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勉強が続かない子どものために~「教えない授業のエッセンス」

家庭でも学校でも「教えない授業」のエッセンスを取り入れ、変化の激しいこの時代に自分をアップデートしながら自律して学ぶ人材を育てていきましょう。

更新日:

山本 崇雄
横浜創英中学高等学校 副校長 日本パブリックリレーションズ学会理事長

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勉強が続かない子どものために~「教えない授業のエッセンス」

勉強が続かない子どものために

「さあやるぞ」と思ったように見えた子どもが、スマホを見始めたり、漫画を手に取ったりする姿を見て心配になることはありませんか。

やりたいことを「先延ばし」にしたり、始めたことが続かず「三日坊主」になったりするのは大人でも同じです。

僕は「先延ばし」「三日坊主」を防ぐために、さまざまな方法を試してみました。

大切なので、改めてまとめておきます。

①自分を責めない~脳の仕組みを理解する

一般的に、脳は新しいことや異質なことを始める時、多くのエネルギーを使うと言われています。

ですから、新しいことをやろうとする時、脳がストップをかけるのは当然なのです。

自分の意志が弱いからではないと理解し、自分を責めないことが大切です。

②まずはやってみる~環境を整える

脳が嫌がることを習慣にするには「三日坊主」を繰り返せばいいのです。

まずは「やってみる」ハードルを下げる工夫をするのがお勧めです。

例えば、勉強する環境。スマホや漫画など誘惑の強いものは手の届かない所に置き、参考書など習慣化させたいものを手の届く場所に置く。

この観点で、机周りを整理します。

③分割する

めちゃくちゃ座りやすい椅子を購入するのもいいでしょう。

まずは何かを手に取り、音読など取り組みやすい勉強から始めます。

始めることができても集中力が続かないことも多いと思います。

神経科学の分野では人の集中力(神経科学では「集中力」ではなく「注意」を用いるのが一般的)が持続するのは15分程度と言われています。

もちろん、気分が乗ってきたら長い時間も集中して勉強できると思いますが、習慣化するまでは15~20分くらいに分割して、間に5分程度の休憩を入れることをお勧めします。

これらを「やりなさい」ではなく、まずご自身が実践してみて、「私はこうしてみたけど、一緒にやってみない?」とモデルを示すことから始めてみてください。

一緒に勉強する環境を整えたりすることから楽しんでいけるといいでしょう。

PROFILE

横浜創英中学高等学校 副校長 日本パブリックリレーションズ学会理事長

山本崇雄

1970年東京生まれ。
1994年から、公立中学校で英語教師として教壇に立つ。
都立中高一貫教育校を経て、2019年より横浜創英中学高等学校(今年度より副校長)、 新渡戸文化中学校・高等学校、浜松開誠館中学高等学校の他、日本パブリックリレーションズ学会理事長、GRASグループ、News Picksなど複数の団体・企業でも活動。複数の学校、企業と雇用契約を結んでいる二刀流(複業)教師。
Apple Distinguished Educator、LEGO ® SERIOUS PLAY ® メソッドと教材活用トレーニング終了認定ファシリテーター。 著書に『「学びのミライ地図」の描き方』(学陽書房)、『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』(日経BP社)、『「教えない授業」の始め方』(アルク)、『学校に頼らなければ学力は伸びる』(産業能率大学出版部)などがある。

「「勉強しなさい!」と言わない子育て 学ぶ力の育て方」

著者名
山本 崇雄
出版社
 時事通信社

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