子どもの病気&おうちケア アデノウイルス感染症
子どもがかかりやすい病気の特徴。かかったときのおうちケアをまとめました。受診の緊急性がわかるチェックリストも活用して、子どもの健康を守って。 #01
健康/病気
子ども特有の病気&おうちケア アデノウイルス感染症
アデノウイルス感染症
アデノウイルスは夏風邪の一種50種類以上の型があり、ウイルスの型によって症状が異なります。プール熱や、結膜炎も、アデノウイルス感染症の1つです。
主な症状は39°Cから40°Cの高熱と日の結膜や喉の粘膜の炎症ですが、ときに高熱を伴った下痢、嘔吐などの胃腸炎を引き起こすこともあります。
臨床経験ではアデノウイルスはほかの風邪ウイルスと異なり、5~7日程度発熱が持続します。
ウイルス感染であるため、発熱時の解熱剤や下痢の際には整腸剤を内服するなど症状に応じた治療を行います。
・プール熱(咽頭結膜熱)
プール熱の特徴は高熱と喉の痛み、目の結膜充血です。30°Cから4°Cの発熱が3~5日持続し、1週間高熱が持続する場合もあります。
・流行性角結膜炎(はやり目)
両方の目が真っ赤になり、その症状が2週間持続することもあります。
アデノウイルスも風邪の一種なので、自然治癒します。
・積極的な水分補給を
30°Cから40°C近い高熱が持続することが多いので、熱とともに汗として体内から水分が失われやすい傾向があります。できる限り水分の摂取を行いましょう。
・胃腸炎の症状があるときは整腸剤を内服し、食事にも注意
アデノウイルスは複数の臓器に影響を及ぼし、ときに下痢、腹痛などの症状が出る場合があります。そのときは整腸剤を飲ませ、消化の悪い食べものや乳製品、脂っぽいもの、冷たい食べものは控えるようにしましょう。
・タオル、食器は共有しない
アデノウイルスは非常に感染性が強く、タオル、食器を共有することで家族に感染する場合もあります。料理をとり分ける際は、とり箸を使うといった工夫が必要です。結膜炎を起こしている場合にはタオルの共有は控えましょう。
小児科の診察室から
アデノウイルスは39~40°Cの高熱が1週間持続することもあります。そのため、水分摂取が少ないときや活気のないときには、ためらわずに解熱剤を使用しましょう。
なお、自分の免疫力で治癒するウイルスのため、必ずしも検査で陽性を確定させる必要はありません。
救急or病院チェックリスト
救急車を★★★
夜間・休日診療へ★★☆
かかりつけ医の診察時間に受診★☆☆
□ 5日以上高熱が持続している ★☆☆
□ 嘔吐を繰り返している ★★☆
□ 結膜炎症状がある ★☆☆
かかりやすい時期 夏
かかりやすい年齢 全年齡
潜伏期間 2~14日
回復までの日数 10日程度
登園・登校 不可※結膜症状の改善からおおむね2日たてば可
予防接種 なし
たけつな小児科クリニック院長。小児科専門医、小児科指導医、地域総合小児医療認定医
同病院小児科入局、助教を経て、奈良県生駒市内の二次医療機関(小児科)の立ち上げに従事。
2017年、同市にたけつな小児科クリニックを開院。
ときに「たけつな渋滞」が起こるほどの信頼を得て、年間約3万人の子どもを診るクリニックのほか、共働きの親が病気の子どもを預けられる「病児保育室バンビ」、言語発達遅延を持つ子どもに個別の言語訓練を行う児童発達支援「のびいく」を立ち上げる。
記事の内容がよかったら「イイね!」ボタンを押してね