5歳児さんと「イラッとクイズ」でアンガーマネージメント

子どもの癇癪がみるみる減っていく「クイズ遊び」

しつけ/育児

感情保育学研修所代表 日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントコンサルタント®️
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子どもの癇癪が、みるみる減っていく!

5歳児さんとイラッとクイズ

『クイズ遊び』

このイラッとクイズはアンガーマネジメント の「スケールテクニック」を応用した遊びです。

スケールテクニックは、怒りに温度をつけることで、怒りの感情を「視覚化」し、怒りを認知しやすくなります。

つまり、「温度が低いことに対して、激しく怒る必要はない」のですが、「温度が高いことに対しては怒ってもOK」なのです。

ここでは、怒りを認知するためのトレーニングになるクイズを紹介します。

声かけ例

ママからクイズを出す

ママ

第1問、ジャジャン!友だちにバカと言われました。そのときのママの怒った気持ちを答えてください。

赤は、めちゃめちゃ腹が立つ!黄は、ちょっと腹が立つ。青は、少し腹が立つけど怒るほどじゃない。さあ、ママの怒った気持ちは何色でしょうか?答えをどうぞ!

赤!

理由を尋ねて、考えさせる

ママ

どうして、赤だと思うのかな?

だって、バカって言われたら嫌だから
ママ

なるほど〜、バカって言われて嫌だから、赤だと思ったんだね
ママ

では正解を言うよ!ママの怒った色は、青でした〜。バカって言われたら嫌だし少し腹も立つけど、まあ、怒るほどじゃないかなと思うからでした〜

解説

このイラッとクイズは、怒りの「大、中、小」 のような強弱を「赤・黄・青」の色で置き換えて答える遊びです。

本来、スケールテクニックでは、怒りの温度を数値で置き換えて整理します。

ここでは、子どもがイメージしやすいように、 身近な色を使って表現しています。

さらに、3 つに絞ることで、選びやすくなっています。

イラッとクイズをするときのポイントは7つあります。

では、具体的に説明していきます。

1・最初のクイズは、ママが出す

大事なのは、ママの気持ちを考えてもらうクイズから始めることです。

ママがクイズの出題者になれば、子どもが答えやすい状態を作れるからです。

2・子どもの答えを「復唱し」「整理する」

イラッとクイズは、「怒りの感情には強弱があること」を子どもに理解してもらう遊びです。

このため、子どもが自分なりに出した答えを、ママは丁寧に復唱し整理してあげましょう。

3・子どもがイメージできる「お題」にする

子どもがイメージできる場面を設定しましょう。

子どもがイライラするなど、ネガティブな気持ちになるときを考えてみましょう。

また、ネガティブな場面だけなく、ポジティブな感情が想定できる場面も取り上げてみてください。

4・正解を伝えるときは「理由」も一緒に

正解を伝えるときに意識してほしいポイントがあります。

それは、「ママの正解」を伝えるときにも、「なぜ、その色を選んだのか?」という理由を伝えることです。

今回のように選んだ色が違う場合、怒りの温度も理由も、子どもが想像していたものとは違いますので、その違いを言葉にしてください。

5・色が同じでも、理由が違えばそれを伝える

もし、正解が子どもの色と一致していた場合も、それぞれ理由も言葉にしていきます。

色と理由をそれぞれ伝えてあげることで、「同じお題(場面)でもイラッと具合は、人によって変わるんだな」ということに気づくキッカケになるからです。

6・子どもが出題者になっても、「お題」は同じに

ママからの出題がひと段落したら、次は交代です。

ここでの出題者は子ども側ですが、実質主導権はママが握っています。

子どものイラッとクイズに答えつつ、正解を聴いた後のやりとりは、ママが出題したときと同じ要領で進めていくからです。

7・「こんな場面で、どうしたらいいと思う?」と尋ねる

さらに余裕があれば、「もし本当にそんな場面になったら〇〇くんは、どうしたらいいと思う?」と聞いてみましょう。

子どもが考えた解決策や対応策を「それ、いいね〜」と受け止めてあげると、それが自信につながります。

お風呂トークとイラッとクイズを日替わりで楽しむのもいいかもしれません。

ぜひ、親子で楽しんでくださいね。

PROFILE

感情保育学研修所代表 日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントコンサルタント®️

野村恵里

感情保育学研修所代表 日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントコンサルタント®️ 社会福祉法人旭川荘厚生専門学院児童福祉学科特任講師 岡山市公立保育園で20年に渡り、保育士として勤務。
長男出産後、仕事と家事、育児をなんとかこなすも、次男が誕生し、職場復帰した頃から、イライラが募り、家で怒りを爆発させる日々を送る。親子でヘトヘトの毎日を送り、「もう、ダメかも」と思った2012年、アンガーマネジメントに出会う。
アンガーマネジメントを学ぶことで、感情を爆発させず、適切に怒る方法や、子どもに響く伝え方などを会得する。
長男、次男との関係も良好になり、子育てが一気にラクになることを実感する。
保育の現場でも、アンガーマネジメントを取り入れることで、3歳から6歳の子どもたちが癇癪を起こさず、気持ちをコントロールしたり、表現したりする機会を多々つくるなど、数多くの実践を積んでいる。
2014年から保育者養成校で勤務する傍ら、アンガーマネジメントの伝え手として各地で保育・教育・子育て現場で講演活動を行っている。実感のこもった、当事者目線の情熱的な講演は人気を博している。
保育雑誌の連載など多数。保育者向け著書には『保育者のためのアンガーマネジメント入門』『保育者のための子どもの怒りへのかかわり方』『すぐに保育に使える! 子どもの感情表現を育てる遊び60』(中央法規)、『もうイライラしない!保育者のためのアンガーマネジメント』(チャイルド本社)がある。

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感情保育学研修所代表 日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントコンサルタント®️
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