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第三者の言葉で褒める~「教えない授業のエッセンス」

家庭でも学校でも「教えない授業」のエッセンスを取り入れ、変化の激しいこの時代に自分をアップデートしながら自律して学ぶ人材を育てていきましょう。

更新日:

山本 崇雄
横浜創英中学高等学校 副校長 日本パブリックリレーションズ学会理事長

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第三者の言葉で褒める~「教えない授業のエッセンス」

第三者の言葉で褒める

「自分に自信を持ってほしいから、なるべく子どもを褒めるようにしておく」という保護者がいます。

とても良いことだと思います。

褒めるということは、相手を認め、評価することですから、大人だって褒められると嬉しいですよね。

子どもたちも基本的に褒められるのは大好きなものです。

でも、思春期に差し掛かってくると

「こんなことで褒められても嬉しくない」

「褒めればいいと思っているんだろう」

なんて、ちょっと斜に構えた捉え方をする子も出てきます。

そうした時期に活用したいのが、「第三者の褒め言葉」です。

これは、アーリーン・ロマノネスの小説『伯爵夫人はスパイ』の中で、ウィンザー伯爵夫人という登場人物が言った「第三者の褒め言葉がどんなときにも一番効果があるのよ、忘れないでね」というせりふに由来します。

ここから「(当事者よりも)第三者が発信した情報の方が信頼されやすい」という心理的傾向が「ウィンザー効果」と言われるようになったのです。

「第三者の褒め言葉」の家庭内での使い方は簡単です。

まずは、日頃から子どもをよく観察し、良いところや成長したところ、頑張っていることを見つけてリスト化しておきます。

文字に書き残しておくと忘れにくいですが、頭の中にしっかり記憶しておくのでもOKです。

そして、夫婦間、家族間で子どものことを話し合い、気付いたことを共有します。

自分一人では気付けなかった子どもの変化も見えてくるはずです。

そうして得た気付きを、「この前、お父さんがあなたのことを○○○○って言ってたよ。

お父さんすごく喜んでたよ」などと、○○○○の部分に褒めたいことを入れて、どんな様子だったかを加えて子ども本人に伝えるのです。

家族から聞いたことだけでなく、学校の先生や近所の方、親戚から聞いたこともリスト化しておくことをお忘れなく。

「家族は自分のいないところでも、自分の良いところを共有しているんだ」

そうした感覚を持つことができると、子どもの自信につながっていきます。

PROFILE

横浜創英中学高等学校 副校長 日本パブリックリレーションズ学会理事長

山本崇雄

1970年東京生まれ。
1994年から、公立中学校で英語教師として教壇に立つ。
都立中高一貫教育校を経て、2019年より横浜創英中学高等学校(今年度より副校長)、 新渡戸文化中学校・高等学校、浜松開誠館中学高等学校の他、日本パブリックリレーションズ学会理事長、GRASグループ、News Picksなど複数の団体・企業でも活動。複数の学校、企業と雇用契約を結んでいる二刀流(複業)教師。
Apple Distinguished Educator、LEGO ® SERIOUS PLAY ® メソッドと教材活用トレーニング終了認定ファシリテーター。 著書に『「学びのミライ地図」の描き方』(学陽書房)、『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』(日経BP社)、『「教えない授業」の始め方』(アルク)、『学校に頼らなければ学力は伸びる』(産業能率大学出版部)などがある。

「「勉強しなさい!」と言わない子育て 学ぶ力の育て方」

著者名
山本 崇雄
出版社
 時事通信社

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