「規則性」を見つける言葉がけ!「新しい何かを発見しよう」

いつでもできる簡単な言葉がけで子どもの数学力(算数力)は大きく伸びます。

教育

東京大学非常勤講師、くにたち数学クラブ代表、日本数学会会員、数学教育学会代議員。
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観察と発見のゲーム

\新しい何かを発見しよう/

「同じアジサイなのに花の色が違うね」

ほかとの微妙な違いを感じとる「パターン認識」の能力は、数や形の認識と並んで、学ぶ力になる大事な力です。

では、子どものパターン認識の能力は、どのような言葉がけで伸びるのでしょうか。

パターン認識は、論理的な思考力とは違って、無意識のうちに働く直感的な能力です。

そのため、「教える」ことによって伸ばすことはできません。

ただ、この能力も遺伝子に刻み込まれた生まれながらの能力であり、それを発揮できたとき、子どもは心の奥底から喜びを感じます。

そこで、子どものパターン認識の能力を伸ばすには、親が身のまわりの事物の中にある意味やパターンを認識し、わずかな違いも感じとるようにして、日頃から感受性のアンテナを張り巡らせておくことが大切です。

ふだんから、親が感受性や共感性を豊かにし、人の心への「思いやり」も大切にしながら生活することで、子どもがたとえわずかなことでも何かを発見したとき、すぐにそれに共感し、発見の喜びを共有できます。

「小鳥が鳴いているね。何をお話ししているのかな?」

「葉っぱが落ちているね。強い風が吹いたのかな?」

このような親との交流を通して、子どもは生まれながらの直感力を発揮するようになります。

忙しい日常の中で見つけた子どもと過ごせるわずかな時間は、発見の喜びを共有する絶好のチャンスです。

春が近づくと、いろいろな花の香りがしてきます。

散歩に出掛けるとき、「今日は、梅の花を探して歩こう」と言ってみます。

「暖かくなったから、そろそろ咲いているのではないかな?」とか、「いくつ見つけられるか競争しよう」などと言ってみるのもいいですね。梅雨時の雨のシーズンでも、いろいろな発見があります。

「同じアジサイなのに花の色が違うね。どうしてかな?」

話しかける言葉は、正しい発見や新しい発見である必要はありません。

子どもが、「何でかな?」とか、「こうかな?」などと考えてくれれば、その言葉がけは成功です。

観察と発見のゲームは、何気ない、いつもの風景を、思わぬ気づきと楽しみの時間に変えてくれます。

子どもの観察眼に驚かされることも多く、親にとっても観察眼を養うよい機会となります。

親子で、いっしょにトレーニングするぐらいの気持ちで、このような時間を生活の中に取り入れてみましょう。

\言葉がけのコツ/

発見は正しくなくてもいい

PROFILE

東京大学非常勤講師、くにたち数学クラブ代表、日本数学会会員、数学教育学会代議員。

植野義明

東京大学理学部数学科卒、東京大学大学院で数学を専攻、理学博士。
1986年より東京工芸大学講師、准教授。
2021年4月、定年退任と同時に国立市で3歳から100歳までの人たちが数学の美しさに触れ、数学で遊び、数学が好きになれる場所として「くにたち数学クラブ」を設立、代表。

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東京大学非常勤講師、くにたち数学クラブ代表、日本数学会会員、数学教育学会代議員。
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