「いきもの観察」の世界へ!巨大ヒラタクワガタの子どもをのこしたい!
大人も子どもも夢中になれる「いきもの観察」の世界へようこそ!身近な生き物でも、じっくり観察するだけでこんなに楽しい! ザリガニの巣穴の作り方やつかまえたイモムシが羽化するまでの変化をレポート! 昆虫学者丸山宗利先生と水生生物保全協会代表理事の斉藤憲治先生を始めとする、専門家のコメント付きで、より深く生き物のことが理解できるようになります。
遊び/学び
巨大ヒラタクワガタの子どもをのこしたい!
黒くて幅広のからだをもつ大型のクワガタムシ。
分類
昆虫
大きさ
♂1.8~8.4cm ♀2.1~4.3cm
寿命
約1年
捕獲レベル
★★☆
●見つけられる場所・・・本州~南西諸島。雑木林や川ぞいの林など。コナラやクヌギなど、ヒラタクワガタが好む樹液の出る木にいる。●見つけられる季節・・・5~9月
バケモノ級にデカいヒラタクワガタのことを、ぼくは「バケヒラ」とよんでいる。6cm以上ならバケヒラだと思っているけど、ある夏6.7cmというとんでもないバケヒラをつかまえた!うちで育てていた大きなメスのヒラタクワガタと交配させて、夢の7cmをこえるバケヒラを生むことを目指す!!
用意するもの
下準備
マットをつくる!
5月。幼虫を育てるためのマット(土)をつくる! プランターに2種類の昆虫マットと小麦粉をブレンドしてみた。ジョウロで水をくわえたら、10日~2週間くらい毎日かきまぜて、発酵※させていくよ。
※微生物がふえることによっておこる変化のこと。
1
交配させる!
マットの準備ができたら、冬眠させていた成虫のオスとメスを飼育ケースからとりだす。うえからボウルをかぶせて、2匹をしばらくいっしょにした。
オスの触角がすごいはやさでピコピコ動いていた!
2
産卵セットをつくる!
飼育ケースにマットとヤシガラをしき、メスが卵をうみつけるための産卵木をうめる。昆虫ゼリーと交配させたメスをいれて、フタをする!
産卵木にほかの昆虫の卵が入っていることがあるので一度熱湯につけておこう
3
幼虫のほりだし!
9月。産卵セットをあけて、幼虫をほりだす。たくさんの幼虫がでてきたー! 幼虫はあたらしい昆虫マットをいれた小さいプラスチック容器に1匹ずついれていく。容器には必ず空気穴をあけよう。
4
おひっこし!
12月。大きないれものにおひっこし! ついでに体重をはかっていく。7グラム以下の軽い子たちと、12~18グラムの重い子たちにわかれた。
5
ついに成虫のほりだし!
次の年の7月。いれものをひとつずつあけて、成虫をほりだしていく。幼虫のときに軽いグループだった子はほとんどがメス! メスのサイズはだいたい3.7cm前後だった。
6
まだサナギ!?
幼虫のときに軽かったグループのうち、1匹だけがオスだった!しかも、ほかの成虫よりも羽化がおそく、まだサナギだった。そして、幼虫のときに重かったグループをほりだしていくと・・・・・・。
6cm台のオスがたくさん!
幼虫のときに重いグループだった子はすべてオス! 6cm台のバケヒラがどんどん出てきた!でも、親の大きさの6.7cmをこえる子はいなかった・・・・・・。
かたちが親そっくり!
子によって横幅やアゴなど、親から受け継いでいる部分がちがって、個性ゆたかだった!
羽化のおくれや、失敗もあった
幼虫のときからからだが小さかったオスは羽化するのもおそかった。
先生に聞いてみた!
栄養たっぷりの環境で、低めの温度で育てると大きくなります。昆虫は、あたたかい環境で育つとはやく成虫になります。だから反対に、すずしい温度でじっくり成長しながら、そのあいだにたくさんの栄養を吸収すると、大きく育つことができるのです。ゆっくり成長させるためには、その昆虫が自然にくらす環境よりすこし低いくらいの温度がちょうどよく、クワガタの場合はワインセラーなどで育てるのがぴったりです。クワガタの種類によって、温度とエサのよいバランスは細かくちがいます。たとえばオオクワガタは、「菌糸ビン」という栄養豊富なエサがつまったビンのなかで育てると大きくなりやすいのですが、ヒラタクワガタの場合は温度に気をつけないと、はやく成熟して小さくなってしまいます。
コラム
日本には、48種のクワガタムシが生息しています。雑木林でよく出会うことができる、5種のクワガタムシ(♂)を見分けるポイントを紹介します。
昆虫標本画像提供:丸山宗利
出会う地域やサイズによって、おなじ種類でも見た目が大きくちがうことも
博士(農学)。九州大学総合研究博物館助教。
農学博士。
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