注意しても聞かない集団行動ルールやマナーって?
こんなときどうする?特別支援教育をベースにした、日常の「困った!」を小さくするヒント#02
更新日:
平熱:
SNSフォロワー数8万人超の特別支援学校教員
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注意しても聞かない集団行動ルールやマナーって?
考えなければいけないのは、子どもたちの「ほんとうの目的」です。
この「ほんとうの目的」を「達成させない」ことで、問題の解決に近づくかもしれません。
たとえば、ド派手な衣装を着て成人式会場の壇上に乗り込み、大声ではしゃぐ若者たちの「ほんとうの目的」は、決して「成人を祝うこと」じゃないですよね。
彼らは「成人式」にかこつけて「目立つこと」や「騒ぐこと」、「注目されること」「お祭り感覚」 を目的にしてたのしみたい人たちです。
成人を祝うことが「ほんとうの目的」なら、家で数人集まるだけでも十分なはずです。
このお悩みの場合、「どうして」入ってはいけないところに入ろうとするのか、「どうして」叱られることがわかっていることをしちゃうのかを考えないといけません。
もし「叱られること(=注目してもらえること、かまってもらえること)」が「ほんとうの目的」だったら、叱れば叱るほど「ほんとうの目的」が達成されてしまいます。
悲しいことに、こっちの手立てがまるっきり逆の効果を生んでしまいます。
困った行動を、何度注意しても聞かない場合、子どもたちの「ほんとうの目的」を探っていき、それを達成させない工夫をこらしていきましょう。
ひとりで列を離れてしまいます。
「協調性がない」「集団行動ができない」という「抽象的な表現」をたくさんの視点や考えから「具体的な課題」に変換していくことが大事です。
たとえば、「運動会の行進で列から離れてしまう」を「協調性がない」「集団行動ができない」と捉えていたとしましょう。
このとき「どうして」列から離れてしまうのか、いろんな角度から考えます。
・どこを見て歩けばいいのかわかってないのかも
・行進の最中にほかのことが気になっているのかも
・歩くスピードをまわりに合わせられないのかも
・いつも体育で歩いているコースとちがうからなのかも
など、その子のふだんの様子を活動の内容と照らし合わせながら、なるべくたくさん検討します。
それができたら、可能性の高そうなものからトライ&エラーです。
ここで大切なのは「抽象的な困りごと」を「具体的な課題」に(仮説としてでも)置き換え、手立てを考えていくことです。
どこを見ていいかわからないことが原因で、目線が定まらずキョロキョロしているうちに列から離れてしまうなら 「列のひとつまえの子を見続けられる(まえの子についていける)ためのサポート」を考えないといけません。
体操服の背中にある赤いラインを見るように伝えるとか、
その課題を抜き出して (まったくちがう場面で)目でものを追う練習だけをしてみるとか。
ここを丁寧に拾おうとせず、「協調性がない」「集団行動ができない」と大人が一刀両断するのは、子どもに対してあまりにも乱暴です。
言葉は便利です。
「空気が読めない」「応用が利かない」そんな抽象的なひとことで、
だれかがうまくできないことを断罪することができます。
でも、大切なのは「どうやったら(少しでも)できるかな」の視点であり、具体的なアイデアや手立てです。
わたしたち大人は、子どもたちのふわふわした困りごとに輪郭をつけていってあげましょう。
蒸気はつかめないけれど、氷はつかんで食べられます。
おいしいかき氷、つくっていけたらいいよね。
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