プロが伝える国語力の伸ばし方!―― トイレの壁には「日めくりカレンダー」を

中学受験のプロだからこそ知っている、日常を学びに変える家庭環境づくり。書きたい!読みたい!話したい!が増える!将来の学力に差がつく子育て。

教育

すばる進学セミナー代表/かまくら国語塾主宰
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トイレの壁には「日めくりカレンダー」を

取り組みやすさ
★★★★★
おすすめ学年
小学校低学年〜高学年
トイレの壁には何を貼っていますか。
カレンダーや絵を飾っている方も多いかと思います。トイレに入った時にふと気がつくと、壁にかかった絵やカレンダーを隅から隅まで眺めていたりすることもあるのではないでしょうか。
じっと見ていることが多いトイレの壁。この空間を利用して、子どもたちの国語力を高めるための有効な使い方をご紹介します。

「貼りすぎ」には注意

トイレの壁に漢字ポスターやことわざポスターなどを貼って、いろいろな言葉を目にする機会を増やしてみてはいかがでしょうか。

Webで「お風呂/学習/ポスター」などで検索したり、ショッピングモールなどにある大型書店を覗いてみると、1枚によくまとまった学習教材を見つけることができます。

ただし気をつけていただきたいのは、勉強をしにトイレに入るわけではないということです。

「毎日トイレに入ってるんだから、これくらいは覚えてるでしょ?」と言われたら、さすがに子どももげんなりします。

また、情報量が多すぎても頭に入ってきません。

覚えてほしいこと、知ってほしいことがたくさんあるからといって、壁全面をポスターで埋めるのは、かえって逆効果となってしまいます。

子どもがなんとなく眺めていたら言葉を覚えた、というゆるやかさが大事。

肩の力を抜いて取り組んでください。目指すのは「ストレスフリーな言葉のトイレ」です。

1日1語ぐらいがちょうどいい

それでは、実際どのようなものを掲示すればよいのでしょうか。

壁に貼るといえば、学習ポスターを思い浮かべる方も多いと思います。

お風呂用の学習ポスターを使ってもいいですし、旺文社から出ている『でる順小学校まるごと暗記ポスターブック』は素晴らしくよくまとまっていて、中学受験を考えている方向けの学習に必要なことわざ・漢字・四字熟語などが網羅されています。

ただ内容が充実している半面、学習ポスターはちょっと肩が凝ります。

毎日忙しい小学生がトイレに入っても息を抜く暇がないのは、少しやりすぎかもしれません。

そこでおすすめなのが、日めくりカレンダーです。

日めくりは、たいてい1枚にひとつの言葉しか書いてありませんので、壁から迫りくるプレッシャーもさほどありません。

「ことわざ日めくり」「四字熟語日めくり」と調べてみてください。

我が家では3日分で1語載っているものを使っています。

1日だけだと通り過ぎてしまう言葉も、3日同じものが壁にあると自然と頭に入っていくものです。

ほかには、俳句を扱った日めくりカレンダーなども、言葉と季節の感覚がいつの間にか鍛えられるので大変おすすめです。

特に季節を表す言葉や大和言葉などは小学生にとってはあまりなじみのないものですので、日常的に使うトイレで目にすることで、知らず知らずのうちに身につけることも期待できます。

より効果を高めたければ、子どもに日めくりの担当をお願いするとよいでしょう。

自分でめくる(破る)ことで一度は必ず見ることになりますし、破ったものは二度と戻らないわけですから、もったいないから見ておくか、という気持ちも芽生えます。

何ごとも、当事者意識をもつことが重要です。

日めくり担当になることで、トイレでの言葉との触れ合いを「自分ごと」にすることができます。

内容を見て「へぇ」と思えばラッキーですし、よくわからないと思っても「見たことある」状態になれば十分です。

あまり多くを望みすぎないこと。

そこは学校や塾ではありません。

トイレ、ですから。

ホワイトボードに手書きもアリ

ほかには、トイレにミニホワイトボードを設置して「今日のことば」を書いていくのもアリです。

家庭用の壁掛けホワイトボードは1500円程度で購入可能ですし、質にこだわらなければ、100円ショップでも手に入ります。

更新が少し大変ですが、続けられれば未知の言葉に触れるチャンスがグッと増えます。

「お母さんお父さんの手書き」は、人によっては印字されたどんな文字よりも読む気になるものです。

余裕があれば、クイズなどを作ってみてもよいと思います。

「次の3つのうち、口に当てはまる言葉で正しいものはなーんだ?」など、答えを選んでもらうようなものなら一緒にやっている感じがします。

きょうだいがいる場合は、弟や妹にとっても少し背伸びをしながら難しい言葉を知っていくよい機会となりそうです。

ただ、毎日更新するとなると大変です。

元ネタがあって、それを書き写すくらいが長続きのコツです。

「10歳までに覚えたいことば」「小学生の語彙1200」などといったタイトルで語彙に関する本はたくさん売っていますので、そこから抜粋していくと保護者の負担も少なくなります。

深く考えずに最初から順番に書き写していくのもいいですし、すでに知っていると思われる言葉や難しすぎる言葉は除外してもいいですね。

ホワイトボードの設置場所はトイレではなく、リビングや食卓から見えるところに掛けておくという手もあります。

トイレの日めくり、食卓近くのホワイトボード、と役割を分けるのもおすすめです。

おすすめの日めくりカレンダー、「今日のことば」のネタ本

●俳句の日めくりカレンダー監修/神野紗希(新日本カレンダー)

●頭がよくなる!日めくりカレンダーことわざ・慣用句(永岡書店)

●日本語の常識カレンダー(トライエックス)

PROFILE

すばる進学セミナー代表/かまくら国語塾主宰

中本 順也

1981年生まれ。3児の父。慶應義塾大学文学部国文学科を卒業後、メーカーでマーケティングや営業に従事。その後、神奈川県鎌倉市にある「すばる進学セミナー」で子どもたちの中学受験・高校受験の進学指導や国語学習をサポートしながら、2020年には小学生のための小説創作教室「かまくら国語塾」も設立。小説家を招いたり、オリジナル作品集を作成したりするなど、言葉を編む楽しみを一緒に探していく空間を提供している。

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すばる進学セミナー代表/かまくら国語塾主宰
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