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なぜ勉強をするのか?その1

「教えずに育つ」とはどういうことか、「どうして勉強をしなければならないのか」#02

更新日:

大場 規之
株式会社ライトハウスエデュケーション取締役会長 ISC留学net代表

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学習塾の塾長が語る!「なぜ勉強をするのか?その1」

なぜ勉強をするのか?その1

春になると様々な学習塾のホームページを見ながら、学習塾の先生方がどんな取り組みをしておられるのか、どんな考えを持っておられるのか、勉強をさせていただくことにしています。

その中で、「何のために勉強をするのか、目的をはっきりさせる」といった表現が年々多くなっていると感じています。

つまり、「何のために勉強するかがはっきりしていないから勉強ができないケースが多い」 ということを言っているのだと思います。

そして、塾で「何のために勉強するかをはっきりとさせます」ということでしょう。

何のために勉強をするのか?

はっきりと目標設定ができるお子さんは良いですが、私の小、中、高校の学生時代を振り返 ってみても、明確な目標を掲げて、その実現のために邁進するというのはなかなか難しいのではないかと思うのです。

 もちろん短期的に、次のテストでは○○点を目指そう!

といったような、目先の目標設定はできたとして、そして、それを目指すことはできたとしても、本質的な意味で「なぜ勉強をするのか」といった深い意味で捉えた場合、生徒本人はもちろん、どんな塾にとっても大きなテーマであることは間違いありません。

そして、これらの話を裏付けるように、保護者の皆様とお話をする中でも、よく「この子は将来したいことがまだ見つからなくて勉強に身が入らないんです」といった言葉を耳にします。

 この話は特定の親御さんの話ではなく、既に一般論化していると思います。

親が(=社会が)こうした考えを持てば、子どもは“したいことが見つからないからだめなんだ”とか、“したいことがないから勉強できない”という気持ちはさらに強まり、

結局は、“将来したいことが見つけられないこと”が、イコール、勉強しないこと、できないことの理由づけになってしまっているような気さえするのです。

一方で、社会経験の少ない生徒たちに、世の中にどんな魅力的な仕事があって、どんな魅力的な世界があるかを知ること、また感ずることは、多様化した現代社会ではますます難しくなっているといってもよいでしょう。

そうした中で、「目標を持ちなさい」「将来就きたい職業を見つけなさい」と言っても、正直なところ無理があるのではないかと思いますし、見つけられないことも自然であるような気もします。

学校では職業観の育成の指導は盛んにされておりますが......。

なぜならば、または、たとえば...といったほうが良いでしょうか、私が学生時代、親や先生から

「こんな仕事が向いているのではないか」

と勧められたいくつかの仕事は、今にして思えば、私がその後の人生の中で選択できたであろう、数限りない職業の中で考えれば、ごくごく一部でしかなかったことを後になって初めて知るのですから。

もちろん、狭い範囲でも良いから、また途中で変わっても良いから、とりあえず目標を持つために具体的な職業や方向性を決めたほうがよいという考え方もありますが、私は敢えて、自分が「これをやりたい」と思うまでフリーにしておくことも良いことだと思っているのです。

PROFILE

株式会社ライトハウスエデュケーション取締役会長 ISC留学net代表

大場規之

1963年静岡県袋井市生まれ。
慶応義塾大学理工学部卒業後、元祖ベンチャー企業の雄と言われる堀場製作所に勤務しフランスを中心に欧州に駐在。
帰国後、株式会社和田塾取締役就任。静岡県議会議員を経て、株式会社和田塾代表取締役に就任。同社を株式会社ライトハウスエデュケーションに社名変更し、現在取締役会長を務める。
2009年に、地方の高校・大学生やその保護者が安心して留学できる仕組みとして、全国の学習塾をネットワークするISC留学netを設立し代表を務めている。 趣味は旅行、釣り、スキー、写真撮影、DIY。子供は二人。教育のモットーは「かわいい子には世界を旅させよ」

「子供に生き抜く力を」

著者名
大場 規之
出版社
 明日香出版社

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