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プレゼンアドバイザーが教える!「挨拶から育てる話す力」

自分の思いを言語化できるようになる、「話す力」を伸ばすヒント プレゼンアドバイザーが教える勉強で身につかない「イイタイコト」を伝える力の育て方 家庭で出来る「話す力」を育てるメソッドを紹介!

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竹内 明日香
プレゼンアドバイザー、一般社団法人アルバ・エデュ代表理事、TOPPANホールディングス株式会社社外取締役、フューチャー株式会社社外取締役、NRS株式会社社外取締役。

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プレゼンアドバイザーが教える!今日から家庭でできる!話す力の芽を育むために

はじめの一歩は身近なおしゃべりから

「話す力」を育む機会は、私たちの日常生活の中にたくさんあります。

例えば、マンションにお住まいのご家庭なら、同じエレベーターに乗り合わせた方とあいさつを交わすのも良いチャンスです。

海外では、エレベーターに乗り合わせた人同士が、笑顔で一声かけ合うことが、一つの文化のように定着している国もありますが、それには単にマナーという観点だけでなく、閉鎖空間に居合わせた知らない者同士が相互に「私はあなたに悪いことはしませんよ」という意思表示をすることで、安心して過ごせるようにする意味合いもあります。

買い物も、人との交流が生まれる場です。

最近では、人手不足の解や、感染症対策などを背景に、コンビニやスーパーマーケットでも無人レジが見られるようになってきました。

その一方で、地域社会で人との交流の機会が失われることを危惧する声もあります。

オランダのスーパーのレジでは、あえて店員さんとおしゃべりをするための専用レーンを設けているところもあるそうです。

デジタル技術の進歩で、無人化が進んでいく時代だからこそ、人と対話・交流する機会が、より重要になってきているようにも思います。

私は、性格もあるのでしょうが、コンビニの店員さんや、タクシーの運転手さんによく話しかけます。

「最近の景気はどうですか?」とそれとなく会話を始めた結果、思わぬ有益な情報をいただけることもあります。

いろいろな方々とお話しするのは楽しいですし、さまざまな考え方に耳を傾けることが、自分の学びにもなっています。

話しかける対象は大人に限りません。

息子・娘の同級生や近所の子どもたちをお見かけしても、私は積極的に話しかけに行きます。

そんな私の姿を見て、子どもたちから「ママ、恥ずかしいからやめて!」と言われてしまうこともありましたが、人と楽しく会話をしている親の姿を子どもたちにも見てもらいたいですし、相手の子どもたちにも、自分の家族以外の大人から「見守られている」と感じてもらうことで、私も彼ら・彼女らの一つの「居場所」になれると良いなと思っています。

内閣府が発表した「子供・若者白書」(令和4年版)には、子どもや若者にとって、家庭や、学校、地域など、ほっとできる「居場所」の数が多い方が、自己肯定感やチャレンジ精神、将来への希望などが高まる傾向がある、との記載があります。

例えば、普段の日常生活のさまざまな場面で、あいさつやおしゃべりをきっかけに交流が始まれば、それは、子どもたちの「話す力」をうだけでなく、子どもたちが安心して過ごせる地域社会の居場所づくりにもつながると私は考えます。

もちろん、子どもたちの中には、近所の人や遠い親せき、友達の家族を前に、あいさつの言葉すらなかなか出てこないお子さんもいます。

顔は知っているけれどあまり話さない相手や、久しぶりに会う人などには、気後れしたり、恥ずかしがったりしてしまう。

年齢が小さいお子さんには特に、そうしたケースが多いかもしれません。

そうしたお子さんにとって一番大切なことは、まず、心理的なハードルを取り除いてあげることです。

無理にあいさつを強いるのではなく、また、あいさつができなかったことを後で注意して叱るのではなく、あせらずに次の機会を待っていただけると良いと思います。

もし、そのようなお子さんが、小さな声でもあいさつすることができたら、「こんにちは、って言っています」とまわりが代弁するなどしてサポートし、「よく言えたね」とあとで褒めると、次へとつながる大きな力になります。

まだお子さんが幼くて、保護者の方と一緒に外出することが多い場合には、外出する前に、「いつも出かける時に会う〇〇さんに、ママやパパより先に「こんにちは」って言ってみようか」と、事前に声をかけておくと、お子さんにも心の準備ができて、いつか、小さな声でも「こんにちは」と言えるようになります。

その時は、おおいに褒めてあげていただきたいと思います。

できなかったことができるようになる、そして、そのことをしっかり見てもらえて褒められるといった経験を積み重ねていくことが、お子さんの自己肯定感を高める上での大切なブロセスだからです。

冒頭で、日常生活の中でも「話す力」を養える、とお伝えしました。最初は「こんにちは」というあいさつだけだったとしても、「今日は暑いね」「その犬の名前は何というの」「これ見て!今日、学校で作ったんだ」と、だんだんと会話の回数も増え、おしゃべりが弾んでいくと、お互いへの理解が深まり、信頼関係が生まれます。

これはお子さんに限らず、大人の世界でも同じでしょう。

私は、あいさつから始まる身近なおしゃべりこそが、「話す力」の芽を育てる土壌であると思います。

PROFILE

プレゼンアドバイザー、一般社団法人アルバ・エデュ代表理事、TOPPANホールディングス株式会社社外取締役、フューチャー株式会社社外取締役、NRS株式会社社外取締役。

竹内明日香

一般社団法人アルバ・エデュ代表理事。TOPPANホールディングス㈱等3社の社外取締役。日本興業銀行で国際営業や審査等に従事後、2014年、子どもの「話す力」の向上を目指すアルバ・エデュを設立。研修や講演、アプリの紹介を通じて公教育に「話す」教育の浸透を図っている。13の自治体で60000人が受講。公立小元PTA会長。二男一女の母。著書に『思いを伝える「話す力」』(Z会)『話す力で未来をつくる』(WAVE出版)ほか。

「話す力で未来をつくる ~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~」

著者名
竹内 明日香
出版社
 WAVE出版

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