小説家が教える、世界一やさしい「言語化」――言語化って、こんなにすごい
「自分の考えをうまく言葉にできない…」。そんな悩みをマルッと解決!小学校・中学校・少年院で教えてきた小説家による、世界一やさしい「言語化」の授業。これを読めば、自分の気持ちも考えも、誰でもなんでも「言語化」できるようになれてしまう!
教育
「何が言いたいの?」ともう言わせない。自分の気持ちや考えを言葉にする楽しさを伝える一冊です。小学生でもゲーム感覚で自然と言葉が溢れ出す、簡単で実践的なワークが満載。親子のコミュニケーションにも最適です。
田丸 雅智著書の『小学生でもできる言語化』から一部転載・編集してお届けいたします。
言語化って、こんなにすごい
この本でこれからお伝えしていく「言語化」というのは、「考えたり感じたりしたことを言葉にする」ということです。
言語化についてのくわしい話は後ほどご説明していきますが、その前に、そもそも「うまく言語化できるようになると、どんないいことがあるの?」と思う方もいるかと思います。
じつは、言語化にはすごい力がたくさんあるんです。
1
考えや気持ちを整理できるようになる
言語化が上手になると、ぼんやりと考えていることや感じていることなどを正確に言葉にすることができるようになります。
これにより、そのぼんやりしたものの正体をはっきりととらえることができ、考えや気持ちを整理できるようになります。
たとえば、この頃なんとなく落ち着かないなと感じたときに、自分自身を探って原因を言語化してみます。
そうすることで、「そうか、自分は習い事の発表会をひかえているから、緊張してるんだ」といった感じで把握でき、漠然としていたときよりも気分がマシになったり、「じゃあ、どう緊張をほぐそうか」と次の行動にうつれたりするようになります。
また、たとえば、一度にいろいろなことが押し寄せてパニックになりかけているようなときに、その「いろいろなこと」をすべて言語化して書き出すことで頭の中が整理され、解決するためにやるべきことが見えたり、問題の全体像が分かってひとまず落ち着けたりします。
ぼくは、未成年で罪を犯してしまった少年たちが更生するための施設・少年院をときどき訪問しているのですが、罪を犯してしまった少年の中には考えや気持ちをうまく言葉にできず、半ばパニックのような状態になって手が出たりするケースもあるそうです。
そのことからも、ぼくは言語化できるということの大切さをいっそう感じています。
ちなみに、書いたり話したりすることは、それ自体がストレス発散にもつながります。
小説の創作も含め、自分の考えていることや感じていることを外に出すとすっきりしたりするものなので、オススメですよ!
2
コミュニケーションがスムーズになる
自分の意見や考え、アイデアなど、考えていることや感じていることをうまく言葉にすることができるようになります。
その結果、相手に伝えたときに「なるほど、それを伝えたいんだね。分かったよ」といったようにすぐに理解してもらいやすくなり、伝わるまでに何度もやり取りを重ねなくてよくなったり、誤解が生まれることが減ったりして、コミュニケーションがスムーズになります。
たとえば、友達から遊びに誘われて、行きたいけれど家族で出かける用事があって断らなければならないときに、あなたならどうしますか?
「行けない」と伝えるだけだと友達に「自分とは遊びに行きたくないのかも?」と誤解させてしまう可能性があります。
でも、断るときに「行きたいけど、今日は家族で出かける用事があって行けないんだ」と状況を正確に伝えられれば、誤解を生まずにすみますよね。
ほかの例を挙げると、学校行事でクラスごとに実施する劇の内容をみんなで考えているときに、あなたは「よくあるような内容だとつまらないから、ほかのクラスのみんながあっと驚くような変わった内容の劇をやるのはどうだろう」と考えたとしましょう。
このとき、みんなに対して「変な劇をやろうよ!」という言葉で伝えてしまうと、みんなは「どういうこと……?」と困惑してしまうはずです。
一方で、考えたことをきちんと言葉にして伝えられれば、「なるほど」と考えを理解してもらえ、その案がいいかどうかを話し合うという次のステップにスムーズに進んでいくことができます。
3
自分の適性が分かるようになる
自分が集中しやすいのはどんな場所なのか、自分の記憶に残りやすいのはどんなやり方で覚えたことなのかなど、自分自身の性質や傾向を言語化することで適性が分かるようになります。
たとえば、「自分が集中しやすい場所」について考えてみたとします。
その結果、「部屋よりもリビングのほうが集中できるな」などと言葉にできれば、「集中したいときは、いつもリビングでやろう」と意識的に自分に合ったやり方を選べるようになり、作業がとてもはかどります。
ほかにも、「自分の記憶に残りやすいこと」について考えてみたとします。
その結果、「人の言ったことや、曲の歌詞はよく覚えているな」と気づき、「自分の場合は耳で聞いたものを覚えやすいのかも」と言葉にできたとしましょう。
すると、次に英語の単語などを覚えるときは「録音したものを耳で聞いて覚えよう」といったように自分に合ったやり方を選べるようになり、効率的に覚えられるようになります。
ちなみに、ぼくはこの、言語化によって自分の適性を把握することを「脳起点で考える」と言っています。
自分自身の性質や傾向、つまりは「脳の性質や傾向」を言語化して把握することで、それを起点にして自分の脳にもっともふさわしい方法を見つけて行動にうつしていくという考え方です。
脳というものは、最終的には中身がよく分からないブラックボックスで、すべてを完璧に把握することは不可能だと思います。
でも、言葉を使って「こうかな、ああかな」と自分で自分の脳を探索して言語化することで、多くのことが見えてきます。
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