テレビの見方で変わる子どもの想像力

質問のしかたを変えれば想像力はみるみる伸びる 「子どもの言語水準を決めるのは親の質問の深さです」#02

教育

人文教育専門家。
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ステップ③5分間話し合おう

感想を書くだけで他に何もしなければ、子どもはいいかげんな文章を書いて終わってしまうかもしれません。

ですから、書き終わったら5分ほど話し合いの時間を設けましょう。

話し合いがあるとわかっていれば、子どもは番組にいっそう集中するでしょうし、きちんと書こうと頑張るはずです。

ただ、ここでは「いい文章」を書くことよりも、「書く日常」に慣れることを大切にしましょう。

書き終わったら、次のような質問を使って「5分間の話し合い」にトライしてみましょう。

「どうしてそう思ったの?」

「ママはどうしてこう考えたんだと思う?」

「あなたが主役だったら、どうしたと思う?」

子どもは自分以外の考えを聞くことによって、さまざまな人の気持ちが感じられるようになるはずです。

書くということは、人の気持ちを文章に込めることです。

そのため、他人の立場や気持ちを推し量るのは極めて大切なことです。

子どもは「書く」ことをきっかけに、これまで使っていなかった自分の能力をいろいろな形で活用し始めます。

それまで受け身の姿勢で番組を見ていた子どもが、内容の重要度や興味に応じて主体的に番組を見るようになるでしょう

CMや興味のない部分になると積極的に他のことをするかもしれません。

子どもは複数のことを同時にこなす方法を自ら学び、「時間がなくても賢く対処すれば多くのことが可能になる」と考えるようになるでしょう。

多くの人が「正義を守るべき」と言っているのに世の中に悪いことをする人が多いのはなぜだろう?

日常的に文章を書くということを3か月ほど続けたら、こんな質問をしてみましょう。

小学4年生以上ならきっと、びっくりするような素晴らしい答えを出すはずです。

実際に以前の著書『子どものための一日一行人文学』を最初から最後まで書き写しながら読んだ小学生は、こんな答えを出しました。

「正義というのは口で言うのは簡単だけれど、行動に移すのは難しいから」

口先だけの正義は世の中に何の影響も与えられず、行動が伴わなければならないという意味です。

子どもがこの素晴らしい答えを導き出した理由は、文章を書くという日常を送ったことで、質問する方法を悟ったからです。

さまざまな方向から自分に問いかければ、自分自身の文章を書くことができるのです。

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