父親目線の育児ハウツー!「入院から退院までの夫の仕事」
妻の妊娠がわかってから、産院選び、妻のケア、お金のこと、出産準備、子どものほめ方・叱り方、遊び方、病気やケガの対処まで、妊娠・出産・子育ての疑問を小児科と産婦人科の先生がていねいに解説する。
妊娠/出産
入院から退院までの夫の仕事
面会・着替え運び・赤ちゃんを迎える部屋の準備
入院の際、約1週間分の着替えを持ち込んだとしても、ねまきや下着が汚れてしまうこともある。
あなたが家で洗濯をし、面会のとき届けることができないのであれば、誰かに助っ人を頼まなければならない。
たとえば妻の母親などに来てもらうなら、入院中から手伝ってもらえるのか、入院中はあなたがやるのか決めておく。
祖父母の来院は時間帯が決まっていたり、事前の申告が必要だったり、産院によって対応がまちまちなので、あなたが率先して調べるようにしよう。
親、兄弟姉妹、親戚、友人知人、職場などへの報告も忘れずに。
ドーッと見舞いに来られても妻の体は休まらない。
すぐに知らせたほうがいい人にしぼったほうが無難だ。
ベビーベッドや体重計、ベビーバスなど、退院後すぐに使うものをレンタルするつもりなら、妻の入院中に手配する。
会社によっては配達日が決まっていて、毎日してくれるとは限らないから、家に着いてから手配するのでは間に合わない場合がある。
ベッドが来たらきれいにベッドメーキングし、赤ちゃんをすぐ寝かせられるようにしておく。
また、家具の角やコンセントなど、これからハイハイや歩けるようになると子どもにとっては危険な箇所が室内にも存在する。
今後のためにそういった場所にも対処してあれば妻もあなたを見直すはずだ。
少なくても2週間は、寝たり起きたりの生活が続くのだから、退院の日は妻の布団の用意もしておく。ついでに掃除もしておこう。
妻が帰って安心して休めるようにするには、部屋がちらかっていてはまずい。
前日までに洗い物も洗濯も済ませておこう。
これから赤ちゃんと三人の生活が始まるのである。
心も住まいもきれいに整えておきたいものだ。
ついに期限が迫ってきた。
面会のとき妻と相談しながら、だいたいのところは決めておこう。
退院後はなにかとバタバタして、ゆっくり話せないこともある。
出生届や出産育児一時金の申請以外にも自治体や勤務先に申請が必要だ。
主な手続きは、児童手当金、健康保険の加入、子どもの医療費助成、出産手当金、育児休業給付金などがある。
帝王切開などの医療行為が施された場合は、健康保険が適用されるし、民間の医療保険に入っていれば給付の対象にもなる。
まず入院費用の精算。
看護師に言えば、退院の前日までに金額を出してもらえるはず。
お金の用意をする。
そして退院の際、赤ちゃんに着せて帰る産着の用意。
入院前に妻がまとめているだろうから、これは退院の前日までに、届けておいたほうがいい。
入院費用の精算、車の手配、荷物持ちとなかなか忙しい。
お世話になった看護師や助産師、同じ部屋の人たちにも妻といっしょにあいさつを。
退院の夜は「おめでとう」と、おいしいものでも食べさせてあげてほしい。
そんなねぎらいが、妻の緊張を解いていくだろう。
妻の入院期間中は、あなたにとっては、久々の独身生活でもある。
妻と赤ちゃんのために頭と体を動かすことで、父親の実感もわいてくるはずだ。
病院が家から遠いか近いか、助っ人を頼めるか頼めないか、(もちろん里帰り出産ならこの行程はカットされる)で、状況はぜんぜん違う。
何もかも初めてのことで緊張している妻が一番頼りにしているのは、夫であるあなたなのだ。
日赤医療センター 前小児科部長 乳児院院長(兼務) 日本川崎病学会名誉会員 日本川崎病研究センター理事 昭和大学医学部卒業 昭和大学医学部客員教授 関東川崎病研究会顧問 日本小児科学会認定小児科専門医 日本赤十字医療センター 附属乳児院顧問。
同年日赤医療センター小児科入局。昭和59年医学博士に。
現在日赤医療センター第1小児科副部長、日赤医療センター附属乳児院院長。育児書、育児雑誌に多数執筆。
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