注意したいケガと事故&おうちケア 打撲
ママやパパがどんなに注意をしていても、起きてしまうのがケガや事故。「もしも」のときのために、おうちケアの方法を知っておきましょう。 #02
健康/病気
注意したいケガと事故&おうちケア 打撲
打撲
転倒や衝突など、体に対して外部から物理的な衝撃が加わることにより、筋肉の線維や血管が傷ついた状態が打撲(打ち身)です。
活発に運動する子どもにとって、打撲は日常茶飯事といえるほど、身近なケガでしょう。
軽症の打撲は、患部に痛みを感じる程度で、中等症では赤みや腫れが出ます。重症になると、あざや骨折を伴い、手足の場合は動かないなど運動制限がかかることもあります。注意するポイントは、受傷部位や程度によって異なります。軽症、中等症の場合は、冷やすことで炎症を抑えられることが多いですが、明らかな骨折、運動制限がみられるときは、必ず受診しましょう。また、腹部、頭部の打撲は、症状が遅れて出る場合もあるので、なるべく早く受診しましょう。
・手足の打撲
多くは軽症か中等症ですが、強い痛みに加えて赤みや腫れがあるときは骨折も疑われます。その際は、小児科ではなく整形外科を受診してください。
身に覚えのないあざがあるときは要注意です。あざは、打撲のほか血液を固める血小板や、肝臓内のタンパク質が少ないことでもできることがあります。心配があれば、小児科を受診しましょう。
・腹部の打撲
「寝ているときにきょうだいのおなかを踏んでしまった」と受診されるケースがときどきあります。腹部は、物理的な衝撃がおなかの中でやわらげられて、腫れや赤みが出ない場合も少なくありません。
しかし、実は胃や腸はダメージを受けていて、時間がたってから腹痛や嘔吐が出る場合もあります。腹部を打ったときは、症状がなくても受診してください。
・頭部の打撲
子どもは大人より、体の中で頭部の占める割合が大きいため、転倒や転落などで頭部を打撲しやすくなります。
子どもの骨はやわらかく、頭蓋骨を骨折するケースは少ないですが、見た目に異常がなくとも、脳に微小な出血や脳挫傷などが起きていることもあります。一般的に受傷後24時間以内にけい
れんや嘔吐がなければ経過観察でよいとされていますが、痛みが持続するときは小児科、脳神経外科を受診しましょう。
けいれんや嘔吐があれば、CTなど画像検査を必要とする場合があるので、救急車を呼んで診察を受けてください。
・手足の打撲は冷やす
手足の打撲は、患部を冷やすと炎症が抑えられます。痛みがひいたら、治りをよくするために、あたためましょう。
救急or病院チェックリスト
救急車を★★★
夜間・休日診療へ★★☆
かかりつけ医の診察時間に受診★☆☆
□ 頭部の打撲で、けいれん、嘔吐がある ★★★
□ 腹部の打撲で、持続的な腹痛、嘔吐がある ★★★
□ 手足の打撲で、受傷部位が腫れていて動かない ★★★
□ 身に覚えのないあざが増えている ★☆☆
たけつな小児科クリニック院長。小児科専門医、小児科指導医、地域総合小児医療認定医
同病院小児科入局、助教を経て、奈良県生駒市内の二次医療機関(小児科)の立ち上げに従事。
2017年、同市にたけつな小児科クリニックを開院。
ときに「たけつな渋滞」が起こるほどの信頼を得て、年間約3万人の子どもを診るクリニックのほか、共働きの親が病気の子どもを預けられる「病児保育室バンビ」、言語発達遅延を持つ子どもに個別の言語訓練を行う児童発達支援「のびいく」を立ち上げる。
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