“先延ばしの正体”と“今すぐ動ける方法”を徹底解説!──「楽しくない」ことを面白くする!
「5分で終わることなのに、始めるまで1時間かかる…」「やらなければいけないのに、やる気がでない…」そんな悩みの正しい原因を特定し、心理学で解決する!
健康/病気
「またダラダラしてしまった」と自分を責めていませんか?動けないのは性格の問題ではなく、単純な睡眠・栄養不足や手を使わない生活が原因かも。自分を叱咤するのをやめ、自然と身体が動き出す習慣を始めましょう。
内藤 誼人さん著書『「すぐやる人」に変わる心理学』から一部転載・編集してお届けいたします。
「楽しくない」ことを面白くする!
ポジティブな思い込みをする
やりたくなければ「先延ばし」も当たり前
私たちは、やりたくないことほど先延ばしする傾向があります。
なぜかというと、単純に「やりたくない」からです。
たとえば、庭の雑草とりが好きな人はあまりいないと思うのですが、私たちは自分がやりたくないときには、いろいろな言い訳を作り出し、先延ばしするのが普通です。
「もっと雑草が伸びてから、一気に終わらせたほうが効率もいい」
「どうせ抜いてもすぐに雑草は伸びるのだから、そんなに頻繁にやることもない」
「どうせ自分の家にはお客さんなどこないのだから、庭の手入れも必要ない」
「理屈(言い訳)と軟膏はどこにでもくっつく」という表現があります。
軟膏はべたべたする薬なので、どんなところにもつけることができますが、同じように屁理屈もどんなことにもつけることができる、という意味です。
カナダにあるカールトン大学のアラン・ブラントによりますと、私たちが仕事を先延ばししようとするのは、退屈であるとか、ものすごく身体が疲れるとか、面白みに欠けるとか、ようするにネガティブな感情が関係しているそうです。
というわけで、もし仕事の先延ばしをやめたいのであれば、仕事に対するポジティブな思い込みを強化するようにしなければなりません。
まったく同じ作業でも、そこにポジティブな意味を見いだすことができれば、私たちは面白さや、やりがいを感じることができますから、仕事も先延ばししなくなります。
建設業のように肉体作業がメインの仕事は、「3K労働」と呼ばれています。
「キツイ」「汚い」「危険」の頭文字をとって3Kです。
たしかに重い資材などを運ぶのは大変に疲れますし、高い場所にものぼらなければならなかったりして生命の危険もあります。
多くの人は「うわぁ、キツそう。できればやりたくない」と思うのではないでしょうか。
けれども、「私は、地図に残る仕事をしているんだ!」(大成建設)と思えばどうでしょう。
「私は、未来を創っている!」(西松建設)と思うのもよいでしょう。
自分の仕事に誇りを感じることができるので、イヤだなとか、やりたくないな、という気持ちは相当に小さくなるのではないかと思われます。
自分の仕事にポジティブな思いを持つことができないと、本気で仕事に取り組むこともできませんし、ついダラダラして仕事を先延ばしにしがち。
まずは、自分の仕事にはどんな意義があるのかを考え、ポジティブな気持ちを持つようにしてください。
「やりたいこと」はすぐ動ける
223名の調査でわかった動機の大切さ
自分が応援しているアイドルや俳優や声優のイベントやライブに積極的に活動することを「推し活」と呼びます。
自分の大好きなミュージシャンが全国ツアーを発表すると、推し活をしている人はすぐにツアーチケットの申し込みをし、さらに会場近くのホテルを予約したり、航空券や新幹線のチケットを予約したりするでしょう。
「まぁ、そのうちに申し込むか」とか「予約はもっと直前でいいか」などとは絶対に考えないはずです。驚くほどスピーディに行動するでしょう。
私たちは、自分が大切に思うこと、自分が価値を置いていることを先延ばしにすることはありません。
何しろ、自分がやりたい活動なのですから。
モタモタしていたら、チケット購入ができなくなったり、ホテルが満室になって宿泊できなくなったりします。
だから、信じられない早さで動くことができるのです。
ドイツにあるビーレフェルト大学のアクセル・グルントは、223名の大学生に自分がどんなことに価値を置いているのかを尋ねる一方で、どれくらい先延ばしするのかも教えてもらいました。
その結果、自分が価値を置いていることについては、先延ばししないことが明らかにされたのです。
