グローバル社会に必須!「自分の考え方を認識する」

質問を変えるだけで、子どもの思考力がぐんぐん育つ! グローバル社会に生きる子どもたちに必須の思考力

教育

受賞歴のある革新的なプログラム「ブレイブ・ライター」の開発者。
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自分の考え方を認識する

クリティカルに思考するためには、自分自身の考え方を知る力(自己認識力)が必要です。

自分が物事をどのように解釈しているか、どのような個人的な思い込みや偏見を持っているか。

これは自分では認知しにくく、子どもだけでなく人間なら誰でも持っている共通の盲点です。

自分自身の考え方に焦点を当てるための手法として、私が「アカデミック・セルフィー」と呼ぶ方法をお伝えしましょう。

自分が周囲を見ているレンズを反転させて、自分自身の考え方を観察するのです。

自分の信じることが、学校、インターネット、テレビ、ラジオで学んだことと一致しているかどうかを確認するのです。

このような内的な作業をしない限り、自分でも気づかないうちに、個人的な固定観念によって判断・評価してしまうのです。

私たちは、「自分が真実であってほしいこと」を元に、それぞれが自分の解釈を正当化しがちです。

「アカデミック・セルフィー」、つまりそのレンズを反転させるということは、個人的な思い込みが物事の判断や理解に影響を及ぼすのを認めることです。

クリティカル・シンキングには「他者への批判性」と「自己への気づき」、この2つのスキルが含まれます。

両方が必要なのですが、後者は過小評価されがちです。

子どもへの教育では、自己認識というスキルを最初に教えましょう。

自己認識力を高めるためには、次のような見過ごされがちな反応に目を向けることから始めましょう。

これらの反応や違和感から、自分の考え方や信念の傾向をつかむことができます。

●数字を覚えるとき、頭が真っ白になる。

●これが真実であってほしくないと思う。

●親、親友、教師は何と言うだろう、と不安になる。

●ドラマを見て過去の嫌な経験を思い出す。

●著名人が自分の嫌いな政党を支持していることにモヤモヤする。

●この事実を含めると論文が台無しになる。これを省いて論文を書けるかな、と考える。

●Xのことをもっと知りたいのに、書き手はXを無視しているのがイライラする。

確証バイアスの罠

また、ソーシャルメディアで怒りの投稿をするとき、自分の主張に反する証拠を意図的に排除した経験はないでしょうか。

あなたの心は、自分の考えの矛盾を検討するエネルギーと、自分の考えを見直すのに必要な時間を節約しようとしているのです。

インターネット上の会話の多くは、あまりにも勢いよく進みます。

わめき散らすと元気が出ます。真実であってほしくないと思う見解や事実を忍耐強く考察するのは、疲れるものです。

自分の世界観から外れた解釈は異端とみなすように訓練されているため、大人でさえもこのスキルの習得には苦労しているのです。

あなたの信念に反する論説を読んだと想像してください。

次のような自分の反応を観察してみましょう。

●みぞおちのあたりに引っかかるものがある。

●退屈になったり、怒りを感じたりする。

●今までかたく信じていたことが変化し、不安になる。

重苦しい感情を生み出す情報を無視するのは簡単なことです。

逆に、真実であってほしいと思うことを誰かが認めてくれたときにはアドレナリンが放出され、その快感にはクラクラします。

それこそが、自分が正しい側である証拠だからです。

この正当性の確認を求めるメカニズムを専門用語で「確証バイアス」といいます。

自分の信念を確かなものにする説明を信用しようとする傾向のことです。

このような身体的感覚、思考、神経科学的な反応は簡単に排除できるものではありません。

これらは、私たちが基本的な意見を形成する方法の本質として存在しているのです。

PROFILE

受賞歴のある革新的なプログラム「ブレイブ・ライター」の開発者。

ジュリー・ボガート

毎年何万もの家族にライティングとランゲージアーツを教えている。現在は成人している5人の子どもを、17年間ホームスクーリングで育てた。「ブレイブ・ラーナー・ホーム」を創設し、コーチングや授業を通じて多くの親をサポートしている。また、オハイオ州シンシナティのザビエル大学で神学の非常勤教授として教壇に立った経験をもつ

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