東大野球部式“子どもをやる気にさせる親のひと言”
30年間の塾での指導、200人の東大生を育成してきた、元東大野球部監督が教える 勉強もスポーツも得意になる育て方とは!?
教育
東大野球部式“子どもをやる気にさせる親のひと言”
子どもをやる気にさせる親のひと言
いろんな経験を子どもにさせてやってみても、なかなか続かない......。
こんな悩みが出てきて、歯痒くなるときがくることもあるでしょう。
しかし、大人だって一念発起したダイエットが継続しないものですし、三日坊主で終わることが多々あるのではないでしょうか。
子どもばかりに期待するのも、親の勝手かもしれません。
モチベーションには、浮き沈みの波がありますし、賞味期限もあります。
とくに超一流のプレーなどに感化された場合は、興奮したその瞬間のモチベーションはグンと高まりますが、よくもって1ヵ月くらいじゃないかなと思います。
そうした一度上がったモチベーションを維持するためには、親の言葉が欠かせません。
やることは簡単です。褒めることです。
子どもたちのモチベーションは、親に褒められることです。
ひいてはアイデンティティにもつながります。
褒められてうれしいのは、とくに幼い頃は顕著です。「すごいね!」「えらいね!」「さすが!」ということを素直に受け止めて、「もっと褒められたい!」と、次もがんばります。なので、親御さんはわが子にとって一番の褒め上手になってもらいたいです。
また、「前より良くなったね」「成長しているぞ」という言葉ももちろんいいですが、さらにそこで単純に褒めるだけではなく、「前より10秒早くなっているぞ」「肩から下のフォームがとくにいいね」と数字やディティールを加えて褒められると、子どもたちはきちんと見てくれているんだなと感じるはずです。
自分自身の成長ってなかなか気づかないので、それを客観的にサポートして気づかせてあげるのが、親の役割です。
これってじつは親も同じで、ひとときCMでもにぎわったダイエットのRIZAPも、ぴったり寄り添ってくれるパーソナルトレーナーがプログラムを用意して、常に成果を応援、管理してくれるからこそ継続して効果が出たのでしょう。
仕組みは一緒です。
親が子どものパーソナルトレーナーになったような感覚で、いつも観察してあげて、”いい言葉”を投げかけてやってください。そうすれば、モチベーションが継続していきます。
子どもの憧れの人からも言ってもらう
親が「勉強しなさい!」と叱ってもなかなかうまくいかないとき、子どもたちが憧れている人がいるなら、その人を引き合いに出すのも効果的です。
たとえば、牛乳嫌いの子がいるなら、「大谷翔平君は小さいときにたくさん牛乳を飲んでたみたいよ」や、「将棋の藤井聡太君はこんな本を読んでたみたいよ」と、「やりなさい!」と言うのではなく、憧れの人や有名人を”だし”に使って、子どもたちのやる気を引き出すのも方法です。
私も東大野球部監督時代、元プロ野球選手である、桑田真澄さん、谷沢健一さん、今久留主成幸さんにお越しいただいて、選手たちに指導してもらう機会を設けたことがありました。
「基礎が大事だよ」と、至極当たり前のことも、私が伝える以上に、彼らの口から伝えてもらうと、選手たちも納得感が増したようです。
親が言うより、身近な先輩の声に耳を傾けるように、言う内容もさることながら、”誰が言う”という方法も上手に活用してみてください。
パーソナルトレーナーのように
子どもをしっかり見て、褒めよう
野球指導者。学習塾「Ai西武学院」塾長。
◎―1994年に独立。東京都内に、文武両道を目指す「部活をやっている子専門の学習塾」としてAi西武学院を開業。地元の人気塾となっている。ただ、開業当初は、生徒の成績を思うように伸ばせず、一時は廃業寸前にまで追い込まれた。そして、廃業の危機を脱するために教育ソフト『数学ミラクルマスター』を約10年という期間を経て開発。同教材は、現在も全国の学習塾・中学校での採用が広がっている。
◎―2008年には、母校・東大野球部のスカウティング事務局を立ち上げ、高校球児に東大受験を指南。2013年~2019年まで母校東京大学野球部の監督を務める。現在は、文武両道で東大合格を目指す高校生に、自身の学習メソッドを伝える支援活動を行っている。また、全国各地の中学・高校での講演活動も精力的に行う。2023年4月からは母校土佐高校の校長に就任予定。
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