私は、原稿の締切を破ったことが一度もありませんが、それは「物書き」になることが、私の小さな頃からの夢だったからです。
普通の人なら、800ページもある資料の本を読んだり、難解な論文を何百本も読み込んだりする作業をしなければならないとしたら、うんざりするでしょう。
けれども、「物書き」になりたかった私にとっては、資料を読み込むことは文章を書く前に絶対に必要な作業なので、手抜きなどしませんし、ものすごく楽しく取り組むことができます。
「締切まで相当に日数があるから、そのうちやればいいか」とは考えません。
編集者から仕事の依頼があると、その日のうちにアマゾンでテーマに関係のありそうな本を片っ端から注文します。
私たちは、自分が大切に思うことなら、フットワークも軽くなり、すぐに行動できるのです。
仕事をするときにモタモタしてしまう人は、ひょっとすると自分のやっている仕事が嫌いなのではないでしょうか。
あるいは、自分の仕事を意味のない仕事だと思っていたりするのではないでしょうか。
そういうネガティブな思いがあると、いくらタイム・マネジメントの本を読んでも、スピーディに行動できません。
明るい声で挨拶する
陽気な声で説明すると20.6%変化する
どんなに成績が悪くとも、どれだけ授業の内容がチンプンカンプンでも、同じクラスに気の合う友達がたくさんいれば、学校に行くのも楽しくなります。
なぜなら、学校に行けば友達に会えるからです。
ところが、学校に一人も友達がいないと、学校に出かけるのが苦痛になります。
学校側がどれほど素晴らしい授業カリキュラムを用意していてもダメです。
仕事も同じです。
たとえどれだけ退屈な単調作業でも、冗談を言い合えるようなアットホームな雰囲気の職場なら、出社するのも楽しくなります。仕事自体がつまらなくとも、職場の人間関係が最高なら、私たちは少しも不満を感じませんし、仕事の手を抜くようなこともしません。
カナダにあるカルガリー大学のピアーズ・スティールは、どういうときに人は先延ばしをするのかを調べた論文を数多く集め、個々の論文の結果をひとつのデータと見なし、総合的な判断を行うメタ分析をしてみました。
すると、先延ばしに強く影響するのが「嫌悪感」であることがわかったのです。
仕事自体がどうしても好きになれないときには本気で仕事に取り組むことはできませんし、職場の人間関係がギスギスしていて耐えられないようなときにも、人は仕事を先延ばしにするのです。
重苦しい雰囲気の職場で働きたいなと思う人はいないと思いますので、まずは職場の雰囲気を改善するような行動をとってみましょう。
職場の雰囲気を明るくするムードメーカーのような人がいればいいのですが、もし居ないのなら、自分がそのムードメーカーになりましょう。
出社したら、たとえ相手から返事がかえってこなくとも、こちらから明るい声で挨拶をしましょう。
外仕事に出かける人には、「行ってらっしゃい!頑張って!」と激励し、帰社するときにも全員に挨拶してまわりましょう。
さらには、つまらなすぎて逆に笑ってしまうようなダジャレなども、ポンポンと口に出しましょう。
そういうムードメーカーがいると、職場は少しずつ明るくなっていくものです。
とびきり陽気で、元気な声を出すようにすると、その声を聞いた周囲の人たちも気分がよくなり、楽しく作業をしてくれるようになります。
コロンビア大学のトリー・ヒギンスは、大学生にテレビゲームをやらせるという実験で、実験者が陽気な声で、「頑張った人にはご褒美もあるよ!」と説明する条件と、真面目な声で淡々と説明する条件を設定し、実験が終わった後の自由時間に、同じゲームでどれくらい遊ぶのかを調べてみました。
すると、実験者が陽気な声で説明したときには平均70.7%の人が自由時間に遊びました。
ゲームを面白く感じたのでしょう。
ところが、同じ実験者が真面目な声で説明したときには自由時間にゲームで遊ぶ人は平均44.1%に減りました。
おそらくは、つまらないと感じてやりたくなくなったのでしょう。
職場の雰囲気は、「声」で変わります。
自分が率先して明るい声を出すようにすれば、職場の雰囲気もよくなりますし、同じ作業でも楽しく感じられるようになります。
心理学者。立正大学客員教授。有限会社アンギルド代表。
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