父親目線の育児ハウツー!「妻の妊娠がわかったとき」
妻の妊娠がわかってから、産院選び、妻のケア、お金のこと、出産準備、子どものほめ方・叱り方、遊び方、病気やケガの対処まで、妊娠・出産・子育ての疑問を小児科と産婦人科の先生がていねいに解説する。
妊娠/出産
妻の妊娠がわかったとき
父親になるあなたへ
気負わずに父親になる準備をする
文句なしにうれしい。
なかなかできなかったから、「ホッ」。
ちょっと待てよ、予定外だよ。
まいったな~、夏休みは夫婦水入らずで旅行に行くはずだったのに......。
妻の妊娠がわかったときの状況は、人によってさまざまだ。
テレビでよく見るような「やった。俺もいよいよ一児の父だ。がんばるぞ!」なんというのは、まるでウソっぽい。
男性のほうが、オロオロ、ソワソワして、“私のおなかには動かざる事実があるのよ!”と、堂々とした妻の前でなすすべがない。
けれど、ここでひるんではかっこうがつかない。
妻が妊娠しているとき、男はまだ父にはなっていないのだ。
まだ時間はある。
このターニングポイントを冷静に受けとめ、これからの約8~9ヵ月間で、徐々に父親っぽくなっていけばいいのである。
ところが男は、のんびりかまえて、だんだんと大きくなる妻のおなかを観察しよう...などと思うまもなく、柄にもなく普段はやらないような重たいものを持ったり、電車で空席があれば妻をそこにすわらせたりなんてことをやってしまうものだ。
ただ、こんな思いがけない行動も3ヵ月もすれば我に返る日を迎えるだろう。
無理はいけない。
ごく自然にそれが続けられる男もいれば、続けるために非常な困難とストレスを抱える男性がいるのは当たり前のことなのだ。
自分たちの持ち味で子どもを育てたい
本書は育児にかかわる手伝いをするため存在するのだから、冒頭からこんなことを書くと、妻の前で広げにくい本としてホコリをかぶってしまうかもしれない。
けれど、ここであえて言っておこう。
親になるからといって、気負いすぎる必要はないのだ。
今までの自分でいればいい。
これは女性にも男性にも同じようにいえること。
それにしては妊婦、そして現代社会で赤ちゃんを育てることは、女性にかかる比重が高い。
男性は妊娠することは不可能だし、おっぱいをやることもできないからだ。
比重が高いからこそ、一般的には男性より女性のほうが自分らしさを維持しにくくなる。
お互いが自分らしく育児できるよう、ふたりの共同作業としておもしろがることを大切にしよう。
“おもしろそうに生きている自分を感じてもらうこと”。親を選ぶことのできない子どもにしてあげられることがあるとすれば、そんなことぐらいではないだろうか。
父子手帳をもらう
母子健康手帳(以下、母子手帳)と違って全員配布ではなく、東京都の場合、「父親ハンドブック」は電子版が東京都福祉保健局のウェブサイトで公開されているほか、都内の市区町村が実施している父親教室(両親教室)で印刷されたものが配布されることもある。
「父親ハンドブック」をベースに、各市区町村で独自の項目を補足している場合もある。
こうした父子手帳は、全国の自治体が積極的に展開している。
妊娠中の女性の心身や赤ちゃんの発達などの知識、離乳食やミルクの飲ませ方、育児サービスや支援制度の紹介のほか、もう少し踏み込んで、女性の再就職を斡旋する公的機関の一覧や18歳までの発達についての解説を載せている自治体もある。
母子手帳を母と父で使える手帳にする動きもあるようだ。
日赤医療センター 前小児科部長 乳児院院長(兼務) 日本川崎病学会名誉会員 日本川崎病研究センター理事 昭和大学医学部卒業 昭和大学医学部客員教授 関東川崎病研究会顧問 日本小児科学会認定小児科専門医 日本赤十字医療センター 附属乳児院顧問。
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