1.2億インプレッションをXで記録した専門医の警告――小児科のインフルエンザ3大やめとけ
日本の人口と同じ1.2億人が見た?『#3大やめとけ』とは… 2025年8月「ドクターK@眼科医パパ」こと、眼科専門医・栗原大智氏がXに投稿したポスト。 「専門医の信頼できる情報×わかりやすさ」の組み合わせが他の医師や業界に広まり、【1.2億回表示。4.9万いいね】を記録しました。
健康/病気
良かれと思ってやっているその行動、実は逆効果かも?本書は、多くの人が陥りがちな「やってはいけないNG行動」を鋭く突いた話題の一冊です。
現状を好転させる実践的なアドバイスが満載。栗原 大智著書の『#3大やめとけ』から一部転載・編集してお届けいたします。
小児科のインフルエンザ3大やめとけ
STOP1
ワクチンを接種しない
STOP2
市販の解熱剤を独断で飲ませる
STOP3
「1回かかればもう大丈夫」と思い込む
答えてくれた先生
上野健太郎
日本小児科学会認定小児科専門医
おぎくぼ小児科 院長
https://ogikubo-shonika.com
※所属は 2026年4月現在
ワクチンを接種しない
→感染が広がると、脳症に至る子どもが増える
ワクチンは100%感染を防ぐものではありません。
しかし、発症する人や重症化する人を減らす効果があります。
ここを誤解している方がとても多いのです。
実際、6歳未満の小児では、ワクチンの発症予防効果は約60%とされています。
つまり、10人中6人は発症を防げる可能性があるということです。
さらに、接種することで学校の欠席日数が短くなったり、入院を防いだりする効果も期待されています。
これは本人にとっても、家族にとっても大きな意味があります。
ワクチンがインフルエンザ脳症を直接防ぐ明確な証拠は十分とは言えません。
しかし脳症はインフルエンザにかかることから始まります。
感染者そのものを減らすことは、脳症に至る子どもを減らす可能性があります。
このようにワクチンはインフルエンザの発症をゼロにはできなくても関わる病気を防ぐことができます。
また、ワクチンには赤ちゃんや基礎疾患のある子ども、高齢の方など、重症化しやすい方を守るための社会的な役割もあります。
感染症は、たとえ自分が軽症で済んでも、周囲に広がってしまいます。
「かからないため」だけでなく、「重くならないため」「広げないため」にワクチンは意味があります。
ワクチンを接種しないという選択は、やめましょう。
市販の解熱剤を独断で飲ませる
→インフルエンザ脳症の予後が悪くなる恐れがある
インフルエンザにかかった際、解熱剤の種類によってはインフルエンザ脳症との関連が疑われています。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザにかかった後にまれに起こる重い合併症で、特に小児では注意が必要な病気です。
これと関連が疑われているのが一部の解熱鎮痛薬です。
市販薬もあり独断での子どもへの投与は危険です。具体的には以下の3つは要注意です。
・アスピリン(商品名: バファリン®など)
・メフェナム酸 (商品名: ポンタール®など)
・ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン®など)
アスピリンは死亡率が極めて高い重篤な疾患のライ症候群との関連が知られており、メフェナム酸やジクロフェナクナトリウムはインフルエンザ脳症発症時の予後が悪いとされています。
これらの解熱鎮痛剤は小児のインフルエンザに対して使用しない方が良いでしょう。
「熱が高いから早く下げたい」 という気持ちは当然です。
しかし、解熱剤は病気を治す薬ではなく、つらさを和らげる補助的な薬です。
自己判断で市販薬を選ぶと思わぬリスクにつながります。
インフルエンザに使用できる解熱鎮痛剤もあります。
基本的に、小児科を受診して処方されるものを使用すれば問題ありません。
「1回かかればもう大丈夫」と思い込む
→別の型にかかればリスクも倍
「今年はもうインフルエンザにかかったから安心」という方がいます。
しかし、1シーズンで複数回かかる可能性があります。
その理由はインフルエンザウイルスの「種類の多さ」にあります。
近年流行しているのはA型はH1N1、H3N2の2種類、B型はビクトリア系統の1種類です。
A型とB型、A型の中ではH1とH3でそれぞれ抗原性が異なるため、それぞれにかかる可能性があります。
この「抗原性」とは、体の中に入ってきた異物(ウイルスなど)を体の免疫が「敵」だと認識し、抗体とくっつく力です。
つまり、この抗原性が変われば、せっかくできた抗体が十分に効果を発揮できなくなります。
そのため、1回感染して免疫ができても、別の型には十分な免疫が働かないことがあるのです。
インフルエンザの合併症は脳症、肺炎、中耳炎、筋炎などさまざまです。
もちろん、中耳炎等に比べれば、脳症など重い合併症は頻度が低いものの、2回かかれば合併症を起こす確率も増えます。
さらに、インフルエンザには出席停止期間が設けられており、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」は登園・登校ができません。
その間は保護者が仕事を休む必要も出てくるでしょう。
1年の間に2回インフルエンザにかかると保護者の仕事への影響も甚大です。
小児科の医師が教える
インフルエンザ3大
やっとけ
1
高所から飛び出せない環境づくり
インフルエンザに伴う異常行動には、「外に飛び出す」というものがあり、ベランダに飛び出してしまうと転落事故につながります。対策として、①窓の近くに足場となる物を置かない②室外機の位置を工夫する ③ 補助錠を設置する ④窓や網戸の劣化を点検する、この4つを事前に準備しておきましょう。
2
保護者と一緒に寝る
異常行動は発熱から2日以内に起こりやすいとされています。しかも、予兆なく突然起こります。普段は1人で寝ている子どもでも、感染時は同じ部屋で寝るなど、目を離さないことが大切です。日中も、眠っているからといって1人での留守番は避けましょう。
3
タミフル内服を必要以上に怖がらない
かつてタミフルと異常行動の関連が報告されましたが、現在では因果関係は明確ではなく、異常行動はインフルエンザそのものの症状の一つと考えられています。近年では、タミフルが異常行動リスクを減らす可能性を示唆する研究も報告されています。「異常行動が怖いからタミフルを避ける」という自己判断は避けましょう。
日本眼科学会眼科専門医。
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