インフルエンサー医師が伝える!「なんとなく不調」が気になるなら――胃のムカムカ・不快感
体にとって「正解」でも、おいしくなければ毎日がつまらない。でも、おいしさを優先して病気になるのはもっと嫌。そこで、医師の私がエビデンスに基づいて、「避けている」食べものと「積極的にとっている」食べものを紹介します。あなたの「健康不安」は、本書できっと解消されます。
健康/病気
子どもの集中力低下や親の慢性的な疲れ、実は「普段の食べもの」が原因かも?本書は、現役医師が体に負担をかける食品と整える食品を分かりやすく解説。家族みんなが元気に過ごすための、無理のない食習慣を提案します。
伊勢呂哲也著書『食べてはいけないもの×いいもの からだの不調は食べもので解決できます』から一部転載・編集してお届けいたします。
胃のムカムカ・不快感
胃の調子が気になったらコレをやめよう
食べすぎて胃がもたれる、飲みすぎて吐き気がする、ストレスで胃が痛い……。こういったことは誰にでも経験があるのではないでしょうか。
「胃によさそうな根菜とキノコのホットサラダを食べよう」「辛いものを食べてストレス発散!」もしかしたら、そのチョイスが胃の不調の原因かもしれません。胃のコンディションが気になるときに避けたい食べものをチェックしましょう。
食物繊維は胃で分解されない
ゴボウに多く含まれる不溶性食物繊維は胃壁を物理的に刺激しやすく、胃痛や胃の張り、ガスが溜まる原因になることがあります。
体によい面も多い食物繊維ですが、消化のよさという面では悪いものになるため、胃の調子が気になるときは控えめにするか、よく火を通したうえで、しっかりかんで、ゆっくり食べるようにしましょう。キャベツの芯に近い部分なども要注意です。
豊富な食物繊維が消化を遅くする
キノコ類が健康食材とされる理由のひとつが、食物繊維が豊富なことです。
不溶性食物繊維も多いため、消化のよい食べものではありません。
ゴボウと違ってやわらかく、あまりかむことを意識しないかもしれませんが、よくかむことを意識して、消化を助けてあげましょう。
不溶性食物繊維が胃にとどまる
体にとってメリットが多い玄米ですが、胃ではほとんど消化されない不溶性食物繊維が豊富なため、胃に長時間とどまることになります。
玄米を食べると胃もたれや胃の重さを感じるというときは、炊飯前の浸水時間を長くしてよりやわらかくしたり、食べる量や頻度を調節したりするといいでしょう。
そして、よくかんで食べましょう。
豊富な食物繊維が胃の負荷に
タケノコは、タンパク質やカリウム、節にある白い粉がうまみ成分であるアミノ酸の一種のチロシンなど、さまざまな栄養素が含まれています。
旬の時期に食べたい食べものですが、食物繊維が非常に豊富なため胃にとどまりがちです。
食べすぎに注意し、よくかんで食べることで胃の負荷を減らしましょう。
胃酸の分泌を活発にすることが刺激に
タマネギの血液サラサラ成分であり、辛味のもとであるアリシン(硫化アリル)は、胃酸の分泌を促進します。
消化を助ける反面、過剰に摂取すると胃に強い刺激となり、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。
加熱したり、水にさらしたりすることで刺激を減らすことができます。
胃を荒らすことも
ニンニクにもタマネギと同じようにアリシンが含まれています。
すりおろしなど、空腹状態での生食は強い刺激が直接胃にくるので少量にとどめ、食べすぎに注意しましょう。
胸焼けの原因にも
脂肪は消化にもっとも時間のかかる栄養素です。
胃から腸への排出を抑える、コレシストキニンという消化管ホルモンを増やして、胃の滞留時間を長くするのです。
これがいわゆる「満腹ホルモン」です。
脂肪分が胃に長くとどまることで、胃もたれや胸焼けの原因になります。
タンパク質も消化が遅い
焼き肉やステーキを食べた翌日、胸焼けを感じるという話をよく聞きます。
脂身ほどではありませんが、赤身肉のタンパク質も消化がよい食べものではありません。
炭水化物などと比べると消化に時間がかかります。
一度にたくさん食べることや硬い肉などは特に注意が必要です。
油脂が胃に食べものをとどめる
脂肪だけでなく油も胃の滞留時間の長い食べものです。
油っこいものや揚げものを食べすぎると胃もたれや胸焼けを起こしやすいのはこのためです。
油脂は胃腸への負荷が大きいことを意識して、体調と相談しながらおいしく食べましょう。
こってりが胃の負担に
油脂の多いチャーシューやスープ、胃の粘膜を荒らしやすい過剰な塩分、たっぷりの小麦麺をよくかまずにツルツルと胃に流し込む。
そんなラーメンは、胃への負荷が何重にも重なる食べものです。
麺をコンニャクに替えても、食物繊維が豊富なコンニャクをよくかまずに食べれば胃に負担になりますし、さっぱりしたスープを選んでも、こってりスープよりはマシとはいえ、胃によい食べものとはいえません。
