聴いてくれて話してくれる“ほめ方のコツ”

怒って落ち込むその前に。気持ちがわかればラクになる最上のコミュニケーション

しつけ/育児

フリーアナウンサー 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」(おやこみゅ)主宰
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子どもが聴いてくれて話してくれる“ほめ方のコツ編”

ほめ方のコツ

あたり前のことをできたときに、口に出してほめる
特別なときにだけ、ほめるのではありません。

会話のコツがわかったところで、次はほめ方のコツについてお話ししましょう。

ほめることは大切ですよ、と話すと

「天野先生、うちの子、ほめるところが全然ないんです......」

と言うお母さんがたくさんいます。

それもそのはず。

ほめるところがたくさんある子どもなんて存在しないのですから。

「かけっこで1位になった」

「100点とった」

「嫌いな野菜を食べられるようになった」

など、特別なことなんて、そう毎日は起こりません。

特別なときだけほめていると、ほめてほしくて嘘をつく子どもになります。

それに、特別なとき以外はぜんぶだめなんだ・・・・・・と感じて、自信をもてるようになりません。

あたり前のことをできたときに、口に出してほめる。

これが出発点です。

私は娘に毎日「今日も起きてすごいね!!」と声をかけます。

普通に考えたら、朝起きるなんてあたり前のこと。

けれど、毎日言っていると子どもは「ひとりで起きられる!」と思うようになります。

「きのうよりも早いじゃない!すごいね」

なんて言うと「わたし朝起きるの、得意だもんね」などとおどけたりします。

早起きは得意だと、子どもが思い込むのです。

寝坊しても、親が20分間かけて起こしたとしても「起きられてすごいね!」です。

「ママが20分もかけて起こしたのよ?」

「今日もまた寝坊ね」

といった嫌みはNGです。

「わたしは朝起きるのが苦手なんだ」と思わせてしまいます。

いかにあなたがダメかと、わざわざ伝えるのは意味がありません。

・靴をはいた

・服を着た

・「いただきます」と言った

・ごはんを食べた

・友だちと遊んだ

こんなささいなことに対して、ほめる言葉をかけましょう。

そして、初めてできたときだけでなく、毎日ずっとほめること。

できるだけ具体的にほめることがポイントです。

「すごいね」ではなく「靴をはけてすごいね」

「よくできたね」ではなく「ひとりで服を着られたね」

このように、毎日、明確にほめましょう。

これは大人も同じです。

家族のために毎日ごはんをつくって、何もリアクションがないとさみしくなりませんか?

あたり前のこととはいえ

「おいしいね」

「毎日ありがとう!」

と言われたら、もっとがんばろう!と思えます。

仕事でも

「○○さん、いつも気を遣ってくれてありがとう」

「この間のプレゼン、とてもよかったよ!」

と言われたら、あたり前のことであっても素直にうれしいものです。

ほめるとは、何かと比べてすごいことをほめるのではないのです。

PROFILE

フリーアナウンサー
「NPO法人親子コミュニケーションラボ」(おやこみゅ)主宰

天野ひかり

上智大学文学部卒業。テレビ愛知アナウンサー(1989~1995)。
現在はフリーアナウンサーとして活躍中。フリー転向後はNHKの番組を中心に出演し、2008年3月まで教育テレビの番組『すくすく子育て』でキャスターを務める。
自身の結婚、出産、育児と仕事の両立を経験したことで、子育ての重要性を認識。
「NPO法人親子コミュニケーションラボ」を立ち上げる。
親子ですくすく体操、手遊び歌、言葉遊びなどを通じて、子どものコミュニケーション力をのばす講座などを開き、今までの受講者は2万人以上。

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フリーアナウンサー 「NPO法人親子コミュニケーションラボ」(おやこみゅ)主宰
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