはなぜか?

それぞれ答えがありそうですが、絶対の答えはないといってもよく、将来そのスポーツをしていくうえで精神的にも肉体的にも大切なことだからその基礎としてまずはやりなさい、ということでしょう。

学生としてやらなければいけない、

「宿題をこなす」

「テストで必要点を採る」

「まじめに授業に参加する」

といったことは、たとえ目標がなくても、決まっていなくても、真剣に取り組む姿勢をつけなければ行えません。

そうした習慣づけをすることがまずは大切なことです。

「それができないから困っているんだ!」

とお叱りの声もまた聞こえてきそうですが、おっしゃるようにこれが難しいのです。

もちろん、今も昔も。

そして、できない場合には、親だけ、学校だけが頑張っても、なかなかそうした習慣づけが難しいのは言うまでもありません。

子どもを取り巻くできるだけ多くの環境すべてで、つまり、本人はもちろん、家庭でも、学校でも、そして塾でも、全方位で「すべきことをキチンとしなさい」という指導を徹底しなければ実現しないでしょう。

今の子どもを取り巻く環境は、優しさが好まれ、厳しいことを要求しない傾向が強いと思うのは私だけではないと思います。

学校も、親も、様々な背景を抱えて子どもに強く言えない、 厳しくできない姿も多く見ます。

しかし私は子どもたちに対して、この「すべきことをキチンとしなさい」という指導は、徹底して、気持ちを鬼にしてでも仕込まなければならないことの一つだと信じています。

そして、社会全体でそうしたことが実現すれば、「勉強をする」という動機づけが醸成されるだけではなく、今の子どもたちの抱えている多くの課題が解決するはずです。

子どもたちを取り巻く教育環境を、私はいつも3つに分けて話をします。

①家庭教育

②学校教育

③社会教育

私たちを含め、家庭、学校、社会、それぞれで、「すべきことをしなさい」という指導を改めて徹底する必要性を、今こうした世の中だからこそ強く感じます。

そして皆で意志を強く持って、それに取り組んでゆかなければならないと思います。

PROFILE

株式会社ライトハウスエデュケーション取締役会長 ISC留学net代表

大場規之

1963年静岡県袋井市生まれ。
慶応義塾大学理工学部卒業後、元祖ベンチャー企業の雄と言われる堀場製作所に勤務しフランスを中心に欧州に駐在。
帰国後、株式会社和田塾取締役就任。静岡県議会議員を経て、株式会社和田塾代表取締役に就任。同社を株式会社ライトハウスエデュケーションに社名変更し、現在取締役会長を務める。
2009年に、地方の高校・大学生やその保護者が安心して留学できる仕組みとして、全国の学習塾をネットワークするISC留学netを設立し代表を務めている。 趣味は旅行、釣り、スキー、写真撮影、DIY。子供は二人。教育のモットーは「かわいい子には世界を旅させよ」

「子供に生き抜く力を」

著者名
大場 規之
出版社
 明日香出版社

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