食べる量と頻度は体調と相談して、調節したいものです。
砂糖+脂質の、避けたい組み合わせ
脂質で消化が遅くなり、砂糖で胃酸の分泌が乱れるため、これらを組み合わせた菓子パンやクッキーなどは長時間胃にとどまり、胃もたれしやすくなります。
胃を刺激するスパイスは体調と相談しながら
血行の促進や、胃腸の働きを活発にするなど、消化によい作用を持つスパイス類はたくさんあります。
ただし、刺激物でもあるので、胃が疲れているときなどは種類や量に注意したいもの。
唐辛子に含まれるカプサイシンをはじめ、辛味の強いものは刺激になるので、風味を変える程度の少量で楽しみましょう。
胃酸の出すぎが胃壁に負荷をかける
コーヒーに含まれるカフェインは、胃と食道のつなぎ目にある筋肉の食道括約筋を緩ませます。
これは、胃酸が逆流する(逆流性食道炎)原因にもなります。
また、クロロゲン酸には胃酸の分泌を促進する作用があり、消化を助ける反面、胃酸が出すぎると胃の粘膜が刺激されてしまいます。
そのため、コーヒーは食後に飲むのがおすすめです。空腹時であれば、牛乳や豆乳を入れてゆっくりと飲むことで胃にやさしくなります。
多方面から胃を刺激
アルコールはさまざまな面で胃に負荷をかけます。
胃酸の分泌が増えて胃の粘膜を刺激し、胃の粘膜の血流を低下させます。
さらに、アルコールは分子が小さいため、胃粘膜のバリア層を通過して、胃粘膜に直接、強い刺激を与えるのです。
また、食道括約筋の働きを弱めて逆流性食道炎を起こしやすくします。
お酒を飲むときは、脂質と塩分、糖分が少なく、良質なタンパク質がとれる枝豆などのつまみを食べながら、ゆっくりと飲みましょう。
ゲップが出るようになったら、アルコールを控えめにするサインです。
ちなみに、アルコール以外でも冷たい飲みものや食べものは、胃がびっくりして、胃の動き(ぜん動運動)を一時的に弱めることがあります。
すると、胃の排出速度が遅くなり、食べたものが胃に長くとどまることになります。
胃の調子が気になったらコレを食べよう
「胃の調子が悪いときは、消化のよいものを食べる」ということは間違いではありませんが、毎日毎食おかゆだけでは栄養バランスが崩れてしまいます。そこで、胃をいたわりながらも栄養がとれる食べものを紹介します。
消化酵素で胃をいたわる
大根には、消化を助ける酵素がたっぷりです。炭水化物を分解するアミラーゼ(ジアスターゼ)、タンパク質を分解するプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素が胃腸の働きをサポートします。
アミラーゼは熱に弱いため生で食べるとより効率的です。ただし辛味が強いと胃の粘膜を刺激することもあるので、加熱して食べるほうがよい場合もあります。
胃や腸の粘膜を守る
胃をいたわる食べものといえばキャベツ。
キャベツの有効成分キャベジン(ビタミンU)が、市販薬の名前になっているくらいです。
キャベジンは、の中の細胞の再生を助け、胃粘膜の修復を促します。
胃の表面の荒れたところを埋めるイメージで、胃炎や軽度の胃のただれの修復などをサポートしてくれます。
また、胃粘液の分泌量を増やして、胃粘膜のバリア層を厚くすることも胃を助けます。
胃の表面をコーティングするイメージで、酸や刺激物から胃壁を守り、胃を保護してくれます。
ただし、食物繊維の多いキャベツの芯に近い部分は消化に悪いので避けるようにしてください。
でんぷんの消化吸収をサポート
アミラーゼはヤマイモにも含まれます。豊富なビタミンB群でスタミナアップをサポートしながら、胃を軽くして食後の胃の膨満感を解消する働きをします。
低脂肪・高タンパクで胃酸分泌を調整
低脂肪で高タンパクの食べものは、胃酸分泌をほどよく促し、消化をスムーズにしてくれます。
これは、タンパク質をとることで胃酸が出て、消化しやすい状態に整えてくれるからです。
一番のおすすめは、消化が非常に早い鶏のササミです。
油を控えてシンプルに食べたい
脂肪分が少なく良質のタンパク質を含む、カレイやタラなどの白身魚。
これらも低脂肪で高タンパクという胃にやさしい食べものの条件にあてはまります。
煮ものや蒸しもの、鍋ものなど、油を控えた食べ方がおすすめです。
大宮エヴァグリーンクリニック/東京泌尿器科クリニック上野/池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/新橋消化器内科・泌尿器科クリニック理事長。日本泌尿器科学会認定専門医。
料理研究家・管理栄養士。米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー、日本抗加齢医学会認定抗加齢指導士。
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