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小児科医オススメの食事“バランスのよい食事で子どもの脳を育てる”

明日からできる!気軽につづく!小児科医ママが伝えたい 子どもの体・脳・心を育てる食事のコツ。

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工藤 紀子
小児科専門医・医学博士。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院小児科思春期科博士課程修了。

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小児科医ママが教えたい食事“バランスのよい食事で子どもの脳を育てる”

バランスのよい食事で子どもの脳を育てる
摂りたい栄養素
脂質
亜鉛など

子どもの脳は出生前から育ち始める!

人間の脳はお母さんのおなかにいるとき、妊娠のごく初期から形づくられ始めるといいます。

出生後も乳幼児期の脳は急激に成長します。

いつの時期の食事も大切なものですが、この乳幼児期は、体はもちろん、脳が著しく成長する時期だということを念頭において日々の食事を用意したいものです。

脳の成長発達に欠かせない栄養素

脳の成長・発達に欠かせない栄養素といえば、鉄や亜鉛、ビタミンA、ビタミンD。

とくに鉄は脳、神経、筋肉にも酸素を運ぶために欠かせない大切なものです。

「鉄を制する者が育児を制する」といっても過言ではないくらいだと思っています。

赤ちゃんで鉄が不足すると起こる可能性がある症状の一例をここで紹介しておきましょう。

鉄不足によって起こる可能性のある症状

体が大きくなりにくい
ぐずぐず泣く、ギャン泣きする
じっとしていられない など

さらに、鉄不足の状態が長く続くと、学童期になってからも学習能力が低くなったり、運動機能に伸び悩む可能性もでてきます。

赤ちゃんは誕生時には十分な鉄を体の中に貯蔵していますが、生後6ヵ月ごろにはこれを使い切ってしまうのです。

母乳やミルクにも鉄は含まれていますが、それだけでは足りないので、少なくとも生後6ヵ月ごろから離乳食によって鉄を摂取する必要があります。

離乳食時期には、鉄を含む赤身の肉類、レバー、マグロ、カツオといった食材を取り入れる、もしくはそれらが含まれる市販品を買う、鉄材を添加した離乳食を採用するなどしましょう。

3歳までにいろいろなものを食べさせる

私はふだん離乳食の重要性を口をすっぱくして伝えていますが、3歳までにいろいろな食べ物を口にして、栄養をバランスよく摂ることで、子どもの健全な脳と体の発育をサポートできるのです。

正常な脳の形成や情報伝達のスピードに影響する脂質、記憶の司令塔である海馬の発達をサポートする鉄、脳の成長と神経伝達にかかわる亜鉛など、子どもの脳を育てるために必要な栄養素はさまざま。

もちろんアレルギーや、年齢や噛む力などの発達段階によって避けたほうがよい食材もあるので、その点は留意しましょう。

苦手な食べ物は繰り返し食べることで克服

離乳食の時期は親御さんもバタバタで、食べさせるだけでも精一杯だと思います。

ただ、離乳食でいろいろな食べ物を口にした子どもは、5~6歳の頃に好き嫌いが少なくなる傾向があります。

「いまは大変だけど、先々に好き嫌いの少ない子になるのだから、苦労を先に買っておこう」

講演を依頼されたとき、私はよくこう話しています。

子どもが苦手な食べ物でも、8回から12回くらい、くり返し食卓に出すことで苦手を克服できることも少なくありません。

子どもへの先行投資だと考えて、あきらめずに食べさせてみるのも大切です。

PROFILE

小児科専門医・医学博士。
順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院小児科思春期科博士課程修了。

工藤紀子

栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。
保育園、幼稚園、小中学校の嘱託医を務める。2児の母。
都内クリニックにて、年間のべ1万人の子どもを診察しながら子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。

「小児科医ママが教えたい体・脳・心を育てる!子どもの食事」

著者名
工藤 紀子
出版社
 日本文芸社

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