内向・HSCの子どもとの接し方!「自分のやりたいことや気持ちを言えない」

引っ込み思案こそ、伸びしろいっぱい!洞察力、思考力、話を聞く力、信頼される力、感受性の高さ。2000人以上の親子の悩みを解決した元スクールカウンセラーが伝える内向・HSCの子どもとの接し方。

しつけ/育児

臨床心理士/公認心理師/元東京都スクールカウンセラー
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先生と友だちに、自分のやりたいことや気持ちを言えない

内向・HSC型の子どもは、それぞれの性質から、自分の気持ちや考えを伝えるのが不得意です。

「自分の気持ちを言えないと学校で困るのでは?」

「大人になったら将来困るだろう」

と親が不安になるのもわかります。

でも、学校などで経験を積み重ねながら、少しずつ自分の気持ちを言えるようになるものです。

その成長を応援するために、子どもの性質を肯定して、今できることを教えてください。

やりたいことや気持ちを表現してほしいとき

OKな接し方

内向型

〇「しっかり自分で考えるのは大切なことだね」と伝える

HSC型

〇「言えそうなときに思い切って言ってみよう」と伝える

NGな接し方

× なんて言えないの?

× いじめられたり、仲間はずれになっても知らないよ

× だから言ったでしょ

OKな接し方の解説

◎内向型

「しっかり自分で考えるのは大切なことだね」と伝える

内向型は、自分がどうしたいのかを自分でじっくり考えることを好みます。

先生や友だちに言いたいことが言えないのは、考えるのに時間がかかることや、考えてもうまくまとまらないことがあるからです。

内向型の子どもが発言しようとする頃には、話が先に進んでいてタイミングを逃してしまうケースもあるでしょう。

子どもも、自分がすぐに答えられないもどかしさや、自分の気持ちを伝えられない悔しさを感じています。

それと同時に、言うのが面倒くさいとあきらめを感じているかもしれません。

親は、うまく言おうとはしているけれど、できなくて悔しがっている子どもの気持ちを理解してサポートしてあげましょう。

「自分でしっかり考えるのは大切なことだね」「無理に急いで考えをまとめる必要はないよ」と、子どものペースでいいから周囲に伝えてみようと励ましてください。

また、内向型の子どもは自分の意見は歓迎されないと思っていることもあります。

「先生や友だちは、あなたの気持ちや考えを知りたいと思っているよ」と言うのもよい方法です。

子どもがコミュニケーションの意義を理解し、自分のペースを尊重してもらえると、どうやったら相手に伝わるかを自ら試行錯誤するようになります。

◎HSC型

「言えそうなときに思い切って言ってみよう」と伝える

HSC型は、相手の気持ちや願いを汲みとってしまうために、自分の気持ちを言いにくくなってしまうことがあります。

そうはいっても、いつも遠慮してばかりではありません。

「反対意見を言っても大丈夫だ」と安心できる場所や信頼できる相手に対しては、率直に気持ちを言うことができます。

しかし、相手がどういう人なのかわからないときや、機嫌を損ねないようにする必要がある場合は、相手の気持ちを優先して、自分の気持ちや考えを言えなくなってしまいます。

相手の気持ちを尊重するコミュニケーションができることは立派なことですから、「思いやりがあって優しいね」と、まずは認めてあげましょう。

そのうえで、「自分の気持ちも伝えられるようになれるといいね」と伝えてください。

ただ、いつでも自分の気持ちを言えるようになるのは、子どもにとって難しいことなので、「言えそうなときに思い切って言ってみよう」と伝えましょう。

たとえ言えなかったとしても、子どもを責めないように接してください。

ただ、意地悪をされたり不愉快なことがあったときは「イヤだ」「やめて」と、相手に遠慮せずに言うことが大事だと教えてあげましょう。

これらは自分を守るために必要な言葉なので、早めに言えるようにできるといいですね。

NGな接し方の解説

× なんで言えないの?

子どもが、自分の気持ちを伝えられないのがもどかしくて「なぜ言えないんだろう?」「思い切って言えばいいのに」と思いますよね。

親として何かよい助言をしてあげたい、言えない理由を知りたいと思い、「なんで言えないの?」と聞くこともあるでしょう。

でも、この言葉は理由を聞いているようで、できないことを責めるニュアンスのほうが強くなり、子どもはダメな子だと思われたと感じてしまいます。

「言えなくて悔しかったね」や「言いにくかったね」「言える方法あるかな?」など、子どもに寄り添える言葉をかけてあげてください。

× いじめられたり、仲間はずれになっても知らないよ

自分の気持ちが言えないと「お友だちからいじめられるのではないか?」「仲間はずれにされないか?」と親は不安に感じます。

しかし、「~されても知らないよ」と脅すことで発言をうながしても、子どもは言えませんし、もっと不安にさせてしまいます。

うっかりこの言葉を言ってしまったら、「心配になっちゃったよ」と親の気持ちを伝えて、何か手伝えることがないか聞いてみましょう。

× だから言ったでしょ

子どもが自分の気持ちや考えを言えずに誤解されたり、不利益を被ったりするのではないかと思うと、親は「ちゃんと言いなさいね」「言えないとあなたが困るのよ」と助言します。

けれども、自分で言いたいと思っていても、現実的にまだ子どもはできなかったのです。「この子は今、言えないところでもがいているんだな」と理解して、「残念だったね」と気持ちをわかってあげられると子どもを応援できます。

PROFILE

臨床心理士/公認心理師/元東京都スクールカウンセラー。

吉田美智子

東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科臨床心理領域修了・心理学修士/テンプル 大学大学院経営学部修了・経営学修士/専修大学文学部英米文学科卒業。
外資企業勤務後、心理臨床の道を志す。臨床心理士の資格取得後は、東京都・神奈川県・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年はこにわサロン東京を開室。
主な技法は、ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析。読 売新聞、日経新聞、日経ウーマン、 PHP子育てなどメディアでも活躍中。

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臨床心理士/公認心理師/元東京都スクールカウンセラー
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